【UFC292】グリフィン×ボナーに少しフライ✖高山が融合のタフマッチ。カトーナが初の2度目のTUF制覇
<TUF31バンタム級決勝/5分3R>
ブラッド・カトーナ(カナダ)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
コディ・ギブソン(米国)
互いに2度目のUFC契約を目指すギブソンとカトーナ。後者はBRAVE CF王者から、シーズン27に続き史上初となる2度目のTUF制覇を目指す。打撃の交換から距離が近づくと、クリンチでパンチを入れたカトーナが右ミドルハイを蹴る。ギブソンは右ストレートを伸ばし、ジャブを見せる。カトーナは左インローから右オーバーハンド、ギブソンは右ミドルを蹴る。インローを続けるカトーナは、右ミドルから右ストレートを被弾して、組みに持ち込めない。ギブソンは再び右ストレートを入れたが、ローから左ジャブを被弾する。それでも右を当て、ワンツーのギブソンに左フックをヒットさせたカトーナが右を入れる。
ワンツーで前に出て、クリンチでアッパー、離れて左を当てたギブソンが圧を掛ける。エルボーを返したカトーナ、ギブソンは左ボディストレートと両者がハイペースで動き続ける。スイッチしたギブソンが右を差すが、離れたカトーナが右縦ヒジを繰り出す。互いにダーティボクシングで腹を殴り、カトーナが左フックをヒットさせて時間に。互角、前に出たギブソンが微差を取ったか。
2R、左フックを引き続き入れるカトーナが、左ボディから右をヒットさせダブルレッグへ。切ったギブソンが右をヒットさせ、前に出る。右、左とコンビでなくセパレートしたパンチを入れたギブソンに左フックをカトーナが当てる。近い距離でボディから右フックを打ち込むギブソンが、前に出てボディを2発いれる。カトーナは圧に疲れながら手を出すが、打たれて回る場面が目立つ。
それでもカトーナも右から左をクリーンヒット、スイッチしたギブソンに右ハイを狙う。ギブソンも左ミドルを入れ、右アッパーで前に出る。左手を取られたギブソンが、右を当てる。手数で圧されたカトーナが右を打ちこむと、ギブソンの動きが止まる。もう一発右、ギブソンも右を返すが流れはカトーナに。右を1発、2発と入れて時間となるやカトーナは両手を高々と掲げた。
最終回、ジャブのギブソンにワンツーのコンビを決めたカトーナが左を被弾する。カトーナは左を返し、左回りのなかで左ボディフックを決める。さらに左ローのカトーナに、ギブソンは構えをオーソに戻して右ロングを打ち込む、動きが落ちたと思われたカトーナが左ジャブを返す。オクタゴン中央のクリンチから、離れたギブソンが右アッパー。残り半分、左右に回るカトーナにギブソンが右ストレートを決める。
ギブソンはジャブから右ストレートを当て、さらに右フックを決めるとヒザを突き上げる。カトーナも右を返し、右アッパー、左ボディから再び右アッパーを決める。右目に手をやり下がったギブソンはパンチを纏められながら右を返す。ここからは根性のダーティボクシングと接近戦のパンチの交換、最後はクリンチとなりゼロ距離で両者が拳を振るった。
ある意味TUF01のフォレスト・グリフィン×ステファン・ボナーに、ちょっとしたドン・フライ✖高山善廣戦のスパイスが入った激闘は──3-0でカトーナに凱歌が挙がった。
ギブソンの圧に負けず、手数で劣ってもパンチを効かせて2度目のクリスタルのトロフィーを手にしたカトーナは「故郷に帰ってきたような気持ちだ。どうだい? ボストン!!」と絶叫。さらに「ただタッチしてくると思っていたけど、違った。凄まじかった。コディを全面的に尊敬している。このペースのファイトを皆に楽しんでもらえたかな。スーパーマンは(最終回に)サードギアに入れた。ここから僕のチャンピオン・ストーリーが始まる。本当に家に戻ってきた気分だ。ダブリンで日曜日の朝にUFCを見て、ずっと会場で戦いたいと思って来た。14歳からやってきて、自分がここで戦うレベルにあることは分かっていた。ホント、最高だよ。戦っていて感じる、最高のキャンバスだ」と言葉を続けた。