【Strikeforce】ジャカレが王座戴冠、新たな一面も
■SF世界ミドル級王座決定戦/5分5R
ホナウド・ジャカレ(ブラジル)
Def.5R終了/判定
ティム・ケネディ(米国)
打撃に成長を見せるジャカレは、左右のフックをヒットさせ、意外にも1R序盤のスタンド戦を優位に進める。さらにはケネディの突進をかわし、接近してはボディを打ち抜くジャカレ。しかし、残り30秒でケネディの左を受けた際、足を滑らせ、腰からキャンバスに倒れてしまう。すぐに立ち上がって、組みついてヒザを放つジャカレだが、終盤の動きをどのようにジャッジが判断するか。
2R、スーパーマンパンチで突進してきたケネディに、ショートの連打で応えるジャカレ。左に右を合わせようとするケネディだが、テイクダウンを警戒してか、ジャカレの突き出した左足に、ローを蹴り込むことはない。
左から右を繰り出したジャカレに、負けじと左を返すケネディ。ジャカレはダーティボクシングも見せる。左から右を放ったケネディだが、カウンターの右を返すなどジャカレの優勢が続く。と、ここでダブルレッグを見せたジャカレ。ケネディがケージ際で踏ん張ると、自ら距離をとり打撃戦に戻る。
ここで右ローを見せたケネディだったが、まだ自分の距離で戦うことはできない。前蹴り&右ストレートをヒットさせたジャカレは、USAコールのなか2Rをモノにした。
3R、ケネディが序盤よりも動きを見せる。ロー、組みついてテイクダウン狙いまど、試合のリズムを掴もうと自ら仕掛けていく。飛び込んで左を打ちこんだケネディは、組みついてケージにジャカレを押し込むとヒザをボディに突き上げていく。
態勢を入れ替えて距離を取ったジャカレは、スタミナの温存を図るかのようにスタンドで一定のリズムを守って戦う。左目の上をカットしているケネディは、ジャカレの右を受けるが、左は頭を引いてディフェンスする。左ジャブを伸ばしたケネディは、パンチを空振りしたジャカレに組みついてテイクダウンを奪う。
ケージを蹴って、頭をケージ中央に向けたジャカレだが、ケネディはパウンド狙いで頭をケージに再び押し込む。ガードからケネディのボディを押して立ち上がるための距離を作ろうとしたジャカレ、ケネディは足を滑らせジャカレをスタンドに逃してしまう。
流血のケネディは、残り30秒で右ボディフックこそヒットさせたが、有効な攻撃を仕掛けることができないまま同ラウンドを終えた。
左目の上、額の部分がかなり開いているケネディ。右ローから4Rに入ると、続いて右ミドルを見せる。ジャカレの左に、ケネディは右のカウンターを合わせると、思い切り右ローを蹴り込んでいく。ジャカレの左、ケネディの左ミドルが交錯するが、明らかにジャカレのパンチは手数&精度が落ちている。すると、テイクダウン狙いを見せたジャカレだったが、ケネディはスプロールから立ち上がると再び試合は打撃戦に。
ジャカレの右フックに合わせたケネディのローが急所に直撃し、試合が一時中断する。ジャカレの回復を待ち、試合は再開しようとするが、タイムキーパーが手間取り、通常より時間を要したインターバルとなった。
再開後、シングルからテイクダウンを狙ったケネディ。今度はジャカレがスプロールから立ち上がる。なかなか攻め手がみつからない両者、手数が少ない状態で4Rも終了する。
最終回、ケネディが左ハイから左を伸ばす。ケネディが左フックをヒットさせると、ジャカレも左ジャブを伸ばす。ジャカレが右を再びヒット、さらに左&右を伸ばし、ケネディが足を滑らせると、すかさず右の拳を落とす。
組みついてヒザをボディに突き刺したケネディは、USAコールを背中にテイクダウンを狙うが、これは未遂に終わる。残り2分、ケネディの右ボディ、右ボディがジャカレを捉える。ジャカレは大きなフックを振り回すが、ケネディには届かない。続いて組みついてテイクダウンを狙ったジャカレ、ケージに詰まるとここでも自ら距離を取る。と、前に出てきたケネディのバックに回り込むが、すぐにケネディも距離を取り、両者が向かい合う。
残り30秒、ジャカレが右をヒットさせると、前に出ようとしたケネディの姿勢が乱れる。それでも直後にシングルレッグからバックを取ったケネディは、孤の大きな投げを見せる。ここで5Rの試合はタイムアップに。両者とも、25分間に渡り決定的なシーンを作ることができず、勝敗はジャッジの判断に委ねられることに。ジャカレはテイクダウンこそ取れなかったが、パンチでケネディの顔面を腫らせ、カットもした。
ジャッジの裁定結果は、47-46が1人、48-47が2人でジャカレがストライクフォース世界ミドル級王座につく。「ティム・ケネディはタフだった。テイクダウンができなかったけど、パンチで勝てた」というジャカレ。その言葉通り、らしさを見せることはできなかったが、新しい一面を見せて王座についた。
一方のケネディは「ベストグラップラーが僕を寝技に持ち込めず、僕はテイクダウンした。やるべきことはできた。ジャッジの裁定は分からない。また、トレーニングをして戻ってくる」と語り、ファンのサポートに感謝した。