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【UFC292】ニール・マグニー戦へ、イアン・ギャリー「必要がないから、組み技を見せてこなかっただけ」

【写真】文中にあるようにマグニーは191センチの長身だが、ギャリーも同じだけの上背を誇っていた(C)Zuffa/UFC

19日(土・現地時間)、マサチューセッツ州ボストンのTDガーデンでUFC 292「Sterling vs O’Malley」が開催される。UFC世界バンタム級選手権試合と女子ストロー級選手権試合──2つのタイトル戦を控えた第10試合で、イアン・ギャリーがニール・マグニーと戦う。
Text by Manabu Takashima

オクタゴン5勝0敗、キャリアを通して12連勝中のギャリーは、ジェフ・ニールからマグニーに相手が代わったことで、これまで見せてこなかった彼の一面をこの試合で披露する腹積もりだ。25歳、世界のトップが見えてきたギャリーは、無敗のファイターしか持ちえない純粋無垢、真っ新な前進力を持っている。


──イアン、インタビューを受けていただきありがとうございます。

「こちらこそ、ありがとう。もうすぐUFCシンガポールがあるから、忙しいんじゃないの? たくさんのアジア人ファイターが出場するし、凄く楽しみだよ」

──今週末、ニール・マグニーと対戦しますが、もともとはジェフ・ニールと戦う予定でした。構え、スタイルとまるで違う相手になったのですが、問題はなかったですか。

「ジェフ・ニールと戦うことは、とても楽しみにしていたんだ。僕がこの間に学んできたこと、全てを出す戦略を立てていたから。ジェフ・ニールははサウスポーで背が低い。そしてアグレッシブなファイターだ。対して、ニール・マグニーは背が高いオーソドックスの選手(笑)。だからジェフ・ニールと戦うために準備してきた武器を見てもらうことはできないけど、マグニーを血まみれにして破壊する。彼がこれまで経験したことがない、ファイトを初体験させてやるつもりだ」

──ジェフ・ニールと戦っていた方が、ファンが喜ぶ試合展開になったという風に思うことはありますか。

「ただ、ファンの間ではジェフ・ニールよりも、ニール・マグニーの名前の方が知れ渡っていると思うんだよね。またトップ15を破る、絶好の機会だと思っている。ジェフ・ニールにしても、ニール・マグニーにしても僕の名前が立つためには恰好の相手だよ。それにどっちと戦うのかっていうことよりも、僕がオクタゴンに入って戦えることが、最重要なんだ。どっちにしても、僕の引き立て役にしかならないんだから(笑)」

──とはいえイアン自身が言及していたように構えも違いますし、ファイトスタイルはニールがストライカーなのに対して、マグニーがやるべきことはクリンチゲームからテイクダウンし、コントロールをすること。まるでスタイルが違いますが、準備期間は十分でしたか。

「実はヴィセンチ・ルケの練習パートナーを務めるために、2カ月半ブラジルにいたんだ。この間、毎日のように柔術の練習をしてきた。マグニーがクリンチからテイクダウンを狙っても僕は倒されない。仮に倒されたとすれば、僕の柔術を皆に見てもらう丁度良い機会になる。グラップリングを皆に披露できるなら、それも楽しみだよ。UFCに来て、初めてグラップリングの腕前を見てもらうことができる。マグニーが寝技で戦ってくるなら、いくらでも受けたつよ」

──2021年6月、イアンがジャック・グラントを破ってCage Warriorsウェルター級王座と獲得した試合ではダブルレッグでテイクダウン、スクランブルでダース、クリンチでエゼキエルを仕掛けるなど、組み技でも十分に強いところを見せていました。

「イエス。僕は打撃が好きなんだ。そして、肉体を駆使したチェスのような試合を好んでいる。でも殴らたり、蹴られたり、傷つくことが嫌な相手が立ち技で勝負せずに、柔術やレスリング、グラップリングを攻めてきても別に構わない。僕にテイクダウンを仕掛けてきたとして、世界中の誰を相手にしてもバックに回ることができる。世界中の誰からも、一本勝ちできる。

そうする必要がないから、UFCでは組み技を見せてこなかっただけで。ニール・マグニーが僕を相手に組んでくるなら、グラップリングファイトに応じる。そして、チョークで落とすことを約束する」

──これまでUFCで5連勝中ですが、そろそろグラップリングのスキルを皆に披露する時がやってきたと考えていますか。

「最終的にウェルター級のトップは、グラップラーが多い。グラップリングに比重を置いたファイトをしている。僕がここでグラップリングを駆使して戦えば、多くの相手は僕と組みたがらないようになるだろう」

──グラップリングは今もブーイングの対象ですが、ジャック・グラントのようにマグニーが動いて来れば、ファンが盛り上がることができるグラップリングMMAになるかと思います。

「この試合では、最後はグランドワークを見せることになるだろう。今回のマグニー戦か、それとも次の試合になるかもしれないけど、如何に僕のグラップリングが優れているのかを皆に証明する」

──キルクリフFCのジルベウト・ドゥリーニョ、シャクハト・ラクモノフの両者が既にニール・マグニーを破っていますが、2人が戦っていることでキルクリフFCにはマグニーの情報が豊富にあり、有利になるのではないですか。

「ノー、そんなことはないよ。同じチームでも僕はドゥリーニョでも、シャクハトでもないから。それにマグニーだって、あの時のままのはずがない。ドゥリーニョはUFCの歴史上、最高のグラップラーの1人だ。シャクハトも最高のトップファイターだよ。ただし、彼らがマグニーに勝っていることは、何も僕にとってアドバンテージにはならないよ」

──イアンも他のファイターと同様に、目標はUFC世界王座であることは間違いないかと思います。

「イエス」

──ウェルター級ランカーにはドゥリーニョ、ラクモノフ、ヴィセンチというチームメイトがいます。世界を獲るためにドゥリーニョが、カマル・ウスマンに挑戦したように友人同士のファイトを求められるとどうしますか。

「ドゥリーニョは僕にとって家族のようなものだ。今週末も、僕のコーナーに就いてくれる。彼と戦うことは考えられない。ヴィセンチも友人だ。皆、僕の友達だよ。そんな風に僕も思っていた時期がある。今の僕は……もしシャクハトがチャンピオンなら、シャクハトと戦う。僕ら2人がベストでも、チャンピオンは1人だから。

ドゥリーニョが世界最高でチャンピオンだったとしても、僕はチャンピオンになりたい。そして彼に挑戦表明をするよ。『僕は世界王者になりたい。ベストになりたいんだ。ギルバート、君と同じなんだ。アイ・ラブ・ユー。どうする? やるだろう?』ってね。レガシーとヒストリーが、僕にとって一番大切なモノなんだ。世界のベストになるためなら、誰とでも戦う。いつでも、戦う。友人とタイトルを争う期間は、友人ではなくなるだけだよ」

──タイトルショットでなく、普通のワンマッチでは?

「繰り返すけど、僕は誰とでも戦う。夢に近づくためならね」

──分かりました。では、そこに近づくためにも今週末はマグニーを相手にどのような試合をしたいと考えていますか。

「僕がスーパースターであることを示す。旗が風にはためていることが、なぜあれほどまでに美しいのか。それは旗の後ろに巨大なパワーが存在しているからだ。そこれそ情熱の象徴であり、感動、楽しさの表れなんだ。僕の打撃、僕の戦い方は旗が風にはためているように美しい。過去、誰も見たことがない世界最高の打撃だ。イアン・ギャリーはウェルター級に比肩する者がいない。この世界で唯一の存在なんだと皆が思うような戦いを見せる」

■視聴方法(予定)
8月20日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前7時00分~U-NEXT

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]アルジャメイン・ステーリング: 135ポンド(61.24キロ)
[挑戦者]ショーン・オマリー: 135ポンド(61.24キロ)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者]ジャン・ウェイリ: 115ポンド(52.16キロ)
[挑戦者]アマンダ・レモス: 114ポンド(51.7キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー: 170.5ポンド(77.34キロ)
イアン・ギャリー: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
マーロン・ヴェラ: 136ポンド(61.69キロ)
ペドロ・ムニョス: 135ポンド(61.24キロ)

<バンタム級/5分3R>
マリオ・バウティスタ: 136ポンド(61.69キロ)
デモン・ブラックシアー: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ミドル級/5分3R>
クリス・ワイドマン: 186ポンド(84.37キロ)
ブラッド・タヴァレス: 185ポンド(83.91キロ)

<ミドル級/5分5R>
グレゴリー・ホドリゲス: 186ポンド(84.37キロ)
デニス・チュルリン: 185ポンド(83.91キロ)

<TUF31ライト級決勝/5分3R>
カート・ホロボウ: 155.5ポンド(70.53キロ)
オースティン・ホバート: 155ポンド(70.31キロ)

<TUF31バンタム級決勝/5分3R>
コディ・ギブソ: 136ポンド(61.69キロ)
ブラッド・カトーナ: 136ポンド(61.69キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジェラルド・マーシャート: 185ポンド(83.91キロ)
アンドレ・ペトロスキー: 186ポンド(84.37キロ)

<女子フライ級/5分3R>
アンドレア・リー: 125ポンド(56.7キロ)
ナタリア・シウバ: 125ポンド(56.7キロ)

<女子フライ級/5分3R>
マリナ・モロズ: 125ポンド(56.7キロ)
カリーニ・シウバ: 125ポンド(56.7キロ)

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