【Bellator X RIZIN02】Bellatorフライ級王座決定戦=神龍誠戦へ、堀口恭司「わざわざ出入りする必要もない」
【写真】リモート・メディアデー、連続した取材にもいつも通りの雰囲気で即答インタビューで対応してくれた堀口 (C)MMAPLANET
30日(日)にさいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナでRIZINとBELLATORのOne day Two event制の大会=「超RIZIN02」が開催される。サークルケージのBellatorとスクエアリングのRIZINのファイトが観られる同大会で、堀口恭司が神龍誠と初代Bellator世界フライ級王座決定戦を戦う。
そしてBellatorが12日(水・現地時間)、13日(木・同)に契約配下選手のワン・オン・バン・インタビューを実施し、日本からもリモート取材ができる機会が設けられた。
ここでは同メディアデーから堀口元気が、日本時間の13日(木)の午前10時前後に話したインタビューを掲載したい。
──宜しくお願いします。今月末にBellatorとRIZINの共同イベント、ケージとリングのMMAが1日にして観戦、視聴できる大会が実現します。堀口選手は今回の大会に対して、どのように思っていますか。
「まぁ、良い時代になったんじゃないかって。自分が若い頃にはなかったじゃないですか。DREAMとかも消えたりして、戦極もなくなった。格闘技は続いていても、TVとかで取り扱われることがなくて。それが違う形ですけど、PPVで配信されて皆に見てもらえる。良い時代になったなぁと思います」
──そこにRIZINの試合ではなく、Bellatorの試合に出場することに関しては?
「凄く評価してもらっていて、凄く嬉しいなと思います。あっ、そうか。RIZINと関係なくてBellatorだから、これインタビューしているんですね(笑)」
──いや、そんなことないですよ。
「ちょっと笑っているじゃないですか。アハハハハ」
──いやいや、ケージの大会はRIZINも取材させてもらっていますし。雑誌から取材要請があれば、リングの大会も取材させていただいていますので。ただ今回はこの大会が決まった際にRIZINのN広報からは「Bellatorが終わったからって、帰ったらダメですよ」という一言は貰っています(笑)。何、笑っているのですか。
「和解したんだなと思って(笑)」
──喧嘩をしていたわけではないので、和解も何も(笑)。国内ではリングとケージの線引きをしているということですが、要はキャパの問題ですから。堀口選手がスポンサーを紹介してくれて、ライターさんを雇えるようになったらリングの大会もMMAPLANETで取材できるようになるのでお願いします。
「いやいやいや。何、言っているんですか(笑)」
──本当に。インタビュー時間が15分しかないのにしょうもないことに時間を使わせないでください(笑)。
「アハハハハハ」
──Bellatorが取材機会を与えてくれたのですが、ぶっちゃけて言うとこのフライ級王座決定戦、今回のイベントを盛り上げるためのタイトル創設かと勘繰ってしまう点がありました。まだフライ級の選手との契約が進んでいないようなので。もともと堀口選手がフライ級に落とすという話をした時に、タイトルを創るという話はあったのですか。
「スコット・コーカーは『創るように動く』という話をしていたので、徐々に選手も契約していくんじゃないかと。タイトルが創られるということは、もうやるしかないじゃないですか。創っちゃったんで、今後はどんどんフライ級の選手と契約をしてますますデカくなっていくんじゃないかなって思っています」
──つまりはチャンピオンになって、しばらくはBellatorで戦っていくということですか。
「そこは契約の問題で。きっと、前回の契約がまだ引き継がれていると思うんですよ。だから、どうなるのかはまだ分からない形です」
──押忍。では神龍誠選手が王座決定戦の相手になりました。Bellatorで実績を残している選手ではないです。
「まぁ若手で勢いがあって良い選手ではあるので、タイトルマッチで出てきても──まぁ良いんじゃないかなぁとは思いますけどね」
──Bellatorでもフライ級で戦っていくと決めた時に、視界に入っている選手でしたか。
「いや、どうですかね。彼の場合はRIZINとの契約で、この試合に出てきているだろうし」
──5月にスコットをインタビューした時も、「勝てばBellatorと契約することになる」と言っていました。
「うんうんうんうん」
──つまり、スコットやBellatorサイドとしても「キョージ、勝てよ」という想いの王座決定戦ではないかと。
「まぁ、そうですよね」
──では神龍選手の印象を教えてください。
「良い選手ですけど、口が悪いので。ぶちのめしてやろうかと思っています」
──口が悪い……。確かに神龍選手は、取材の時などもぶっきらぼうなところはあるかと思います(笑)。ただ悪気はないかと。
「多分、盛り上げようとしているんだろうけど……自分から言わせてもらうと、ズレている」
──堀口選手が、そういう風に対戦相手のことに触れるのは珍しいですね。
「う~ん、あんまり言わないですけど、ちょっとぶっ飛ばそうと思ったから言っただけです。アハハハハ」
──神龍選手のどういう発言が、堀口恭司をそういう気持ちにさせたのですか。
「細かくは分からないですけど、言葉選びが下手だなと思います。『殺してやるよ』とか、殺してやるっていうのは煽りで使うには、ちょっと違わなくないかと思ってしまうじゃないですか」
──ハイ。確かに。
「だから、そういうところですよね。クソガキ、舐めるなよって」
──クラスにいた、決して目立っているわけでないけどイラっとするヤツのような……。
「そうそう。なんかズレちゃっている人って、いるじゃないですか。そういうタイプだと思います」
──ではMMAファイターとして、神龍選手の動きなどはどのように感じていますか。
「グラップラーで、フィジカルも強い。良いファイターではないですか」
──動きが連動していて、色々な選択肢を持っている。それを矢継ぎ早に繰り出す。そういう強味があるかと。
「まぁ、自分の長所を知っているというか。それが良いところですよね」
──対して堀口恭司の見せるべきところは?
「見せるべきところ、まぁ完封ですよ」
──その完封方法とは?
「組まれても対処できるし、得意技に入らせない。そういうところですね」
──巷では軽い選手ほど、年齢を重ねると動きが落ちるのが早いという風に見られています。30歳を越えて、堀口選手も戦い方が変わってきました。運動量が減った部分もあるかと。
「あんまり前の自分と比べることがないので。減ったところがある……う~ん、そういう風には考えていないですね。全てがプラスになっているので」
──単刀直入にいうと出入りの部分が以前より少なくなり、距離が近くなった。それも成長過程にある変化ということでしょうか。
「そうですね、出入りだけじゃない動きができるので。わざわざ出入りをする必要もないのかと。そういう感じですね。だから近い距離でも戦える」
──近い距離で戦う必要が高まっているMMAですが、組みとの連携という部分で堀口選手にも今の距離は利点があるかと思います。その一方で、やはり被弾する確率も上がる。
「そうっスね。ただ、そこまで近いことはないと思います。普通の選手よりは、遠い」
──なるほど、以前と比較しているからそういう風に思ってしまうのですね。
「そうだと思います」
──それと今、ATTは堀口選手だけでなく元谷友貴選手、牛久絢太郎選手が所属ファイターとなりました。
「良いじゃないですかね。日本人も外に出ないと勝てないというのが、徐々に分かってきたんじゃないかと思いますけどね」
──中村倫也選手が「凄く堀口選手にお世話になった」と言っていました。
「別に世話をしたつもりはないです。アドバイスをしただけで。それとデカい車を買ったので、乗せて飯とか食いにいっているだけです」
──その中村選手は1カ月間の短期での練習でした。今後は日本と米国を行き来するようになるだろうということですが、堀口選手は以前「短期でも来ても、ジムの人間も本当のところは教えない」という話をされていました。中村選手は特別なコミュニケーション能力があるように感じるのですが、やはり短期は短期ということでしょうか。
「まぁ、あくまでも人なので。やっぱり1カ月ぐらいじゃ人って、そんなに信用しない。しっかりとジムに入って、少しずつ信用されていくもので。だから1カ月だと、ビジターで終わりかなっていう感じですね。英語ができようが、できまいが──そこは変わらないです。現に自分は英語なんてできなかったし、今でも『フ〇ッ〇ユー』とかぐらいしか言っていないですからね(笑)」
──堀口選手は日本語の時も、言葉でない部分で語っていることが多いかと。
「アハハハハ、そうっスよ。そんなもんで。だからチームの一員にならないと、信用は得られない。全部は教えてくれないスよ」
──押忍、そこはしっかりと書かせていただきます。では改めて、30日の試合に向けてMMAPLANETの読者の皆さんに一言お願いできますか。
「しっかりと潰しに行くんで。楽しみにしていてください」