【HEAT31】加藤久輝、新村を53秒で下しミドル級のベルト巻く
【写真】1982年9月生まれの31歳、フランスと日本のハイブリットの加藤。MMAで国内王者となった今、最大の目標は11月の空道世界大会だ(C)MMAPLANET
19日(土)、愛知県名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールにて開催された HEAT31。名古屋発ケージのMMA&キック混合イベントで、MMAミドル級王座決定戦が行われ、加藤久輝が新村優貴を53秒レフェリーストップで下し初めてMMAのベルトを腰に巻いた。
<HEAT総合ルール・ミドル級王座決定戦/5分5R>
加藤久輝(日本)
Def.1R0分53秒by TKO
新村優貴(日本)
空道・北斗旗無差別級を3度制し、体力別は現在4連覇中、MMAは昨年4月デビュー以来、3連勝中の加藤。対する新村は悠羽輝の名でK-1参戦、RISE G-BAZOOKトーナメントで準優勝、MMAでは活動停止したLegend FC出場経験もあり、6勝2敗の戦績を残している。加藤は彼の打撃を苦にしない相手と初めてMMAで戦うという見方もあった。
試合前に競技運営陣からワセリンを塗られる際、頭を上下したことで指が左目に入るアクシデントがあった加藤だったが、試合が始まると新村の左ジャブにすぐに左ストレートを合わせる。新村の右にも迫力に満ちた左ミドルを蹴り込んでいった。直後の打ち合いで左を効かせた加藤、新村がケージに詰まったところで早くもラッシュを掛ける。次から次へと左を伸ばす加藤だが、新村の右ストレートを被弾する場面も。セコンドを務めた日沖発は「そのままパンチを当てていくと、相手は倒れるから。落ち着いて」と冷静に戦うようアドバイスを送る。
それでも加藤は「自分の攻撃が効いていて、相手のパンチは威力がなかった」と試合後に語ったように、多少は被弾しようが前進を止めない。左だけでなく右も顔面に受けた新村は、ケージ際を右へ下がりながら、加藤のラッシュの餌食となる。ケージに詰まった状態で左ハイこそブロックした新村だが、すでにフラフラな状態でこの後に左ストレートを被弾すると、レフェリーが両者の間に割って入り試合をストップした。
4連勝でHEATミドル級王座となった加藤は「今日だけ飲みます」と大道無門の一員らしい勝利のコメントを残した。この1年、MMAで4試合、空道で春と秋のトーナメントで優勝と休みなく戦い続けてきた加藤は、5月11日(日)に早くも仙台市青葉体育館で行われる全日本体力別に出場予定となっている。
<ライト級/5分3R>
山田哲也(日本)
Def.2-1
松本光史(日本)
20009年プロ修斗新人王でPXCでも活躍している松本と、ZSTウェルター級王座を返上、ライト級に活躍の場を求めてきた山田がHEATの金網で越境対決。サウスポーの山田とオーソの松本、喧嘩四つのスタンスで互いにローキックを蹴り合う。松本は最初のシングルを切られたが、ケージ際に山田を押し込み右腕を差し上げてテイクダウンを狙っていく。小外掛けでまずはテイクダウンを取った松本が、足を束ねて山田を立たせない。山田はリバーサル狙いから隙間を作り、左腕を差し右腕を腰に回して立ち上がる。
ケージに頭を押し込み、アームロックで踏ん張る松本。そのまま後方で腕を極めにいくも、山田がクラッチを支点に状態を起こす。腕を外して起き上がろうとした松本だが、山田がスクランブルを制してトップを奪取、そのまま初回が終了した。
2R、右のオーバーハンドからシングルレッグで組みついた松本。山田が一度はヒザをつくがすぐに立ち上がって胸を合せていくと、そのまま右腕を差し上げテイクダウンに成功する。松本の起き上がり際にバックに回った山田は、一度は背中に飛び乗るもすぐに着地。そのまま松本の上体をコントロールしてアウトサイドトリップで、後方に倒してテイクダウンを奪取する。ここでも上体を起こした松本に対し、山田は首に腕を入れながらバックを取る。四の字ロックからRNCで松本の背中を伸ばした山田。松本は手首をとってチョークを外し、胸を合わせにいく。その動きに合わせて、そのままバックを維持した山田が明確に攻勢なラウンドを戦い終えた。
最終回もケージ際の組み合いの中で、松本がテイクダウン。頭を押して立ち上がった山田が、体を入れ替えてボディにヒザを突き上げる。ブレイク後、山田は左ミドルを蹴った際にバランスを崩し、マットに倒れる。すかさずトップを取った松本が、足を一本抜いていく。アームロックで松本の左腕を取る山田。腕を抜いた松本がパウンドを落したところで、試合終了となった。
北米的ラウンドマストなら、1Rが微妙、2Rは山田、3Rは松本といったところだが、HEATは試合全般でマスト判定となっている。結果、2-1のスプリットで山田が判定勝ちを収めた。「山田選手の2RのRNCという決定的な攻勢点が松本選手を上回った」と試合後にジャッジの一人は話している。
【写真】日系ブラジリアンから絶大の支持を得るダニロ。試合終了後には日本語とポルトガル語で勝利のコメントを語る。日本人社会にも溶け込んでいる好漢、ビッグステージ再出場にも期待(C)MMAPLANET
MMAとキックの混成イベントHEAT。メインはHEATキック・ミドル級王者ダニロ・ザノリニが、HEAT KOREAキック・ミドル級T優勝のオク・トンジュの挑戦を受け一戦。ザノリニは2Rに右ハイで最初のダウンを奪うと、その後もパンチとヒザのコンビネーションで2度、ダウンを奪ってTKO勝ちし王座防衛を決めた。RISEウェルター級王者でもあるザノリニ、そのRISEがREBELES、Big Bangとキックの統一の場=BLADE FCを設けたこともあり、さらに注目される存在になってきた。
<HEATキックルール・ミドル級選手権試合/3分5R>
[王者]ダニロ・ザノリニ(ブラジル)
Def.2R2分25秒by TKO
[挑戦者]オク・トンジュ(韓国)
<HEAT総合ルール・ミドル級王座決定戦/5分5R>
加藤久輝(日本)
Def.1R0分53秒by TKO
新村優貴(日本)
<キック-61キロ契約/3分3R>
悠矢(日本)
Def.3-0:30-25.30-25,30-25
マサ佐藤(日本)
<ライト級/5分3R>
山田哲也(日本)
Def.2-1
松本光史(日本)
<バンタム級/5分3R>
ヒロ・ヤマニワ(ブラジル)
Def.3-0
祖根寿麻(日本)
<ライト級/5分3R>
石川史俊(日本)
Def.2R1分54秒by RNC
鬼頭潤(日本)
<キック・ライトヘビー級/3分3R>
DRAGON(ブラジル)
Def.2R3分00秒by KO
ナミ・イル(韓国)