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【TUF11】第2週 チームが決定、マキンニーは初戦で脱落

ジ・アルティメット・ファイター・シーズン11(The Ultimate Fighter Season11)第2週。28名のミドル級ファイターがふるいにかけられた第1週を終え、半数となる14名が共同生活を行うため、UFCハウスにやってきた。

【写真】チーム対抗戦初戦に登場したチーム・リデル1位指名=カイル・ノークは、TUF11中心メンバーと目されていたマキンニーを三角絞めで一蹴した (C) ZUFFA

チャーリー・リンチからインパクトのある勝利を収めたクレイトン・マキンニーは、真っ先にハウスの階段を駆け上がるや、「試合に勝ってショーに出る権利を手にしたんだ。負けたやつのことなんて誰も覚えちゃいない。安堵と興奮が半々ってとこかな」と、現在の心境を語った。


また、ハイキックでベン・スタークを下したアフロ頭のジェイミー・イェイガーも、「ハウスに入ることが俺の目標じゃない。絶対に次のラウンドに進んでやる」と闘志を燃やす。

だが、初戦の傷が癒えないファイターも少なくない。マキンニーは肩を痛め、延長Rまでもつれたコート・マクギーの顔には、痛々しいアザが残り、クリス・カモージーは、試合で歯が折れるも「怪我なんかで俺は止まらない。3日もすれば治るよ」と強がった。

一夜明け、チーム編成の日を迎えると、ダナ・ホワイトは「最初のファイターか、最初のファイトカードを選んでくれ。毎回のファイトカードの選択は、勝ち続ければそのチームが維持する」と説明した。

すると、コイントスでは、ティト・オーティズが選手指名権を選択、まず、名を呼んだのは、「昨日の試合を見て決めていた」と語るMMA10勝無敗のニック・リングだった。

対するリデルは、「ファイトレコードとこれまで戦ってきた選手を見て選んだ」と、EliteXCにも参戦経験があり、初戦ではワレン・トンプソンを大流血に追いやったカイル・ノークを指名。以下、チーム編成は下記の通りになった。

■チーム・オーティズ
1位:ニック・リング
2位:ケイシー・ウスコラ
3位:クリス・マクレイ
4位:ジェイミー・イェイガー
5位:ジェームズ・ハモーティ
6位:クレイトン・マキンニー
7位:クリス・カモージー

■チーム・リデル
1位:カイル・ノーク
2位:リッチ・アトニート
3位:チャールズ・ブランチャード
4位:ジョシュ・ブライアント
5位:ブラッド・タバレス
6位:コート・マクギー
7位:ジョー・ヘンリ

「スタンド、グラウンド、柔術。それぞれが特徴のあるメンバーで最高のメンバーが揃ったよ」と、TUFシーズン11版「チーム・パニッシュメント」の結成に喜ぶティトだったが、チーム・リデルについては「ミドル級にしては小さいんじゃないか?」とポツリ。これには、ダナも「チャックは戦略家だとは思うが、ちょっと信じられない。もっとよいピックができたはずだ」と表情を曇らせながらも、目の前のティトには「おめでとう」と早くも祝福の言葉をかけた。

チームが編成されると、それぞれのトレーニングもスタート。チーム・リデルのコーチには、長らくリデルのコーチを務めるジョン・ハックルマンと、ボクシングのメダリスト=ハワード・デイビスJrが登場、チーム・オーティズは、TUF3でもコーチを務めたサウル・ソリス、柔術コーチにはクレバー・ルシアーノを起用した。

両チーム最初のトレーニングを終えると、試合カードがリデルの口から発表された。チーム・リデル×チーム・オーティズの初戦は、自軍1位指名のカイル・ノークと、チーム・ティト6位のクレイトン・マキンニーという、ここまでの放送でも存在感を示す二人によるマッチアップとなった。

しかし、当のマキンニーは肩の痛みを訴え、翌日、MRI検査を受けることに。ドクターによる検査結果は「深刻な損傷ではない」という診断だったが、「左半身が麻痺しているような気分だ。まあやるしかないね」とモチベーションの低いマキンニー。そんな彼に、マクレイは「信じられない。後で後悔しないように全力でやるべきだ」と呆れた様子で語った。

それでも、ティトは、自身の誕生日ケーキがコーチ陣から贈られると、誕生日には“ピニャータ”(メキシコで祝い事に用いられるお菓子などが入ったくす玉人形)が必要だと、オクタゴンの上からリデルの人形を釣り下げた。これにパンチや蹴りをぶち込みチームを盛り上げたティト、大破するリデル人形からは、1ドル紙幣がばら撒かれ、チームの面々も大喜び。多少の団結は見られた様子だ。

そして、いよいよファイト当日――、豪州出身のノークは、「オーストラリア代表として誇りを持っている。タイトルを取ってやるよ」と宣言し、リデルもまた「オールラウンドに弱点のない素晴らしい選手」と高い評価を口にした。

一方、マキンニーは「ノークは相手の1位指名だからな。チャックは最強だと思う相手に自分をぶつけてきたんだから見返してやる」と挑発したものの、もの静かなノークは「俺は相手をぶっ倒すとか、コッキーなことは言わない。とにかくオクタゴンに上がって勝つだけ」と淡々と話した。

「肩の痛みがなければ、よい試合になったと思う」というダナは、ノークの勝利を予想し、その試合が幕を開ける。オーソドックスで向かい合うと、ノークがインロー、マキンニーがローを返す。ノークがジャブで飛び込むと、マキンニーは再びロー、そして、スイッチから前足でローを飛ばしていく。

1Rが半分が経過すると、スイッチを繰り返すマキンニーが距離を詰めていく。すると、パンチが交錯した勢いで前のめりになったノークからマキンニーがバックを奪うと、ノークは自分の股下から相手の足をすくうようにヒザ十字を狙っていく。

これを潰して凌いだマキンニーだったが、ノークはガードに戻すと、そのままオモプラッタへ移行。これでバランスを崩したマキンニーが態勢を立て直そうとしたところで、待ってましたとばかりに三角絞めで捉え、勝負アリ。ノークが一本勝ちで快勝した。

試合後、黙ってその場を去ったマキンニーに、「お願いだ、こい、1分でいいからこい」と声をかけるティト。「間違いをしたら、そこから学ばなければいけない。まだワイルドカードがある」と激励したが、敗戦のショックを引きずるマキンニーは、その言葉を受け入れようとはしない。

「何をすべきだったかは、わかってる。俺だっていろんな経験をしてきた。初めてじゃない」と語るマキンニーに、勝ったノークは「俺は俺の仕事をしっかりできた。あとは他の選手の番だな」とコメントを残した。

自らのチームに自信を深めていたティトに対し、黒星を付けてリードしたリデル。「ティトはよいチームを選んだと思っているが、チャックの方が戦略は上なのかもしれないな」というダナの言葉で、第2週は幕は閉じた。

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