ジェイク・シールズ、アンデウソン& GSPを語る
4月17日(土・現地時間)、ダン・ヘンダーソンを相手にストライクフォース世界ミドル級王座防衛を果たしたジェイク・シールズ。挑戦者が一方的にプッシュされる試合前のプロモーション活動とは裏腹に、初回の大ピンチを乗り越えると、圧倒的なグラップリングの強さを見せつけ王座防衛を果たした。
【写真】郷野聡寛、植松直哉、日沖発の日本から出稽古組と練習後に仲良く記念撮影するジェイク・シールズ (C) MMAPLANET
その後、ストライクフォースの独占契約交渉期間を終え、UFCとの契約が間近といわれるシールズをカリフォルニア州プリーザンドヒルのシーザー・グレイシー柔術でキャッチ。折しも日本から郷野聡寛、日沖発、植松直哉らが出稽古に訪れていた現地で、ストライクフォース現役世界王者にUFC入りの噂について尋ねてみた。
――4月17日のストライクフォース世界ミドル級王座防衛戦は王者なのにアンダードッグとして戦い、1RKO負け直前から見事な逆転勝利を収めました。
「ダン・ヘンダーソンは素晴らしい対戦相手だし、タフな試合だったよ。たったの30秒で右フックを打ち込まれ、1Rは本当に厳しかった。でも、上手くリカバリーできて勝利することができた。試合前のプロモーションはフェアと言えるものではなかったのは確かだよね。でも、彼を倒してやろうというモチベーションになったよ」
――KO負け寸前のダウンから披露したガードワークは見事でした。ジェイクはトップからの攻めに、とても強さを見せるファイターという印象が強かったので、その見事さに驚いてしまいました。
「トップだけでなく、ボトムからの練習もずっと続けてきたから、当然ガードワークだって自信があるよ。大きな練習相手とスパーリングをしていると、何度も抑え込まれてきたから、トップを奪い返す技術を磨くことができたんだ。スイープやガードからの関節技は大好きさ。ただ、実戦になると対戦相手が僕をテイクダウンできないから、それらの技術を使う機会がほとんどなかっただけでね」
【写真】ニック&ネイト・ディアズ兄弟ともども、ジェイクの強さに日本勢3人が舌を巻いた (C) MMAPLANET
――グラウンドワークの強さは、今日、出稽古に来た3人の日本人選手を相手にした時も際だっていましたね。
「彼ら3人は素晴らしい柔術を駆使するグラップラーだったよ。日本のサブミッション中心のファイティングスタイルは大好きなんだ。僕の方が彼らよりずっと大きいけど、練習できて楽しかったよ」
――そのジェイクのグラウンドコントールの見事さは、コア・ファンや実際にトレーニングをしている者の間では、誰もが最高峰だと称えています。しかし、TVや米国の会場にいるファンの間では、今もブーイングが絶えません。
「米国のファンがグラウンドワークを理解していないことは承知の上だよ。でも、ずっと同じ状態でいることはない。ダン・ヘンダーソンのような相手を倒すことで、そんな状況が変わると思っている」
――ダン・ヘンを倒した1週間後に、サクラメントで行なわれたWECのPPVショーでダナ・ホワイトと席を並べて座っていました。今後、どこの金網のなかで戦うかはもう決定したのでしょうか。
「契約に関しては、今も話し合いが続いている。数週間以内にまとめ上げることができると思うけど、残念ながらそのことに関して話すことはできないんだ。2週間ぐらいで、契約が成ったと伝えられるよう、僕も望んでいる」
――契約に関して、話すことができないことは理解しました。勝手ながら、私の意見を述べさせてもらうと、ジェイクがUFCにウェルター級ファイターとして出場する姿に、もの凄く関心があります。UFCで戦うとして、ミドル級とウェルター級、どちらの階級で戦ってみたいと思っていますか。
「仮にUFCで戦うとすれば、ウェルター級もミドル級もどちらの階級で戦おうと思っている。アンデウソン・シウバやBJ・ペンのようなベストファイターは階級を超えて戦っているし、僕も二つの階級で王座を目指したい」
――UFCの両階級の王者は、とんでもない強さを見せつけています。GSPやアンデウソンに勝てる自信は?
「二人とも素晴らしいファイターさ。誰もが疑うことがないベストファイターで、簡単な試合にならないことは分かっている。でも、良い試合になるだろう。シウバはベストストライカーだけど、グラウンドに弱点がある。寝技になればどうなるのか。バックに回ってサブミットできるよ。GSPは少し違う。彼はトップもボトムも戦うことができる。でも、バックを奪うことは可能さ」
――GSPとジェイクが戦えば、互いにテイクダウンを奪うことができる展開なり、どちらがトップを奪おうが、もの凄いグラウンドウォーが見られそうです。
「イエス。GSPは僕と同じように非常にテイクダウンが強い。彼が僕と戦ったとき、どんな試合にあるのか、凄く興味がある。GSPとは本当に戦いたいから、すぐに実現することを願っているよ」
――ところで、ジェイクはTUFシーズン11のアシスタント・コーチをしていますが、このコーチ役を引き受けたことで、UFCへの興味が強くなったということはないですか。
「それは全く関係ないよ。友人のチャックが率いるチームをヘルプしただけで。元々僕はUFCのファンだったし、コーチを務めたからといって、何かが起こったということは一切ない」
――なるほど、今日はありがとうございました。
「サンキュー」