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【UFC274】メイシー・シェエソン、ノルマ・ドゥモントに打撃の間合いを創らせずスプリット判定勝ち

<146.5ポンド契約/5分3R>
メイシー・シェエソン(米国)
Def.2-1:30-27.30-27.28-29
ノルマ・ドゥモント(ブラジル)

ドゥモントの計量失敗でキャッチウェイト戦となった1戦。シェエソンが左の蹴りを見せ、間合いを測る。右ジャブで前に出るシェエソンを右で迎え撃つドゥモントは、ローにワンツーを合わせていく。ドタバタとした感のある序盤の先手を争う展開のなかでシェエソンが左ミドル、ドゥモントの右オーバーハンドが目立つ。シェエソンが組んでボディロック、離れ際にドゥモントが右を狙う。

右オーバーハンドに続く左フックを当てたドゥモントは、ハイをブロックしてみぎおーばーハンドを振るう。シェエソンも右をヒットさせ、圧争いで挽回を計る。前進力で打撃を入れるシェエソンに対し、待ち構えてパンチを打っていくドゥモントだが右を空振りし最後にテイクダウンを許した。

2R、ワンツーから左ミドルを放つシェエソンに、ドゥモントが前蹴り。カウンター狙いのドゥモントは、打撃に注意を払い過ぎか簡単に組みを許してしまう。ケージに押し込まれたドゥモントはダブルレッグを切ったが、ボディロックから前方に崩されバックを取られそうになる。前方に落とされたシェエソンは、打撃戦でなく組みを選択するように。打撃の威力のある距離、空間を潰されたドゥモントはケージに詰められた状態が多いラウンドとなった。

最終回開始早々、右とワンツーを打ち込んだドゥモントだが、シェエソンは組んでボディロックに取りテイクダウンを決める。すぐに立ち上がったドゥモントは掌底を打ち、左腕を差し返す。右も差してスペースを創ったドゥモントだが、すぐにシェエソンが組んでいく。

ブーイングのなか、ボディロックテイクダウンを続けるシェエソンは倒した瞬間に切り返され下になる。即、リバーサルからスクランブルに持ち込んだシェエソンだが、しっかりと距離を取ったドゥモントがワンツーを決める。懸命に殴るスペースを創ろうとするがシェエソンが組んで潰す。打撃はパワーが分散するシェエソンだが、組みでは圧が増してドゥモントに自由を許さなかった。

とはいえ、あの押し込むをジャッジがどこまで評価するか。スプリットに割れ、結果はシェエソンが判定勝ち──ファンはブーイングで反応したが、ファンの目でなくジャッジの目として組みを評価する北米MMAらしさが見られた裁定。殴りたければ、殴る距離を組みに対して創らなければいけない──MMAがMMAとして存在するための裁定だったといえる。


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