【UFC117】ドスサントス、ネルソン破り王座挑戦をアピール
■第7試合 ヘビー級/5分3R
ジュニオール・ドスサントス(ブラジル)
Def.3R終了/判定
ロイ・ネルソン(米国)
顔面を固めて前に出るネルソンに対し、カウンター狙いのドスサントス。ネルソンの右に、サントスが左を合わせるが、TUF10ウィナーがすかさずシングルレッグから組みついていく。
腰に手を回し、ケージからオクタゴン中央を通り、反対側のケージに押し込んだネルソン。距離ができるとドスサントスがアッパーを効かせ、連打でネルソンを追い込んでいく。
ケージを背にして、亀のように固まるネルソンを相手に、一度は距離を取ったドスサントスはボディから再びアッパーをヒットさせると、首相撲からヒザを連打で突き上げる。打ち疲れを嫌がってか、圧倒しながらも、呼吸を置くドスサンスに対し、ネルソンは前に出るだけパンチを打ち込まれる。右だけでなく左のアッパーも見せたドスサントスに、ネルソンがUSAコールに応えるようにクロールフックをヒットさせるが、形勢逆転には至らない。
左フックから強烈な右を放つドスサントス、ネルソンも一方的に攻め込まれながらも、1R終了のホーンを聞くことができた。
2R、いきなりヒザを見せたドスサントス。前蹴りでネルソンの前進を止め、振りの大きなパンチに対し、コンパクトなパンチを繰り出す。
前に出る際にガードを高くするため、パンチがワンテンポ遅れてしまうネルソン。大きく踏み出しても、ドスサントスは軽くバックステップでかわしてしまう。ただし、ドスサントスも1Rと比較すると、手数が少なくなっており、ネルソンは組みついて削りにいく。
大USAコールを背に戦うネルソンに、ドスサントスはダブルレッグの奇襲を見せたが、これはネルソンがバービーでかわす。直後にボディを連打したドスサントス。ネルソンの突進をかわすが、やはり手数は控えめだ。ネルソンの左の空振りの後に、ドスサントスが左を被せると、ネルソンは息も荒く、ガードを上げ続けることもできない状態になる。
ラウンド終了間際のダブルレッグを切られたネルソンは、この回の終了を告げるホーンが鳴なると、大きく息をついてコーナーに戻った。
最終回、ドスサントスが再びペースアップし、パンチにミドルを織り交ぜていく。ネルソンも負けじとフックを返すが、ドスサントスは前蹴りから右フックを伸ばし、さらに右アッパーで巨体をのけ反らせる。
左からシングルレッグでテイクダウンを奪ったドスサントスに、ネルソンが立ち上がるところへ狙い打ちのようにパンチを放っていく。息も絶えだえの状態になりながら、粘りを見せるネルソンはロングレンジから右フックを繰り出す。空振りすると大きく体が崩れるネルソンは、よくここまで立っていられるというような状態で、さらにドスサントスの攻撃を受ける。
残り90秒、両者の左が交錯し、ドスサントスは右ボディから右アッパー、さらに左クロスと攻撃の手を緩めない。それでも、反撃の機会をうかがうネルソンは左フックから右を見せるが、ドスサントスは左フックをヒットさせ、左右のフックを重ねる。
ネルソンも最後まで拳を振り続け、試合終了時には場内のファンがスタンディングオベーションで両者を称えた。ネルソンも最後まで粘りを見せたが、内容的にはサントスが圧倒した一戦。ジャッジは3者とも30-26、30-27×2とドスサントスが圧倒的な勝利を挙げた。
「ネルソンは本当にタフだった。タイトルショットの準備はできている」、ドスサントスはブロック・レスナーとケイン・ベラスケス戦の勝者へのチャレンジを高らかに宣言し、ケージを後にした。