【UFN201】キャリア51戦目、39度目のオクタゴンへ。ジム・ミラー「殴られたら、殴り返したくなる」
【写真】今も頂点を目指す戦いの輪に入っている。そこがよりジム・ミラーを格好良くさせる (C)Zuffa/UFC
19日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN201:UFN on ESPN+59「Walker vs Hill」にジム・ミラーが出場し、ニコラズ・モッタと対戦する。
ジョニー・ウォーカー×ジャマール・ヒルのミドル級がメインの今大会、プレリミは7試合で女子のストロー級とバンタム級以外の男子の試合はフェザー級とバンタム級に集中している。
キャリア33勝6敗1NC、50戦を越えるキャリアのミラーは、モッタ戦がオクタゴン39戦目で、自ら最多出場記録を更新している。50戦を越えるキャリア、彼と同世代の選手も決して少なくない。ただし、UFCでこれだけ長く、キャリアの4/5を過ごしている。世界最高峰で、今の王座と挑戦としたヒエラルキーのなかで戦い続けるジム・ミラーに、その戦い続けられる理由を尋ねた。
──UFCで39戦目となるニコラズ・モッタ戦が土曜日に控えています。今の調子はいかがですか(※取材は現地時間の火曜日に行われた)。
「調子は良いよ。トレーニングキャンプもしっかりできた。もう、あとは戦うだけだ。本来、彼とは去年の9月に戦う予定だったけど、僕がコロナに感染してキャンセルになった。すっと彼と試合をするために準備をしてきたようものだよ」
──それにしても、ここまでUFCで戦ってきてまだ戦いたいと思えるものなのですか。
「今も楽しいからね。いつまでたっても、ファイトは何が起こるか分からないから楽しいんだ。俺は分かったなんてしたり顔で言うようになったら、もう戦えないよ。体に問題があれば楽しめないだろうし、練習も楽しんでいる。今は子供が4人もいて、ファイトが全てじゃない。やらないといけないことも増えた。でも、モチベーションを維持することは凄く簡単なんだ」
──ジムがモチベーションをキープする方法とは?
「キープする方法じゃないよ。殴られたら、殴り返したくなる。そういうことだよ。その気持ちがあれば戦い続けることができる。若かった頃のように戦いだけに集中するのは困難だけど、さっきも言ったように楽しいんだよ。だから、少しでも長い間楽しみ続けたい」
──数カ月に1度の試合のために、長くハードな練習を続けることも楽しめるということですね。それにしても若いファイターがどんどん出てきて、フィジカルモンスターのような選手も多いです。そのなかで年を重ねてなお彼らと戦う。どのようにして、そんな心と体を創っていけるのでしょうか。
「MMAはパズルだ。本当に色々なことを学ぶ必要がある。常に新しい武器を得ようと練習している。ジムで自分を成長させる。時には難しいこともあるよ。常に強くなり続けるなんてできないからね。それでも何かを学ぶ、何かを習う。そういう学生のような、探求心を持ち続けることが必要だと思う。その気持ちがなくて、ただ強くありたいなんて自分のエゴでしかないからね」
──MMAは時代とともに戦い方が変化しています。今やグラウンドの攻防が続くことは珍しく、寝て逆転を狙うよりも立ってイーブンに戻すことが主流です。スタンドでも、距離とタイミングをしっかりと見ていたのが、ガチャガチャと殴り合い、テイクダウン防御への意識が低く、倒されても立てば良い──レスリングに付き合って疲れることは回避する。それが現代MMAの戦い方になっているように感じます。しっかりと倒して、抑えていたジムからすると、このスタイルをどのように思っていますか。
「スポーツって常に変化するものだよ。僕だって変わる。だから新しい技術を身に着ける姿勢が必要なんだ。変化するというのは、そのスポーツにとって悪いことじゃないはずだ。それだけ新しくなっているということだしね。それが成長するということだと思うよ」
──なるほど。昔は良かったなどと言っていたら、38試合もUFCで戦えないですね。
「僕だって、昔は良かったと思うことはあるよ(笑)。2000年代の最初の頃のMMAを懐かしく感じることがね。素晴らしいファイターたちが、どの局面でも……そう、どんな状況でも戦いを回避するために動くんじゃなくて、戦っていた。それでも、戦い方は変わる。どのスポーツを見ても同じだ。皆が勝とうとする努力が、ゲームを変えるのさ。そうやって戦うモノとして、受け入れて戦うだけだよ」
──土曜日はジム・ミラーとして、どのような試合をファンに見せたいですか。
「ジム・ミラーらしい試合をしたい。戦うためにケージに入る。可能な限り圧を掛けて、ペースを握る。相手にミスをさせ、そこをつく。僕はプロMMAを50試合戦ってきた。次の試合が51戦目なんだ。簡単に勝てると思って、試合をしたことはない。そのために厳しい練習をし、自分を追い込んで試合に向かう。勝負を諦めない。そういう自分らしさを見せることができれば、最高だよ。
そうやっていること自体が楽しんだ。それが僕の人生。僕はプロフェッショナルファイターでいたいんだ。そうすることで自由を感じられる。僕は差、ある意味生き返った人間だから。重度の倦怠感を伴う病のおかされた時、そうUFC200でタカノリ・ゴミと戦った時、実は引退する準備をしていたんだ」
──えぇ、そうだったのですね!!
「でも体調が戻り、戦い続けることにした。あれ以来、いつ身を引いても構わないと思って戦っている。もう既に引退することを決めた人間だからね。幸運なことに、今も戦い続けることができている。この道を歩くことが楽しいんだよ。いつ、終わりになってもしょうがない。そう思っているからこそ、思い切り楽しんでいるんだ」
──だからこそ、皆、ジムの試合を見ると『まだ俺もできる。頑張ろう』という気持ちになれるんだと思います。
「ありがとう。そう言ってもらえると凄く嬉しいよ」
──そう思っている日本のファンに、一言お願いします。
「日本のMMAファンの皆が応援してくれることが本当に嬉しい。残念なことに、僕はまだ日本で試合をしたことがない。でも、将来的に日本で試合する可能性は残っている。ホント、日本のMMAがこのスポーツのために尽くしてくれたことに感謝しているんだ。皆、ありがとう」
■視聴方法(予定)
2月20日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS
■ UFN201計量結果
<ライトヘビー級/5分5R>
ジョニー・ウォーカー: 206ポンド(93.44キロ)
ジャマール・ヒル: 205ポンド(92.99キロ)
<195ポンド契約/5分3R>
カイル・ダウカウス: 193.5ポンド(87.77キロ)
ジェイミー・ピケット: 194ポンド(87.99キロ)
<ヘビー級/5分3R>
パーカー・ポーター: 263ポンド(119.29キロ)
アラン・ボドウ: 256ポンド(116.11キロ)
<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー: 156ポンド(70.76キロ)
ニコラズ・モッタ: 154.5ポンド(70.08キロ)
<ミドル級/5分3R>
ジョアキン・バックリー: 183ポンド(83.00キロ)
アブドゥル・ラザク: 186ポンド(84.37キロ)
<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ベニテス: 148ポンド( 67.13キロ)
デヴィッド・オナマ: 144.5ポンド(65.54キロ)
<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク: 135.5ポンド(61.46キロ)
ステファニー・エッガー: 135ポンド(61.24キロ)
<フェザー級/5分3R>
チャス・スケリー: 146ポンド(66.22キロ)
マーク・ストリーグル: 145ポンド(65.77キロ)
<女子ストロー級/5分3R>
ディアナ・ベルビシャ: 116ポンド(52.62キロ)
グロリア・ジ・パウラ: 115.5ポンド(52.38キロ)
<バンタム級/5分3R>
ジェシー・ストレーダー: 135ポンド(61.24キロ)
チャド・アンヘリガー: 135ポンド(61.24キロ)
<フェザー級/5分3R>
ジョナサン・ピアース: 145.5ポンド(66.0キロ)
クリスチャン・ロドリゲス: 145.5ポンド(66.0キロ)
<バンタム級/5分3R>
マリオ・バウティスタ: 135.5ポンド(61.46キロ)
ジェイ・ペーリン: 136ポンド(61.69キロ)