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【UFC171】GSP政権返上後のウェルター級、頂点に立つのは?

Hendricks vs Lawler

【写真】卓越したテイクダウン能力、かつ左のKOパワーを持つジョニー・ヘンドリックスに対し、根っからのMMAブローラーであるロビー・ローラーがどのような懐の深さを見せるか(C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)にテキサス州ダラスのアメリカンエアライン・センターで開催されるUFC171「Hendricks vs Lawler」。メインはイベントタイトルにある通り、UFC世界ウェルター級王座決定戦ジョニー・ヘンドリックス×ロビー・ローラー戦だ。

5年半に渡るGSPの長期政権を経て、タイトル返上という政権返上後の頂点が決まる一戦。GSPの現役生活休息の全ての要因となったわけではないだろうが、昨年11月のヘンドリックス戦が大苦戦となっていなければ、彼の選択も変わっていたかもしれない。とにかくGSPの王座返上の一端を担ったヘンドリックスが、同じ大会でGSPの弟分ローリー・マクドナルドを破ったローラーと王座決定戦を戦うこととなった。

ランキング的には1位と3位の対戦だが、このような順位は対戦する両者の直接対決にはさほど意味は持たない。単に王座挑戦への位置を表すのがランキングだ。スタイル的に手が合うかどうか、誰もが知っている通りヘンドリックスのベースはレスリングだ。しかもオクラホマ州立大時代には4年連続D-1オールアメリカンで、NCAAは2年次と3年次で優勝、4年次が準優勝というとてつもない記録を残している。対してローラーもレスリング経験はあるが、ハイスクールのステートレベルのトップに過ぎない。何よりも彼はその高校生時代にミレティッチ・マーシャルアーツでMMAのトレーニングを始めており、19歳になった直後にMMAデビューを果たしている。

つまりこの世界王座決定戦は、スポーツ・エリートと根っからのMMAファイターの一戦ということができる。前述したようにヘンドリックスのベースはレスリング、同様にその強靭なフィジカルを生かしたパンチも強烈で、過去15勝のうち8試合がKO勝ちを手にしている。右手前、左手後の構えは打撃的にはサウスポー、レスリング的にはオーソドックス。右手が伸びて、テイクダウンされるという警戒心が、左手のパンチへの警戒心を薄めることになる。

それだけスタンドのプレッシャーが強いヘンドリックス、思わずケージ際に下がった相手の顔面を左の拳が打ち抜くシーンは何度も見られた。さらに踏み込みの鋭さから、一発で対戦相手を葬ることができる左のクロスも大きな武器となる。ローラーは決してグラップリングに長けたファイターではない。そのパンチの強さとは対照的に、ストライクフォース時代にも寝技に持ち込まれた時点で、戦意が明らかになえるというシーンも見せてきた。

ただし、それは柔術的な動きに追い込まれていった場合だ。先のマクドナルド戦のようにパウンドを打ってくる相手に心が折れるようなことはない。ヘンドリックスに必要なのは、テイクダウン後のパウンドでなくトップコントロールから、絞めや関節技の仕掛け。サブミッションを狙うことで、ローラーを削っていきたい。ただし、ローラーもサウスポー。右手で前足を取るフェイクから、左を打ち込むという得意のパターンは通じづらいだろう。さらにいえばローラーは、KOパンチはほぼ左腕のみというヘンドリックスの動きを理解した対策を練ってくるに違いない。

サウスポーだが、右利きではないのかと思うほど器用に右を使い、パウンドの追撃はおろか、メルヴィン・マヌーフを沈めた時のように右もKOパワーを秘めている。ヘンドリックスの打撃が、右の使い方が成長していない限り、左のパンチは完封される可能性もある。殴り合い上等のローラーを確実に倒すには、テイクダウンからのサブミッションが有効、最近の風潮に乗ればヘンドリックスは手痛い一発を受ける可能性は十分にある。

■ UFC171 対戦カード

<UFC世界ウェルター級王座決定戦/5分5R>
ジョニー・ヘンドリックス(米国/1位)
ロビー・ローラー(米国/3位)

<ウェルター級/5分3R>
カーロス・コンディット(米国/2位)
タイロン・ウッドリー(米国/11位)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・サンチェス(米国/15位)
マイルズ・ジュリー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・シールズ(米国/6位)
ヘクター・ロンバード(豪州/12位)

<ライトヘビー級/5分3R>
オヴァンス・サンプレー(ハイチ)
ニキータ・クリロフ(ウクライナ)

<ウェルター級/5分3R>
ケルヴィン・ガステラム(米国)
リック・ストーリー(米国/14位)

<女子バンタム級/5分3R>
ラケル・ペニントン(米国/13位)
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル/9位)

<フェザー級/5分3R>
デニス・ベルムデス(米国/12位)
ジミー・ヘッテス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・スペンサー(米国)
アレックス・ガルシア(カナダ)

<ライト級/5分3R>
ヘニー・フォルチ(ブラジル)
フランシスコ・トレビノ(メキシコ)

<フライ級/5分3R>
ウィル・カンプザーノ(米国)
ジャスティン・スコッギンス(米国)

<ミドル級/5分3R>
ロバート・マクダニエル(米国)
ショーン・ストリックランド(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダニエル・ピネダ(米国)
ロバート・ホワイトフォード(英国)

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