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【Pancrase340】12・24を読む パンクラス&ネクサスの2冠へ、河村泰博「両団体の懸け橋になりたい」

【写真】ネクサス愛はもちろん、パンクラス愛もある河村だ(C)MMAPLANET

24日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE340で、河村泰博がバンタム級王座決定戦で元フェザー級暫定KOPの透暉鷹と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

9月のPANCRASE 337ではランキング1位の井村塁に一本勝ちし、王座決定戦のチャンスを掴んだ河村。近年はFighting NEXUSを主戦場にし、同団体のバンタム級王者にもなったが、プロデビューの場はパンクラスで、キャリア初期はパンクラスで試合を重ねてきた。

井村戦後のネクサスとパンクラスの対抗戦要求がクローズアップされている河村だが、ネクサスとパンクラスを股にかけて戦うファイターとして、両団体を盛り上げたいという想いがあった。


──PANCRASE340で透暉鷹選手とバンタム級王座を争う河村選手です。2試合連続でのダースチョークでの一本勝ちとなりましたが、試合後のインタビューでは打撃のスキルが伸びたことが一本勝ちにつながったと話していましたね。打撃を伸ばすことが最近のテーマだったのですか。

「僕が最終的に寝技でフィニッシュするスタイルというのが周りにバレているので、そうなった時に寝技だけではダメだというのがあったんです。練習していくなかで打撃も徐々に上手くなってきて、これは打撃をやった方が逆に寝技に持っていきやすいんじゃないかと思い始めたんですよね。それで2年ぐらい前から打撃とグラップリングの練習の配分を2:8から9:1くらいにして、それが最近の試合結果につながっていると思います」

──打撃は専門のジムで練習しているのですか。

「中野のセンチャイムエタイジムに出稽古に行かせてもらったり、プロボクサーの方と週に数回スパーリングをやらせてもらっています」

──打撃が伸びるイコール有利な状態で寝技に入ることが出来る。そういう感覚ですか。

「そうですね。カウンターの寝技みたいなものを意識していて、相手が組んできたところでもう形を作るというか。打撃ができるようになって、MMAスパーでそういうところを意識してやっています。特にダースチョークのような首系のサブミッションは打撃のプレッシャーがあるとより極まりやすいので、そこに手応えを感じてやっています」

──そして今大会でパンクラスでのタイトルマッチが決まりました。オファーを受けた時の心境を聞かせてください。

「前回ランキング1位の選手を倒しているので、次はもうチャンピオンシップしかないのかなと思っていました」

──透暉鷹選手はもともとフェザー級の選手なので、あまり対戦相手としてイメージしていた選手ではなかったと思います。どんな印象を持っていますか。

「まず階級が違っていましたし、僕がパンクラスを離れている間にチャンピオンになった選手なので、あんまり見たことがなかったんですよね。強いっていうのは聞いていたんですけど、色々と調べていく中で、フェザー級時代からフィジカルも強いタイプだということで、それがバンタム級に落としてどうなのかなっていうのがありますね。あのフィジカルをバンタム級で活かせる場合もあれば、逆にフィジカルでゴリ押しできなくなる場合もあると思うので、そういった意味では未知数だと思います」

──タイトルマッチは5分5Rですが、イメージ的にはどんな試合を想定していますか。

「僕としては前回みたいにすぐ極めることは考えてないです。25分間フルに戦う中で、どこかで極められればっていうイメージを持っています」

──この試合に勝てばパンクラスとFighting NEXUSの2冠王になりますが、そこは意識していますか。

「2団体のベルトを同時に持つというのは、あまり誰もやっていないことだと思うので、それは実現させたいですよね。僕のプランとしては両団体のベルトを獲って、来年はネクサスとパンクラスで1回ずつ防衛戦をやりたいです」

──河村選手はキャリアの初期にパンクラスに出ていて、それからネクサスに出てベルトを獲って、パンクラスに戻ってきてタイトルマッチというキャリアを積んでいます。ネクサスに出ている時もいずれパンクラスのベルトを狙いたいという想いもあったのですか。

「ネクサスのチャンピオンになった時に、山田峻平代表とネクサスに防衛戦をやりながら他団体のベルトも狙いたいという話をしていて、色々とタイミングが合ったのがパンクラスでした。こういう形でパンクラスに出るのは、すごく縁を感じますし、僕がパンクラスに出ていた頃は勝ったり負けたりだったにも関わらず、コンスタントに試合を組んでもらえていたんですよ。だからパンクラスに育ててもらったという意識も持っていて、ネクサスでチャンピオンになった僕がパンクラスに出ることで、少しでもアクセントになって盛り上がってくれたらいいなという気持ちがありました。実際それでパンクラスを盛り上げることが出来たと思うし、王座戦まで組んでもらえたので、そこは狙い通りだったかなと思います」

──河村選手はベルトを持っていることもありネクサスの印象が強いですが、パンクラスへの思い入れも強いですか。

「めちゃめちゃ強いです。正直、前回1位の井村選手を倒して、これで(パンクラスは)いいかなとも思ったんですけど、勝ち逃げするのはパンクラスに対して失礼だし、先ほど話したように僕はパンクラスに育ててもらって、今の自分の手でパンクラスを持ち上げたい想いもあって、今回の試合を受けました」

──それも含めて自分にしかできないことをやっているという感触はありますか。

「僕は自分でもそこまで華がある選手ではないと思っていますが、それと同時に僕にできることも絶対にあると思うんです。ネクサスは勢いがある団体で、結構強い選手も輩出していて、そういう選手たちをもっと知ってもらいたいという気持ちもあって。僕がパンクラスで活躍すれば、そういう子たちがパンクラスに出るチャンスが来ると思うので、僕がその懸け橋になれればいいなと思います」

──次の試合でパンクラスの王者になって、ネクサスでやってきたことを証明したいですか。

「それは凄く思いますね。正直、初めてネクサスに出る時、『ネクサスなんか出たくないよ』って感じで、下に見ていたところがあったんです。でも実際に僕がオファーを受けた選手は強い選手が多くて、純粋にやってみたいと思うような試合でした。どうしてもネクサスは修斗・パンクラス・DEEPほど認められていない節もありますが、ネクサスにも強い選手はいるわけで、修斗・パンクラス・DEEPでなかなか勝てなかった選手がネクサスで強い選手たちと戦って実力をつけて、もう一回そういう舞台に上がるという新しい形は作れているのかなと思います」

──今回の試合でベルトを獲れば、河村選手がやってきたことがいろんな意味で証明される形になると思いますし、パンクラスのベルトを獲ることによって、新しいステップや新しい道も見えてくると思います。パンクラスとネクサスで防衛戦をする以外の目標はありますか。

「パンクラスとネクサスでチャンピオンになって、すぐにベルトを返上する選手も見受けられますが、僕はベルトを防衛しながらRIZINにも出たいです。僕はRIZINで一度負けてしまっているので、そこのリベンジはずっと考えていることです」

──例えばRIZINでアラン“ヒロ”ヤマニハ選手や佐藤将光選手といった過去に負けた相手にリベンジしたいという想いはありますか。

「意外とそこはあんまりないですね。1回戦った選手にリベンジするよりも、今までやったことがない他団体のチャンピオンやRIZINに定期参戦している選手とか、そういう新しい選手とやった方が面白いのかなと思います。お客さんが見て、面白いなと思える選手とやった方が盛り上がるのかなと思っていますし、僕もそれをやりたいなと思っています」

──12月はRIZINも含めて、色んな大会がありますが、その中でどんな試合を見せたいですか。

「僕の試合は結構気がついたら技が極まっていたりとか、細かい寝技の攻防になってくると思うので、そういったところを見てもらいたいです。あとは透暉鷹選手も実力者なので、実力者同士の技術の出し合いや削り合い、そういったところをじっくり見てもらいたいです」

2023年12月24日(日)
横浜市中区
横浜武道館
Pancrase340

■視聴方法(予定)
2023年12月24日(日)
午後1時15分~ U-NEXT 、PANCRASE YouTube メンバーシップ

■ 対戦カード

<ウェルター級KOPC/5分5R>
[王者] 林源平(日本)
[挑戦者] 住村竜市朗(日本)

<フライ級暫定王座決定戦/5分5R>
伊藤盛一郎(日本)
有川直毅(日本)

<バンタム級王座決定戦/5分5R>
河村泰博(日本)
透暉鷹(日本)

<ライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
粕谷優介(日本)
雑賀“ヤン坊”達也(日本)

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
沙弥子(日本)
V.V Mei(日本)

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
ジェニー・ファン(台湾)
SARAMI(日本)

<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑(日本)
平田直樹(日本)

<フェザー級/5分3R>
高橋遼伍(日本)
キム・サンウォン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
Ryo(日本)
栁川唯人(日本)

<フライ級/5分3R>
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)
松井斗輝(日本)

<71.5キロ契約/5分3R>
近藤有己(日本)
美木航(日本)

<バンタム級/5分3R>
田嶋椋(日本)
笹晋久(日本)

<ウェルター級/5分3R>
川中孝浩(日本)
佐藤生虎(日本)

<フライ級/5分3R>
眞藤源太(日本)
梅原規祥(日本)

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