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【Gladiator019】非タイトル有川直毅戦へ、フライ級王者NavE─01─「苦労してベルトを手に入れたんや」

【写真】三重県名張市にしっかりと拠点を築いたNavE (C)SHOJIRO KAMEIKE

25日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator019で、現フライ級王者のNaveが、ノンタイトルマッチで有川直毅を迎え撃つ。
Text by Shojiro Kameike

2018年9月にフライ級王座を獲得したNavEは2020年11月、地元である三重県名張市では初となるMMAジム『N★TRUST』をオープンした。前戦はRIZINで福田龍彌にKO負けを喫したものの、そのなかで整ってきた練習環境と現在の三重県格闘技事情について語ってくれた。


――試合まで1週間を切りましたが、現在の仕上がりはいかがでしょうか。

「過去の最高の練習量ですね。ウチのジム(N★TRUST)を出して1年経って、経営も慣れてきたので自分の練習時間もかなり確保できるようになりました。このインタビュー前にも練習していたんですけど、1日2部練とか練習時間も取れていて。以前はジムすらないような状態でやっていたので(笑)」

――ジムをオープンした直後は、どのような状態だったのですか。

「オープンした翌月にあった藤田健吾戦(2021年2月、判定勝ち)は、全く練習していなかったです(苦笑)。体重だけ落として出た、みたいな試合でした。次の宮城戦(2021年9月、宮城友一に判定勝ち)と、今年のRIZINの試合(2022年3月、福田龍彌にKO負け)は、そこそこ練習できていたという感じですね。

今はウチのアマチュア選手も育ってきて、強い子も出てきています。その子らと練習できているんですよ。自分よりも大きな選手が多いし、パワーを使った練習もできるようになってきました」

――今回はZoomを使ったインタビューですが、NavE選手の向こうにある風景を見ても、かなり広いジムであることが分かります。

「そうですね、田舎の特権というか。都会にあるジムよりは広いですよ。2階もありますし」

――練習時間を確保できるようになったということは、それだけの規模のジムを維持できる会員さんも集まったということですか。

「はい。もちろん都会ほどの会員数ではないですが、田舎なぶんコストも少ないので、ある程度は形になってきたかなと思います。妻(ジムでフィットネスコーチを務める)も手伝ってくれて、おかげさまでオープンから毎月黒字にはなっていますね」

――会員の方々は、何をキッカケに入会されるのでしょうか。

「もともと格闘技が好きな人は多くて、そこにこのジムがドーンと出来たからじゃないですか。PPVを買って見てくれるような人がいるのに、この名張市だけでなく、三重県自体に格闘技のジムが全くなかったんですよ。フィットネスのジムも数店舗ぐらいで。それもマシンを使うジムで、エクササイズのように体を動かす環境も少なかったです」

――では、もともと格闘技に興味を持っていた方が多く、待ちに待った格闘技ジムのオープンだったのでしょうね。

「アハハハ、そうかもしれないです。やっぱり30代~40代ぐらいのPRIDE世代は多いんですけど、若い世代もいます。彼らは朝倉未来選手や皇治選手、萩原京平選手のことをYouTubeで知って格闘技に興味を持った。かといってヤンチャくれっていうわけでもなくて。コチラとしては、YouTubeでも活動するファイターに感謝しています(笑)」

――なるほど。その中でプロ選手になりたい方は、どれくらいの割合ですか。

「それが結構いるんですよ。ある程度バックボーンを持っている子が多くて。オープン当時のインタビューでも言いましたけど、名張市は柔道と空手が盛んで、その全国レベルの選手が入会してくれています。それと三重県の県庁所在地、津市は吉田沙保里さんの出身地でレスリングも有名なんですけど、その津市からレスリングの県チャンピオンが入会したりとか。そうやって何かしらの格闘技のバックボーンを持った人たちが、こうして僕がジムを立ち上げたことで集まってきてくれています。

あと名張市には工業団地があって、大阪や名古屋で格闘技をやっている方が出張に来られた時、ビジターで来て練習されることもあります。そうだ、 一度韓国の方が転勤で名張市に来て、ウチに入会したことがあるんですよ。その方は韓国でキム・キュソン選手がいるジムに通っていたらしいです(笑)」

――2018年2月に韓国で対戦したキム・キュソンですか。

「そうです。今はONEに出ている、あのキム・キュソンですよ。すごい縁でビックリしました。そういう人たちが集まってくるので、僕としても良い練習になるんですよ。レスリングのチャンピオンとレスリングのスパーをやったら、僕がやられることもあるし。柔道の選手と四つで組んだら投げられることもある。空手選手との打撃スパーも同じです。MMAやったら僕が勝つけど、限定スパーなら本当に良い練習になるので」

――それだけの練習環境が固まり、手応えを感じ始めたのはいつ頃ですか。

「今年に入ってから――この半年ぐらいですね。それまでは今回同じグラジエーターに出る伊賀GORI選手と2人だけで練習していました」

――そこまで固まる前に、RIZIN参戦がありました。

「自分がグラジエーターのベルトを巻いて3年――さらにステップアップするために燃えていたんですが、なぜああいう試合になったのか分からないです。ただ、あの一発を最初に持ってきた相手にアッパレで。あんな試合をしていたら何も言えないですね。

詳しいことは言えないですけど、自分がRIZINに出て負けたことで、アンチも出てきました。『こういうのオレにも来るんや』って(笑)。一方で応援してくれている人が喜んでくれたので良かったです」

――そして今回の有川戦を迎えます。今回はノンタイトルマッチとなりましたが、チャンピオンとして防衛戦を希望してはいないのでしょうか。

「最初はタイトルマッチという話もありました。でも僕が『1回勝っただけでタイトルマッチは早い』と言いました。それはズルいでしょう。こっちはグラジエーターに初期から出ていて、グラジエーター愛がありますから。『俺は苦労してベルトを手に入れたんやぞ』と」

<この項、続く>

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