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【The Shooto Okinawa05】旭那拳戦へ。木内SKINNY ZOMBIE崇雅─02─「WKイズムで戦います」

【写真】宇野薫、佐々木ULKA──ある意味WKスペシャル裸絞めで当真佳直に勝利した昨年11月以来の試合であることが、アドバンテージだと木内はいう (C)TAKEAKI TOYOSATO

14日(日)、沖縄県沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるTHE SHOOTO OKINAWA05で、旭那拳との再戦に臨む木内SKINNY ZOMBIE崇雅のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

6日に暫定王者が誕生した修斗ストロー級において、木内×旭那の勝者は今後タイトル戦に絡んでくることになるだろう。アウェイで再戦、そしてタイトル戦線を占う試合に、木内はいかに挑むのか。沖縄の地で蘇る、WKイズム──。

<木内SKINNY ZOMBIE崇雅インタビューPart.01はコチラから>


――佐々木憂流迦選手とは高校生の頃から一緒に練習していたのですか。

「佑太君は高校の時からレスリングに国体に出ていて、その頃から駿河道場でも練習していましたから。高校卒業後、正式に駿河道場に入門してからも一緒に練習していたので、体型やファイトスタイル、一本を狙う部分は似ているかなって思います。彼の活躍は、仲間としても嬉しいし、自分も頑張らないといけないという励みや活力にはつながっていますね」

――その後、和術慧舟會GODS所属になったのは……。

「就職活動をしていたのですが、氷河期と被っていて(苦笑)。格闘技を続けるか、就職して格闘技を諦めるか――そんな選択に迫られていた時に、芸人を目指していた友人から『一緒に上京しないか?』と誘われたんです。それで僕も、新天地で就職して格闘技も頑張ろうと思い、上京して同じ慧舟會のGODSに移りました」

――なるほど。

「だから僕のファイトスタイルには、GODS代表の中原太陽さんのテイストも入っていると思うんです。太陽さんは特別、上のポジションに固執するわけではないし、寝技ではすごく柔らかい動きがあって」

――すると、もう格闘技キャリアは長いのですね。

「はい、格闘技歴は15年ぐらいになります」

――ここまでのプロキャリアは、決して平坦なものではなかったと思います。

「そうですね……パンクラスでプロデビューして、連敗した時は辞めようかとも思いました。そのあとZSTに出るようになってから、修斗の闘裸男からストロー級の選手を探しているというお話を頂いて。それまではフライ級で試合していて、ストロー級は減量も大変な部分はありますけど、フライ級よりはトップを取れる階級かなと思いました」

――その経緯があって、2016年6月の広島大会から修斗に出場するようになったのですね。

「心機一転、ですね」

――その修斗ストロー級は、11月6日に猿丸ジュンジ選手が暫定王座を獲得し、新たな動きを見せようとしています。

「修斗もストロー級は、そこまで活発に動いている印象はありませんでした。でも暫定王座が出来たことは、すごくポジティブに捉えています。正規王者の箕輪ひろば選手もONEとの契約があるなかで、暫定王座でこの階級が回っていけるのであれば良いですよね」

――木内選手は現在、世界ストロー級8位です。次の対戦相手、旭那拳選手は世界10位。勝者は世界戦に向けてグッと近づくことになります。

「ベルトは欲しいですね。自己証明というか。30歳を越えて選手を続けるうえで、いろんなものを犠牲にしてきました。同年代の人と比べると、時間や仕事、プライベートなど……。そんな自分を肯定する証明が、ベルトなのかなって思います」

――ベルトに向けて落とせない次の試合ですが、旭那拳選手とは2018年4月に一度対戦し、木内選手が2RにRNCで勝利していますね。

「あの試合もシーソーゲームでした(笑)。いつか再戦するだろうな、とは思っていたんです。試合では僕が勝ちましたが、周囲からは『相手の選手、強かったね!』という声が多かったので。そのあとも旭那選手の試合は見ていて、いずれトップに絡んでくるだろうなと」

――3年前の対戦から、旭那選手はどのような点が変わっているのでしょうか。

「試合の作戦にも絡むので、あまり具体的には言えないですけど……前の試合の時よりも、自分自身の長所と短所を意識しているのかなって思います。あと、試合の中で行き過ぎないように気を付けているようには感じます。でも本質的な部分、根本的な部分――ファイトスタイル自体は変わっていないですよね」

――対して、木内選手自身はいかがですか。

「まず前回の試合から1年の間隔が空いているのは、自分にとってはメリットだと思っています。コロナ禍の前は年3回ぐらいのペースで試合をやっていたのですが、そうなると技術的にもフィジカル的にもアップデートする時間がありませんでした。1つ試合が終わったら、すぐ次の試合の対策へ――という感じで。

今の時代、試合映像もインターネットですぐ見られるじゃないですか。そうなると、アップデートし続けなければ自分の戦い方がバレてしまいますから。今回は1年空いたおかげで、自分のファイトスタイルも変わってきています。前回とは違う木内がいるので、期待してください」

――再び敵地での試合、そして相手はリベンジを懸けて挑んできます。なかなかキツい環境ではないでしょうか。

「僕、もともとアウェイのほうが好きですから(笑)。東京で仲間がたくさんいるなかで試合するよりは、相手の舞台で戦うほうが好きですね。相手の舞台を潰すという、アンチヒーローみたいな感じで。ネイト・ディアスとか、アンダードッグになったほうが強い選手とかいるじゃないですか」

――そう考えると、木内選手のアップダウンが激しい試合内容も、劣勢になってからのほうが燃えるタイプなのかもしれませんね。

「アハハハ、気持ち的にはソッチ側の選手なのかもしれないですね。何くそ、って食らいついていくような(笑)。全方向に噛みついていく、それが慧舟會なのかなとも思いますけど」

――……かつて修斗オフィシャルジムではない和術慧舟會は、修斗の中でも外様のような存在でした。それが当時のピリピリ感を生んでいたようにも思います。

「僕はアマチュアの頃、東京の合宿に参加したことがあるんです。先輩方と比べたら、ホントにちょっとだけなんですけど……」

――週末にプロ選手が集まって1日3部~4部連を行う、あの合宿ですか。

「そこで当時の東京本部の方々にも指導していただきました。あの合宿に参加していた選手も、数少なくなってきていると思うんですよね。でも、今もまだいるんです。僕は、あの場所で教わったWKイズムで戦います」

■視聴方法(予定)
11月14日(日)
午後3時00分~ Twit Casting LIVE

■The Shooto OKINAWA#05対戦カード

<ストロー級/5分3R>
木内SKINNY ZOMBIE崇雅(日本)
旭那拳(日本)

<フェザー級/5分2R>
児山佳宏(日本)
工藤圭一郎(日本)

<ストロー級/5分2R>
当真佳直(日本)
金内サイダー雄哉(日本)

<2020年新人王決定Tバンタム級1回戦/5分2R>
南風原吉良斗(日本)
持田哲兵(日本)

<ストロー級/5分2R>
大城匡史(日本)
泰斗(日本)

<フライ級/5分2R>
若山達也(日本)
KJ・タイラー(日本)

<フライ級/5分2R>
梅木勇徳(日本)
新垣健司(日本)

<柔術茶帯ライトフェザー級/8分1R>
小生隆弘(日本)
清水慎也(日本)

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