【PFL Euro2024#01】PFLヨーロッパはパリから。欧州のアレックス・ペレイラ=セドリック・ドゥンベ登場
【写真】キックで75勝、45KOのKO勝利の元GLory世界王者。こういうところを掘り続けられると、大変なことになるッ!!(C)PFL
18日(木・現地時間)にPFLが、PFL Europe 2024シーズン初イベントを3月7日(木・同)にフランスはパリのアコー・アレナで開催し、カード第一弾としてウェルター級のセドリック・ドゥンベ✖ビソングール・シャンソウディノフを組むことを発表している。
Text by Manabu Takashima
Bellatorの買収と、2月24日のサウジアラビアにおけるPFLとBellatorの王者対決PPV大会「PFL Champion vs Bellator Champion」の早々の実現。MMA界を席巻するPFLにとって6つの軸の一つであるPFL International Leaguesの一環として、昨年から活動しているPFL Europeのカレンダーがレギュラーシーズンに先立ち明らかとなった。
PFL Euro 2ndシーズンはパリでスタートを切り、7月8日に英国/イングランドのニューカッスル大会、9月28日には英国/スコットランドのグラスゴー大会を経て、日時&開催地未定の決勝大会が行われることに。つまりPFL League Seasonがレギュラーシーズン2戦(6イベント)+プレーオフ(3イベント)&フィナーレ(1イベント)の10大会で構成されるのと違い、ユーロシーズンは4イベントで成り立っている。
PFL Euro2023はバンタム級、ライト級、女子フライ級、そしてライトヘビー級の4階級で8人トーナメント戦として実施され──バンタム級ではドイツのクルシェド・カホロフ、ライト級はポーランドのヤクブ・キャスバ、女子フライ級は英国のダコタ・ディチェバ、ライトヘビー級はスロヴェニアのヤコブ・ネドーが制し、それぞれが優勝賞金10万ドルを獲得している。
今年、トーナメントが組まれる階級は現時点で分かっているのは、昨年は実施されなかったウェルター級の1階級のみで、出場選手はライト級王者カズバの名前が挙げられているが、他の3階級と出場ファイターのアナウンスはこれからとなる。
欧州全域からファイターが集まっていた2023年シーズンだが、ヨーロッパはBellatorがもとから英国のみならず、アイルランドやイタリア、フランスでマーケットを開拓してきた土地だ。昨年もダブリン、パリと2大会を開き、2022年はミラノ、ダブリン、ロンドン、パリで合計5大会を行っている。それらの大会にはいわゆる欧州枠とされる選手が出場しており、北米イベントに進出するファイターを見出してきた。
フェザー級のキアラン・クラーク(アイルランド)、ジョシュ・オコーナー(英国)、アザエラ・アジョウジ&イーブ・ランジェ(フランス)、ライト級のティム・ワイルド(英国)、ウェルター級のルカ・ポリク(モルドバ)らはPFL Euroのラインナップに加わるようだと、優勝候補に十分になり得る。果たして、他の3階級と出場選手がどのような顔ぶれとなるなるのか非常に楽しみな2024年のPFL欧州の戦いだ。
その戦いの幕開けで早々に決定したセドリック・ドゥンベ✖ビソングール・シャンソウディノフ。ドゥンベはカメルーン出身で、時期で有名なフランス中部リモージュを拠点とする。
昨年9月のPFL欧州デビュー戦となったジョーダン・ゼボ戦で09秒左フックでKO勝ちというインパクトを残したドゥンベのMMAレコードは5勝0敗で、全試合がKO勝ちとなっている。前述した左フックは大外を回るロングと、ワキをしめてコンパクトに射貫くケースがあり、とにかくスピードが半端ない。
顔面のみならず、腹を効かせた後の仕上げはヒザ蹴りや上への蹴りが流れるように繰り出される──この辺りはさすが元GLORY世界ウェルター級王者で83戦75勝7敗1分、45のKO勝ちを誇る強豪キックボクサーだっただけのことがある。
欧州&PFL版、アレックス・ポアタンといっても過言でないドゥンベに相対するシャンソウディノフは、パリ在住のチェチェン人ファイター。戦績は8勝0敗でAres FCウェルター級戦線で活躍してきた。上背はないが、ボクシング&レスリングと柔道の足技を融合させ、グラウンドで強力なパウンドとエルボーを持つ。
ドゥンベにとって、リーチの差はあっても潜るようなテイクダウンを持つシャンソウディノフは分の良い相手なのか、それとも苦手とするタイプなのか。MMAファイターとして総合力が問われる対戦であり、またこのような選手をしっかりとフランス・パリ大会で重用できるのはPFLの市場が多岐に渡っている表れといえる。