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【DEEP108】上迫博仁✖北岡悟戦の真相。「初回にヒザが鳴って……北岡さんは気付いていた」(上迫)

【写真】初回2分20秒過ぎ、この一連の攻防で上迫は右ヒザを負傷したか。そうであれば12分40秒間、上迫は自分とも戦っていたことになる…… (C)MMAPLANET

10日(日)、東京都文京区のTDCホールで開催されたDEEP108 IMPACT。そのセミファイナルで上迫博仁が北岡悟を判定で下した

最後まで緊張感あふれる、斬り合いに行く前の真剣勝負が見られた。その一方で、スプリットになったように勝者の上迫も絶対的な局面を創ることができなかった。上迫が如何に、北岡を仕留めに行くのか──。そこで北岡が、どのような意地を見せるのか。

そんな風な試合展開を予想した者には、消化不良の15分だったかもしれない。特に終始、北岡の出方を伺っていた上迫の戦い方に不満を持つファンは少なくないだろう。

しかし大会終了後の会見場に現れた上迫は、右足が使えずケンケン状態だった。初回のスクランブルの最中に右ヒザが鳴り、それ以降は負傷に気付かれないよう痛みのある足で蹴りを見せる──壮絶な舞台裏が、勝者の口から語られた。そんな共同会見で、MMAPLANETでは「負傷したことをセコンドに伝えることはできたのか」という点が気にかかり、上迫に尋ねた。会見から、その部分をキリトってお伝えしたい。


──個人的にとても気になることがありまして。そういう負傷を試合中にした。ヒザの負傷は、セコンドは分かっていたのでしょうか。口頭で伝えても、相手に知られるリスクが生じるわけですし。

「そうですね、試合が終わるまでセコンドは2人とも気付いていなかったです」

──ではインターバルの時にも、伝えられなかったわけですね。

「でも、北岡さんは気付いていました。試合終わりで挨拶に行ったんです。そうしたら『上迫君、ヒザ鳴ったよね』って言われて。それもセコンドの八隅さんや松嶋君に伝えていたみたいです。『ヒザ、鳴ったよ』って」

──……。改めて凄まじい世界です。

「完全にバレていました。スゲェなって思いました。自分のセコンドに伝えず、2人は気付いていなかった。でも、北岡さんは気付いていて。『ハイクラッチの時にヒザ鳴ったよね』って」

──いやぁ。セコンドのお2人も分からないかと。試合中、全くそのような素振りを見せなかったじゃないですか。でも気付かれていてなお、そこまで攻められなかったということですね。

「いや、本当に怖かったです。でも、気付くこと自体凄いなって思いました」

──そのケガがなければ、北岡選手の介錯が出来ていたかもしれないです。

「そうかもしれないですね。北岡さんにも『思い切りいけなくてスミマセン』って伝えたんですよ。『それは試合だから』と。一言だけど、色々な意味を含んでいる言葉──重みが違うなというのは感じました」

──本来は、そのつもりはありましたか。

「行きたいとは思っていました。1Rはジャブ、細かいので削るということに徹して。目とか潰して、最後はビッグヒットを狙うというのが作戦でした。でも、試合ってそんなモノですよね。

バレていないと思って僕は試合をしていたので。それが北岡さんにはバレていた。スクランブルの時に音が聞こえて。パキっていう……その時、僕自身が北岡さんのヒザが鳴ったと思ったんです。そうしたら、『いや、俺だ』と。そこからヒザがヤバい、そういう試合になりました」

──ヒザをしっかりと直して、本領発揮できる日を楽しみにしています。

「そうっすね。今日は恐らくSNSでは『上迫、詰まんねぇ』って書かれまくると思うんで(苦笑)。宜しくお願いします」

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