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Overlooked【PFC29】独特の流れとムーブで、ドッシリMMAのザ・タイガーを攻略。亀松がベルト巻く

【写真】省エネと受けと、大きな動き。エッと思う序盤の動きが最終的に整合性を見せた亀松の王座奪取だった(C)PFC

イベントスケジュールが重なり見逃した試合を月末にお伝えする──帳尻合わせ試合レポート。

ここでは3月12日(日)に、札幌市北区のPODアリーナで行われたPFC29から、フライ級選手権試合=王者ザ・タイガー石井✖亀松寛都の激闘を振り返りたい。


<PFCフライ級選手権試合/5分5R>
亀松寛都(日本)
Def.3-0:49-46.48-47.48-47
ザ・タイガー石井(日本)

開始直後に肩口の辺りに左ハイを蹴り、ロー、ミドルを繰り出す石井。亀松もローやハイを左右から蹴り返していく。前蹴りを入れワンツーから前に出てヒザを突き上げる亀松がバックを伺う。

石井のキムラから離れた亀松は、ヒザ蹴りから左ハイへ。これをキャッチした石井がダブルに移行するが、今度は亀松がキムラを仕掛ける。腕を抜いた石井はケージに亀松を押し込みダブルレッグで持ち上げてテイクダウン。亀松は腕十字の仕掛けから、石井の反応に合わせて立ち上がって試合はスタンドに戻る。

その亀松の前蹴りにダブルレッグを仕掛けた石井だったが、ウィザーから押し潰されるように下になりバックを取られる。ロールして逃れようとする石井がキムラスイープ、上を取り切り腕関節を続ける。残り1分、パンチに切り替えた石井に対し、亀松が足を戻す。石井、亀松の順で立ち上り、亀松の右ハイに石井がダブルを仕掛けたところで時間となった。

2R、亀松の前蹴りに石井は左ミドルを返す。亀松の蹴りが急所に当たり試合が中断も、直ぐに再開され石井がワンツーを決める。右ミドルから右前蹴りの亀松は、組んできた石井のバックに回る。

引き込んで下になった際に石井は、足を越えられサイドを取れそうになる。ハーフで堪えた石井だが、スクランブルでバック&両足フックを許す。ワキをすくって背中を伸ばしにかかる亀松、なんとここでレフェリーがブレイクを命じた。

試合はスタンドい戻り、蹴りの応酬になると亀松がスーパーマンパンチ。石井は前足のミドルを見せるが、両者序盤から飛ばし合ったこともあり息を整えるスタンド戦に。ここからダブルレッグの石井は、いなしてトップを取るとクローズドガードの中から左のパンチを落とし、腕十字を防いで時間となった。

3R、右ミドルをキャッチしてテイクダウを奪った石井が、スクランブルでバックに回る。亀松が許さず胸を合わせた状態で、石井はダブルレッグを切られる。ウィザーでケンケンガードの亀松が距離を取り直す。ハイの応酬から亀松がジャブ、そして右を伸ばす。石井のワンツーに、亀松は前蹴り。

ローを取って組みに行った石井、亀松が離れる。続く前蹴りもキャッチに掛かるも、逆に組まれた石井が体を入れ替えてケージへ。ここの後方にすかすように上に。亀松はハーフから、煽って腰を押しつつスイープを決め、上を取ってラウンド終了までキープした。

4R、ワンツー、ハイ、跳びヒザと果敢に前に出る。勢いはあるが、両者とも粗くなってきた打撃戦。攻撃する意志が、防御する本能を上回るようだと被弾する数も増えてくるか。亀松がダーティーボクシングから崩し、石井が起き上って来るのを待ってストレート、左ボディを打つ。石井は左ローを繰り返し、回る亀松を追う。蹴り足を掴んでからのテイクダウン狙いも、石井は足が前に出なくってきた。

亀松も迂闊に攻撃を仕掛けることはないが、左の蹴りに右を伸ばす。残り90秒で組んだ石井、レベルチェンジからダブルを狙う。亀松はスイッチを狙った際に、リフトされアッサリ下に。差し出された腕にキムラを取る石井は、暴れて上を取りにきた亀松に腕十字。亀松が思い切り持ち上げ、スラムして時間に。

最終回、石井は亀松の蹴り足をキャッチしきれない。左回りから右ローを蹴る亀松は十分に間合いを取る。石井は左ローを続け、左ミドルへ。亀松の右ミドルは掴めず、離れたところで左ミドルを蹴っていく。石井が構えを変えてから右ロー、これが亀松の急所の入り試合が中断。再開後、ワンツーで詰めた亀松が右ハイ、ケージに詰まった石井に右を当てる。ここまで詰まると、石井も続く前蹴りをしっかりとキャッチでき、ドライブからテイクダウンに成功する。

残り2分、ケージに押し込まれた亀松は石井のキムラ狙いに立ち上がり、バックに回ると後方への投げを豪快に決める。抜くところは抜き、ここ一番でポイントメイクの亀松の鉄槌に、ついに石井は亀になり動きが止まりかける。それでも胸を合わせてリバーサル、立ち上がった石井がバックを伺う。

ケージ際に移動し背中を与えない亀松に対し、後方に倒れ込んだ石井が両足をフックする。足のフックを解いた瞬間、亀松もスクランブルへ。石井は上を取り切りサイドからキムラも、抑えがなく亀松が体を起こしたところで試合終了を迎えた。

遠い距離で足を駆使し打撃でリードした亀松は、テイクダウンではリードを許しながらも、隙を創るような動きで石井のキムラ狙いを利した試合運びを見せ判定勝ち──涙を流しベルトを巻いた。

ベルトを失った43歳の石井も、心身共にエネルギーの限りを尽くした死闘を繰り広げ、12年振りの修斗公式戦出場へ期待値が下がらない戦いを見せた。


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