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【WNO10】マキシー・ムスメシが、足関節デモンストレーションでオカシオに圧勝

【写真】オールドスクールのガード、モダン柔術がしっかりしていると足関節ゲームのお手のモノになってしまうか……マイキー、恐るべし (C)MIKE CALIMBAS/WNO

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催された。
Text by Isamu Horiuchi

レビュー第3回は、本格的にノーギグラップリングに挑むようになった競技柔術軽量級ナンバーワンのマキシー・ムスメシが、ジュニー・オカシオ戦で足関節のバリエーションの多さを披露した戦いをお届けしたい。


<ノーギ・バンタム級/15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
Def. 3-0
ジュニー・オカシオ(米国)

この世界では新鋭であるオカシオが32歳で、逆に熟練された競技柔術絶対王者のムスメシはまだ24歳だ。だがノーギグラップリングの世界においては、オカシオがすでにトップの地位を確立しているのに対し、ムスメシは本格転向してからまだ3カ月も経っていない。

シッティングを取ったムスメシは、内側からオカシオの左をたぐりにゆく。ヒールで秒殺した前回のピニェーロ戦に続き、足関節を得意とするノーギグラップラーであるオカシオ相手にも足関節の攻防を挑むつもりのようだ。

対するオカシオも上からムスメシの右足を取りにゆき、両者は足を取り合った。

ムスメシは左に絡んでのベリンボロから足を狙うが、オカシオも距離を取って足をとらせず、逆にムスメシの左足に外掛けで絡んで、さらに右足を取りゆく。

ここでムスメシがオカシオの左足を捉え、ストレートフットロックでカウンター。

実はムスメシは2019年のムンジアル決勝戦において、この技でホドネイ・バルボーザを秒殺したほどの使い手だ。強烈に足を締め付けられたオカシオは、場外に出るまでスピンし続けてブレイクを得た。

再開後、ムスメシは再び座ると今度はオカシオの右足に絡み、外掛けから内ヒールへ。オカシオはまたしてもスピンを続けてのエスケープを余儀なくされ、再び場外ブレイクとなった。

中央に戻ると、またしても座ってオカシオの右足に絡むムスメシ。するとオカシオは、ムスメシの足関節の強さを悟ったか、もはや攻防を挑まず背中を向けて引き抜いた。

その後もムスメシが下から絡んで足を狙い、オカシオがそこから逃れる展開が続く。

ヒール、エスティマロック、デラヒーバフットロック、クロスグリップのフットロック等、ムスメシは多様な足関節を繰り出し、極めることはできないが一方的に攻撃を繰り返していった。

残り40秒。ここまで防戦一方だったオカシオも、逆転を狙って足を狙って倒れ込む。するとムスメシはその左足を流しながら掴み、シットアップして超えてニーオンザベリーへ。

オカシオが下からスクランブルを試みると、すかさず首を取ってアナコンダチョーク一閃。深くロックが入り、上から体重をかけて絞めあげ完全決着かというところで、時間切れとなった。

判定は3-0でムスメシに。ノーギの練習を開始してまだ二ヶ月半ほど。ピニェーロ戦での秒殺劇に続き、今度は足関節を得意とするトップノーギグラップラーのオカシオを多彩かつ強烈無比な足関節の仕掛けで圧倒。最後はわずか数秒でトップから制圧し、次の瞬間には深く極めに入るという、まさに底知れぬ強さを見せつけた。

勝利者インタビューでムスメシは「ジュニーがすごく足関節が上手いことを知っていたから、今日はハイレベルな足関節の攻防を感じてみたかったんだ。またたくさん修正点はあるけど、でもうまく戦えた。でもジュニーのエスケープも素晴らしかったね」と、その恐るべき強さとはあまりにも対照的なソフトな口調と笑顔で語った。

ムスメシの次戦は7月17日(日・現地時間)、Road to ADCCのジオ・マルティネスが気会っている。一回り以上大きく、現役の一流ブレイクダンサーとして強靭かつ柔軟な身体を持ち、極め力も抜群の10th planet柔術軽量級のエースとの一戦が、今から楽しみだ。

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