【Gladiator021】草原の未知強テムーレン戦へ、神田T-800周一in広島─01─「家庭と格闘技のバランス」
【写真】坂道だらけの街で、トラックの運転。ドライビング技術はMMA界随一かもしれない (C)MMAPLANET
26日(日)に豊中市176BOXで開催されるGladiator021で、バンタム級チャンピオン神田T-800周一がテムーレン・アルギルマーと対戦する。
草原の未知強を迎え撃つ神田は、昨年4月のタイトル奪取以来の本拠地出場なる。その神田は生まれ育った広島を拠点に社会人、家庭人の生活と格闘人の生活を両立している。朝4時から冷凍食品を配送する仕事を昼まで続け、そこからMMAファイターとして練習と指導がある。
そんな神田を地元で取材。仕事場からLEOS柔術アカデミー広島での森戸新士との練習に移動し、汗をかいたあとで話を訊いた。
──今日は神田選手の仕事場にもお邪魔させていただきました。これまで広島に来ても、新幹線やJRより南側ばかりの滞在だったので、広島という街がこれだけ山ばかりで、傾斜が激しく入り組んだ場所だという認識が全くなかったです。
「あぁ、ちょっと特殊ですかね。小さい平地に街を創って、住むのは山という感じで。広島の人間にとってはそれが当たり前で、僕の地元はもっと山間です(笑)」
──今のように電動自転車が無い頃は、本当に大変だったのではと。
「そうですね。僕自身、いきなり立ち漕ぎで山を登って1時間ぐらい掛けて学校に通っていました(笑)」
──広島は足腰の強い人が多いのでは!!
「そうですね(笑)。山に鍛えられている。山が近くにありますから、坂道だらけで」
──ところで今日は神田選手の仕事終わりで合流させていただいたのですが、それが午後1時前でした。仕事、練習という生活サイクルはどのようになっているのですか。
「仕事は午前4時開始です」
──えっ、起きるのが4時ではなくて。
「仕事が始まるのが4時です(笑)。それでお昼ぐらいまでですね」──そこで夜に格闘技の指導や練習があって、睡眠時間は取れるのですか。
「子供と一緒に8時半か9時ぐらいには寝て。3時に起きる。指導や練習は6時半から8時までなので、終わるとお風呂に入って寝るっていう感じです。だから6時間睡眠は出来ています」
──体を動かす人にとって6時間は十分とは言えないかもしれないです。
「そうかもしれないですね。でも、今のところは何とかやれています。それに時間を創るのも実力のうちなので。僕の今の実力がそんなところだということですね(笑)。ちょっとずつ自分の時間を取り戻して、より良い形にしないといけないと思っています。今は家庭を持つ生活と格闘技のバランスが、頑張ってこの状態です」
──トラックを運転しているので、本当に睡眠は大切かと。
「途中で仮眠も取れますし、眠たくなれば車を止めて休むのはマストです。そのなかで夜の睡眠は6時間が最大で──朝も暗いうちに起きるという感じです」
──務め先からはMMAの練習、試合をしていることを承知してもらっているのですか。
「ハイ。そこを確認して、入社しました」
──仕事という絶対の部分があると、試合が決まってから普段の練習のルーティンは変わって来るのでしょうか。
「ほとんど変わりないです。日常のまま、試合を意識して細かいことを詰めるとかはありますが、量が増えるとかっていうことはないです。変化することで進歩するでしょうが、同時に危険も伴うので。僕は淡々とやるべきことをやる感じです。だから試合後もケガがないと、ペースを落とすことはないですし。内容も気持ちも変わらず練習しています。以前は試合に向けて体重の増減も大きかったのですが、今はほとんど変わりないです」
──だから、常に頬がこけていると。
「ハハハハ。体重は67キロぐらいなので、水抜きを考えると脂肪で削るのは1、2キロ。1カ月あれば余裕です。この生活で大幅な減量をすると、ケガをするだけなので。量を減らして質を高める。5分✖3Rをしっかりと動けるよう中身を濃くする。そういうイメージで、練習を組み立てているので量を増やすということは特別ないです」
──Jリーグもプロ野球の球団もあり、120万の人口を誇る広島でさえMMA界では地方という見方がされています。神田選手自身、関東から広島に戻ってきて練習面ではどの程度、以前と比較して充実していますか。
「やっぱり練習パートナーが少ないという事実はあります。その分、工夫が必要になります。その工夫は自分で考えることが必要で、それでやれているのは悪くないと思っています。それでも人が少ないというのは、現実問題としてありますね」
──ところで今日は森戸新士選手が主宰するLEOS柔術アカデミー広島での取材になりましたが、ここができてどれぐらいになりますか。
「えぇと岩国にLEOSが出来て3年ほど、広島はつい3カ月前──去年の12月ですね。さっきの練習相手という部分で、森戸先生がいてくれて全然変わりました。森戸先生と冨樫(健一郎)先生の存在は大きいです。関東には強い人が多かったですが、限られた人数でやるとなると森戸先生のような知識を持っている人がいてくれて本当に助けられています。
森戸先生との練習は週に一度で変わりないのですが、岩国でなく広島市内で出来るようになったので、そこも助けてもらっています。週に一度、森戸先生と道着で柔術の練習をさせてもらい、そのあとは自分がMMAのクラスを持たせてもらっています。この120万都市で、森戸先生が格闘技を掘り起こそうとしてくれているので、僕も格闘技人として協力させていただきたいという気持ちがあります」
──MMAの指導はLEOSとパラエストラ広島の2カ所でされているということですが、違いは感じられますか。
「LEOSは初心者の方も入会してくれるようになりましたけど、もともとはLEOSで柔術をやっていた方がMMAに挑戦するという感じで来てくれるパターンが多いので、皆さん強い。なので僕もいい加減なことはできないです(笑)。柔術のベースがしっかりとしているなかで、MMAがどう出来上がるのかを楽しみにして、指導をさせてもらっています」
<この項、続く>
■視聴方法(予定)
3月26日(日)
午後12時30~ザ・ワンTV YouTubeチャンネル
■ Gladiator021対戦カード
<Gladiatorフライ級選手権試合/5分3R>
[王者]NavE(日本)
[挑戦者]ニャムジャルガル・トゥメンデムベレル(モンゴル)
<バンタム級/5分3R>
神田T-800周一(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)
<55キロ契約/5分3R>
中務修良(日本)
エイドリアン・バトト・ジェマ―(フィリピン)
<バンタム級/5分3R>
ゆうと(日本)
キム・ウィジョン(韓国)
<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
秋田良隆(日本)
<フライ級/5分2R>
中西テツオ(日本)
宮川日向((日本)
<バンタム/5分2R>
今村豊(日本)
谷口武(日本)
<フェザー級/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
藤岡陸(日本)
<ストロー級/5分2R>
田中優樹(日本)
木村旬志(日本)
<ウェルター級/5分2R>
橋本健吾(日本)
阿部光太(日本)
<アマMMAバンタム級/3分2R>
平本丈(日本)
飴山聖也(日本)
<アマMMAバンタム級/3分2R>
佐藤フミヤ(日本)
北原蓮(日本)
<バンタム級/5分1R>
藤井丈(日本)
吉田開威(日本)
<5分1R>
武田純忠(日本)
有田一貴(日本)
<フライ級/5分1R>
古賀珠楠(日本)
那須裕次郎(日本)