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【Strikeforce】シャオリン初陣は、脛に傷を持つ実力者と

Shaolin (C) MMAPLANET27日(火・現地時間)、5月15日(土・同)のミズーリ州セントルイス、スコットレード・センターで開催されるStrikeforce「Heavy Artillery」で、ハファエル・フェイジャオン・カバウカンチ×アントワン・ブリットのライトヘビー級戦、そして、ヴィトー・シャオリン・ヒベイロ×ライル・ビアボーム戦が行なわれることが正式発表された。

【写真】ヴィトー・シャオリン・ヒベイロにとって、待望の北米メジャー・デビュー。アンダーカードからの出場は、ある意味で仕切り直しの一戦といえる (C) MMAPLANET

アリスター・オーフレイム、アンドレ・オルロフスキー、ホジャー・グレイシー、ホナウド・ジャカレらの出場が決まっているビッグショーが、追加カードの発表により、さらに彩鮮やかなものとなる。メインカードに出場するブラックハウス所属のフェイジャオンは、アンデウソン・シウバやホジェリオ・ノゲイラのスパーリング・パートナーを務める打撃系ファイターだ。


Feijao【写真】ブラックハウス所属のハファエル・フェイジャオン。アントワン・ブリット戦に勝利し、待望のタイトル戦へリーチをかけることができるか (C) Strikeforce

ややムラのあるファイトは、精神的な部分で未熟だとアンデウソンに指摘されたこともあったが、その分、ツボにはまった時の強さは抜群といえるフェイジャオン。一方、対戦相手のブリットは、TUFシーズン8のイリミネーションファイトで勝利しながら、拳の負傷でナショナルTVショー出演を逃した苦い過去を持つ。昨年12月のストライクフォースでも、アンダーカードに出場した彼にとって、この一番は初のビッグイベントで、メインカード抜擢となる。

フェイジャオン×ブリットの勝者はキング・モーの持つライトヘビー級世界王座挑戦に最も近い存在になるという位置づけのファイトだが、日本の通なファンにとっては、シャオリンの北米メジャー出場の方が気になるだろう。

ブラジルを代表するニューウェイブ一派だったシャオリンも既に31歳。ブラジリアン柔術レーヴィ級3強時代のライバル達――マーシオ・フェイトーザ、レオジーニョ・ヴィエイラの両者は、すっかり指導者としての活躍が目立つようになったが、MMAを主戦場とした彼は、日本での活動に一区切りつけ、4年2カ月ぶりに米国再進出を果たす。

名門ノヴァウニオンを代表する正統派柔術系MMAファイターは、抜群のグラップリングの強さを誇る。1999年に中井祐樹との柔術マッチで日本デビューを飾った彼は、ヨアキム・ハンセンを破り修斗ウェルター級(70kg)世界王者となると、その後もHERO’S、DREAMと日本で活躍を続けた。

川尻達也、石田光洋、光岡映二、宮田和幸、JZ・カルバン、永田克彦、青木真也という日本を主戦場するファイターたちと熱戦を繰り広げてきたシャオリン。北米メジャー・デビューはアンダーカードと決して華やかな舞台が与えられたわけではないが、ここは一戦一戦結果を残すことで、その力を万人に認めさせたいところだ。

そんなシャオリンの対戦相手ビアボームは、同じ31歳。アイスの名で知られる覚醒剤=クリスタルメスを使用し、1年以上臭い飯を食ってきた過去を持つファイターだ。

柔術、サブミッションレスリングで輝かしい戦績を誇るシャオリンとは、対照的な半生を送ってきたビアボームは、出所後、自宅に戻る道すがら柔術アカデミーを目にして、ここからMMAファイターの道を歩み始めた。

Beerbohm【写真】ライル・ビアボームはMMAで人生を変えたファイター。ネームバリューは低いが、侮れない実力の持ち主だ (C) Strikeforce

ワシントン州で盛んなアマMMAで12連勝を飾ると、プロデビューを果たし現在13連勝中。「刑務所生活を経験し、MMAに出会っていないと俺はもう生きていなかっただろう」と、ビアボームは自らの半生を振り返る。

9連勝の時点で、エリートXCから抜擢を受けShoXCに出場、現UFCファイターのハファエロ・リベーロにTKO勝ち。ストライクフォースはChallengersで、これも現UFCファイターのドゥエイン・ラドウィックに4分27秒ギロチンチョークで勝利している。

ドロップアウト以前は有名なハイスクールレスラーで、ワシントン州王者に3度就いているビアボーム。パワー溢れる左ストレートを持ち13の勝利のうち、7つのKO勝ちを誇るが、自らはグラップラー(※一本勝ちは5試合)と断言。今流行りのスイッチを有効に使いこなすなど、シャオリンにとっても厄介な対戦相手になりそうだ。

■Strikeforce 「Heavy Artillery」主な対戦カード

<ストライクフォース世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アリスター・オーフレイム(オランダ)
[挑戦者]ブレッド・ロジャーズ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アンドレ・オルロフスキー(ベラルーシ)
アントニオ・ペイザォン・シウバ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ(ブラジル)
ジョーイ・ビラセニョール(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ホジャー・グレイシー(ブラジル)
ケビン・ランデルマン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ハファエル・フェイジャオン(ブラジル)
アントワン・ブリット(米国)

<ライト級/5分3R>
ヴィトー・シャオリン・ヒベイロ(ブラジル)
ライル・ビアボーム(米国)

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