【NEXUS29】山本空良を下し新フェザー級王者に。横山武司「柔術の方が楽しい」& 「MMAはパート」
【写真】インタビュー中に頭のカットの応急処置が必要となり。なんだか可愛らしい姿で控室に戻ってきた横山(C)MMAPLANET
7日(月)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたNEXUS29のメインで山本空良に競り勝ち横山武司がフェザーのベルトを巻いた。
現役柔術家だけでなく、父と兄と一緒に柔術アカデミーを営む横山は勝利者インタビューで今後の進路についてアピールをすることはなかった。格闘家としての目標を「柔術ジムの繁栄、柔術業界の繁栄」とベルトを手にしてなお言い切った横山。試合後、頭の傷の応急手当を受けたNEXUSフェザー級チャンピオンが語ったこととは……。
──ドローだと延長ラウンドがあるのが、ネクサスです。2R終了時点で、ポイントはどのようになっていると考えていましたか。
「全然、分かんなかったです。僕、MMAでは取れないと負けて良いやっていう気持ちでやっているんで。あのまま延長って言われたら、僕はあんまり動けないから負けるだろうなぁみたいな──結構、緩い気持ちでやっています」
──19-19はあり得ると思いました。延長がないとどちらかにつけないといけないのでしょうが。
「そうですね。なんか、どうやったらポイントがつくのとかちゃんと考えてMMAをやっていないので。『ドローって言われたら、俺、どうしよう?』ぐらいでしたね」
──初回にヒジから流血があった。あれがダメージと取られるのかどうか。
「ぜっんぜん、痛くないですよ。血が出たのかって思ったぐらいで」
──なるほど。2Rは組みの展開で試合を優勢に進めました。そこはやはり自信を持って戦うことができていましたか。
「相手が足関に来てくれたから、そこはやられる気がしていなくて。『あぁ、良かった。寝技の攻防をやってくれるんだ』って。離れられて打撃の方が嫌だったので。もう、疲れちゃったスね(笑)。道着がないと疲れちゃうッスね」
──では、逆に横山選手が足関節を取り切れなかった初回の攻防についてはどのように思われていますか。
「あぁ、アレは思ったより相手のディフェンスが上手かったスね。ただ……腕十字にしても、道着がないと僕も寝技の精度がめっちゃ落ちるなと思いました。今後もMMAは負けない限りは続けようとかなと思うので、もうちょっとグラップリング用の寝技もモノにできないかなって感じました」
──寝技の展開で、あれだけスムーズにパンチが出せてポジショニング奪取と融合できているのは、そこを頭において組み技の練習を積んできたということでしょうか。
「う~ん、あんまりMMAをしっかりと想定した練習はしていないので。もしMMAを続けるのであれば、もう少しMMAの練習をしないといけないですね。でも長くは続けないMMAの練習をそんなにしても勿体ないので。自分の人生に上手く生かせるように、格闘技とは付き合っていこうと思います」
──そこですっ!! 今、RIZIN以外のプロモーションではタイトルを獲った選手が『〇〇〇で戦いたい』と宣言するのが、J-MMAの慣わしになっています。それがなかった横山選手は新鮮でした。
「いやぁ、全くないですね。MMAは何となく友達が喜ぶからやっているけど、やっぱりパートタイムでやっていることなので」
──とはいえRIZINで活躍している山本空良選手を下して、ベルトを巻いたわけですし。声が掛かることがあるかと思われますが。
「まぁRIZINは1回、2回は出ようかと思います。MMAを始めた時から、友達のためとチヤホヤされたくてやっただけなので。UFCとかONEは全く目指していなくて、地元の友達とかはRIZINに出るのを一番喜ぶので……負けたら辞めようとは思っていたけど、勝ったら必然と声が掛かると思うから。まぁ1回か2回、負けるまではお金も貰えるし、続けようかなってぐらいだけど。うん、柔術の方が楽しいです」
──では柔術も含め、格闘家として横山選手の目指すところは。
「柔術ジムの繁栄、柔術業界の繁栄ですね」
──……(苦笑)。では競技者としてムンジアルやADCCで勝つということではなくて?
「ムンジアル、アブダビはもの凄く出たいです。だから、もの凄く頑張らないといけないと思っていますけど、MMAに出ながらデキるもんじゃないんで。取りあえずMMAで勝っている以上は、国内で回りのためにも頑張る方が利口なのかなって思います。お金も貰えますし」
──ムンジアルに出ようと思えばポイントを稼ぐために、遠征資金も必要になってきますしね。
「そうッスね。RIZINとかで戦えば、国内で柔術をやるよりもお金になるんで。金もらってから、どうしようかなって。取りあえず負けるまではMMAを続けないといけないのかなって思っています」
──ところで12日のDEEPで盟友の鹿志村仁之介選手がバンタム級初陣で雅駿介選手と対戦します。
「あぁ、まぁこんな感じで一緒にチャラくMMAをやっていますけど、次は鹿志村君──絶対に勝ちますよ」