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【UFC282】ローを効かせたブラボヴィッチとトップキープのアンカラエフは痛み分け、王座は空位のままーー

<UFC世界ライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
Draw.1-1:48-46.47-48.47-47.
ヤン・ブラボヴィッチ(ポーランド)

サウスポーのアンカラエフに対し、ガードを固めたブラボヴィッチが距離を詰める。アンカラエフは右ジャブを突く。右ローを当てたブラボヴィッチがプレスをかけていく。右ストレートから左ロー。右ジャブを上下に散らすアンカラエフは、相手のパンチに左ストレートを合わせた。さらに左前蹴りでブラボヴィッチを下がらせ、相手が出て来るとパンチをカウンターで合わせる。右ストレートを伸ばすブラボヴィッチだが、パンチ緒は届かない。

ブラボヴィッチは相手の足元に右インローを当てるも、アンカラエフは止まらない。ブラボヴィッチの右ストレートに右フックを合わせたアンカラエフだが、さらにブラボヴィッチが前に出て来るとバランスを崩す。すぐに体勢を立て直したアンカラエフは、左ハイを見せた。相手の打ち終わりを狙い続けるアンカラエフが、右ジャブで距離を制している。相手の打ち終わりに左ストレート、右フックを狙うアンカラエフが、さらに右フックで下がらせ、左ミドルを打ち込んでいった。

2R、ジャブを突き合う両者。ブラボヴィッチがパンチを打つ際に頭が下がると、アンカラエフは左ハイを打ち込んでいく。ブラボヴィッチが足元に右ロー、アンカラエフは常に打ち終わりに右フックを合わせる。さらに左ハイの割合も高くなってきた。左インローで下がらせたアンカラエフ、ブラボヴィッチも左ジャブを当てる。アンカラエフの右フックの内側から左アッパーを突き上げたブラボヴィッチ。そのままパンチを連打して離れる。アンカラエフは左ストレートを当て、ブラボヴィッチにケージを背負わせる。

ブラボヴィッチのローでアンカラエフの動きが止まる。しかしアンカラエフも前蹴りでブラボヴィッチを下がらせる。ケージ中央でブラボヴィッチの右インローを受けたアンカラエフが、大きくバランスを崩した。組んでいくアンカラエフ。しかしブラボヴィッチを崩すことHができず。離れたブラボヴィッチが右カーフを当て、アンカラエフのパンチをかわした。左ボディから右オーバーハンドに繋げるブラボヴィッチ、アンカラエフは右ローを受けてから組みつき、ケージに押し込んで2Rを終えた。

3R、オーソドックスに構えたアンカラエフに、ブラボヴィッチがジャブとローを当てる。下がるアンカラエフ、ブラボヴィッチは徹底してローで攻めていく。アンカラエフの速い右ストレートをヘッドスリップでかわしたブラボヴィッチは、左ジャブを突きながらアンカラエフの右アッパーもかわした。ブラボヴィッチの左ハイの打ち終わりにパンチで攻め立てるアンカラエフ。下がり始めたブラボヴィッチは、ボディブローを見せるもアンカラエフの前進を止められない。

それでも右ローを連打するブラボヴィッチ。このローを効かされたアンカラエフだが、距離を詰めてシングルレッグで組みつき、左腕を差し上げてブラボヴィッチをケージに押し込んだ。左ヒジを打ち込み離れたアンカラエフが、再び組みつく。離れたブラボヴィッチは右ロー。ブラボヴィッチの右アッパーをかわしたアンカラエフも右アッパーを突き上げる。プレスをかけてケージに押し込むアンカラエフ、しかし右ヒザがブラボヴィッチの下腹部を捉えた。

レフェリーが割って入り、離れるアンカラエフの右目じりに出血が見られる。再開後、またもパンチから組みついたアンカラエフが、ブラボヴィッチの左足を持ち上げテイクダウンを奪った。

4R、いきなり距離を詰めたアンカラエフが左右フックを振るう。下がるブラボヴィッチに、シングルレッグで組んだアンカラエフが、そのままケージに押し込む。ボディブローとヒザで相手を削るアンカラエフが、ブラボヴィッチをケージ際から逃がさない。さらに左ヒザをボディに突き刺した。パンチを振るいながら離れたブラボヴィッチに、再び組みついたアンカラエフがクリーンテイクダウンを奪った。フルガードのブラボヴィッチに、アンカラエフがパンチを上下に打ち分ける。

ケージ際でボディロックからバックに回ったアンカラエフが、ブラボヴィッチの首に左腕を回す。パンチで相手を削りながらバックをキープするアンカラエフ。ブラボヴィッチもヒジを打ち返すが、アンカラエフに背中を着かされてしまった。足を一本越えたアンカラエフが、しっかりと抑え込みながら細かいパンチで削る。左ヒジを叩きつけていくアンカラエフ。立ち上がってパンチの連打を打ち込んでいった。

最終回、アンカラエフが飛び込むと、ブラボヴィッチはバランスを崩して背中を着いてしまった。すぐにトップから抑え込むアンカラエフ。足を利かせるブラボヴィッチだったが、フルガードの態勢を強いられてしまう。トップからパンチで削るアンカラエフ。会場からはブーイングが飛ぶ。ブラボヴィッチの足を捌くアンカラエフ。ブラボヴィッチはアンカラエフの左腕を狙うも、そのクラッチを切ったアンカラエフがハーフガードのブラボヴィッチを抑え込み続ける。

アンカラエフの左パウンド、ブラボヴィッチの左ヒジが交錯するなか、ブラボヴィッチの右腕を抑えているアンカラエフの左パウンドが上回る。次第にブラボヴィッチの手数が減り、アンカラエフの左がブラボヴィッチの顔面を捉え続けるように。アンカラエフの抑え込みが強い。左のパウンドとエルボーを打ち込むアンカラエフ。観客はブーイングを浴びせるも、当然のごとくアンカラエフはトップキープからパンチとエルボーを叩き込み続けて試合終了のホーンを聞いた。

裁定は、ジャッジ2人がどこかのラウンドで10-8を付けたのか。スプリットドローとなり、世界ライトヘビー級王座は空位のままとなった。自分が勝者だとアピールするアンカラエフに対し、ブラボヴィッチは「アンカラエフがベルトを巻くべきだ」と声をかけてオクタゴンを後にした。


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