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【UFC ESPN27】相手の正面に立たない男、エイドリアン・ヤネス─01─「ボクシングをクリアーに」

【写真】キャリア13勝3敗の27歳、エイドリアン・ヤネスの距離の取り方と移動はその距離とステップに超注目だ (C)MMAPLANET

24日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで行われるUFC on ESPN27「Sandhagen vs Dillashaw」で、エイドリアン・ヤネスがランディ・コスタと戦う。

Legacy FCからLFAへ。そしてコンテンダーシリーズからUFCにステップアップを果たしたヤネスは、ボクサーだった父の影響でファイトを始め、その父に相手の正面に立たないボクシングを叩きこまれた。そのように彼のキャリアが伝えられてきたが、実際には父の教えをより昇華させたコーチとの出会いがあったという。

最強&最高UFCバンタム級戦線にあって、特異な存在感を持つエイドリアン・ヤネスの打撃論とは?


──LFAでエイドリアンの試合を視て以来、非常に興味深い打撃のスキルの持ち主ということで注目してきました。今回、インタビューを受けていただきありがとうございます。エイドリアンの声を日本のファンに届けることができて嬉しいです。

「僕の方こそ、ありがとう。日本のファンは凄くMMAのことが分かっていて、選手をリスペクトしてくれると聞いているよ。そういうファンの前に1度、試合をしてみたいんだ」

──土曜日の夜にランディ・コスタと戦います。今の調子はいかがですか。

「トレーニング・キャンプが凄く上手くいって、全て順調にやってこられたよ。キャンプの成果が、試合で出ることを期待している。精神的にも最高潮だし、そこも凄く大きいよ」

──3月に勝利した時、5月に地元ヒューストンの有観客大会に出たいとアピールしましたが、その時ばかりか2週間後のトヨタセンターでもマッチメイクされず、このタイミングになってしまいましたね。

「メェーン!! 正直いえば、UFCが5月に僕をヒューストン大会で使わなかったことに関しては、とても落ち込んだよ。UFC252を観客席からファンと一緒に眺めて……心は傷ついてしまった。僕もあの場で……ホームタウンのファンの声援を受けて戦いたいと心の底から思った。そういう最高の舞台で戦うことができる機会だったからね。

そうはいっても、5月にある大会だったし、あの時点でアピールしてもギリギリのタイミングだと理解はしていたよ。もう殆どの試合が組まれていたからね。

その頃にランディ・コスタと7月24日に試合をするサインをした。そして6月の終わりだったかな、8月7日にまたヒューストンで観客を入れたイベントがあるかもしれないという話を聞いたんだ。ただし、ヘビー級のマッチメイク次第だってことだったよ」

──いずれにせよ、UFCもファンが見たがるエイドリアンの試合をヒューストン大会に限らず、早々にブックしたかったでしょうしね。

「今週末に戦えることは凄くハッピーだよ。もう減量が残っているだけだし、ランディ・コスタとの試合はタフになることは分かっている。だからこそ、凄く楽しみなんだ。僕らのスタイルをみれば、ファンもどんな試合になるかは分かっているはずだからね。

ファンが喜んでくれることが間違いない試合になるし、そういう試合を戦う意義は大きいよ。この試合に関しては、こうやって日本のメディアに話を来てもらえるし、凄くワクワクしているよ(笑)」

──エイドリアンの打撃の特徴はフィニッシュ云々よりも、位置取りにあると思っています。自分は殴っても、相手には殴られない距離を取って倒すファイトをします。そうですね、コンテンダーシリーズから顕著になったと思います。幼少期の頃からボクシングをしており、亡くなったお父さんの指導を受けていたと聞いたことがありますが、ボクシングをいかにMMAに落とし込んだのでしょうか。

「ちょっと話が違うように伝わっているみたいだね。子供の頃、ボクサーだった父に少しだけボクシングを習った……それは確かだ。でも、ボクサーになりたいという気持ちは15歳の時にMMAジムに通い始めて、MMAファイターになりたいという風に心変わりした。最初はキックボクシングのクラスに出ていたんだけど、父は黙って椅子に座って僕がコーチの指導を受けるのを見ていることができなかった。僕の打撃は、そのコーチの方針で色々と矯正されそうになっていたんだ。

結果、たった1カ月でキックでなく柔術を練習することになった。それからは柔術だけを3年間練習したんだ。柔術を始めたことで、僕はMMAファイターへの道を歩むことになった。そして17歳になり、最初にアマチュアの試合に出た時は、ほぼ柔術だけで戦って勝てたよ。

でも僕自身は父に少しボクシングを習い、キックを1カ月やっただけだから、もっと打撃を向上させないといけないって心の底から思った。そして父に『何か、もっと他にやる必要がある。MMAを続けたいから』と伝えたんだ。父は良い練習場所がないか、ヒューストン中を探して回った」

──なるほど、そういうことだったのですね。そして、良い練習場所が見つかったと?

「そうなんだよ。その時に今も所属しているメトロ・ファイトクラブのソウル・ソリツに出会ったんだ。ソウルの打撃の指導は、父の教わってきたことの延長戦上にあった。彼と父もすぐに意気投合し、2人は本当に仲の良い友人になった。そして僕の打撃の指導面でも、しっかりとハマったんだ。

父と続けてジムに通い、ジムにいる間はほとんどコーチが付きっ切りだった。ソウルは今では僕の家族だよ。ソウルが僕をMMAファイターにしてくれた。レスリング、そしてタイで学んだムエタイを教えてくれて、僕のボクシングをクリアーにしてくれた。僕にはパンチだけでなくキックが加わった。ソウルが僕をMMAファイターにしてくれたんだ」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
7月25日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

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