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【WNO10】マイキー・ムスメシが2大会連続出場。EUG02の衝撃から1週間、ミカ・ガルバォンも

【写真】マイキーの快進撃が始まるか(C)COREY STOKTON/WNO

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催される。レビュー最終回はバンタム級のマイキー・ムスメシ✖ジュニー・オカシオ、ウェルター級のミカエル・ガルバォン✖オリバー・タザという注目の2試合の見所を紹介したい。
Text by Isamu Horiuchi

ムスメシは、言わずと知れた2017年~2019年にムンジアル三連覇を達成し、道着着用の柔術においては誰もが認める軽量級絶対王者だ。今年に入って最後の野望=ADCC制覇に向けてノーギでも本格始動を開始し、5月のWNO 09ではルーカス・ピニェーロ相手にわずか1分半足らず、下から50/50を作っての内ヒールで秒殺勝利している。


3月のマルセロ・コーエン戦(腕を極めて圧勝)後に練習をノーギに切り替えてわずか2カ月にして、その恐るべき対応能力を見せつけたムスメシの対戦相手ジュニー・オカシオは、ミヤオ兄弟の同門でユニティ柔術所属だ。2019年に黒帯を取得すると、Kasai pro 6の予選リーグで今成正和の足関節技を凌いでポジションを奪って8-1で勝利、さらに10thPlanet柔術・軽量級のエース=ジオ・マルチネスとの凌ぎ合いを2-0で制して決勝進出。 決勝こそ先輩のジョアオに惜敗したももの、その実力を知らしめた。

その後も実績を重ねているオカシオは、まぎれもなくノーギグラップリング専門の軽量級トップファイターの一人だ。前回ムスメシが勝利したピニェーロは、超一流選手ではあるものの道着着用柔術をメインとするファイターであり、ヒール等の足関節技に不慣れであったことは否めない。

よって今回のオカシオ戦こそ、怪物ムスメシのノーギグラップリングの技術的洗練度、進化の度合いを図る絶好の機会となりそうだ。

続いてWNO 09(ではアンドリュー・タケットに圧倒的な勝利を挙げ、1週間前のEUG02における道着170パウンド以下級トーナメントにて、世界トップの黒帯たちを相手に驚愕のパフォーマンスを見せたスーパーティーンネイジャー、ミカことミカエル・ガルヴァオンが怒涛の連戦に打って出る。

連戦が可能になり、世界のトップの出場機会が多くなるのが組み技競技の良いところだ。ノーギと道着着用を股にかけて活躍し、現在世界でもっとも熱い注目を集めるグラップラーと呼べるミカの今回の相手は、ジョン・ダナハー門下にしてレバノン出身のカナダ人足関節師、オリバー・タザだ。

タザも先月のWNO 09に出場。奇遇なことに、先日のEUG 2トーナメントの決勝でミカの猛攻を膠着戦法で凌ぎ切って優勝したジョナタ・アウヴェスと対戦している。この試合でタザは一度パスを許してサイドを奪われる場面があったものの、前半に必殺のヒールフックを何度も仕掛け、凌がれたもののサブミッション狙いの数で上回りレフェリー判定勝利を得ている。

ミカがEUG 2のトーナメントにて、トップにおける絶妙のバランスと体捌き、チャンスを逃さない反応速度からの連続攻撃で、超強豪タイナン・ダウプラの強力なガードからのスイープを完封したのは記憶に新しいところ。

驚愕のトップゲームを持つミカが、タザが使いこなす足関節の仕掛けに対してどう対応するのか。同世代のライバルであるルオトロ兄弟が4月のWNO 08で見せた足関節対処法とはまた一味違ったアプローチを、ミカが見せてくれることにも期待したい。

他にメインカードでは、タイの双子の兄弟ケイド・ルオトロと、チンギーニャことマウリシオ・マリアーノの黒帯コール・フランソンの一戦、WNO 08でデイヴィッド・ガルモに完勝したアンドリュー・ウィルツィと、ヴィエイラ兄弟の黒帯カブリエル・アウメイダの試合。

さらには昨年のパン柔術とパンノーギの両方を制したアンドレ・ガルバォンの黒帯ハファエル・ガエデスと、ホイス・グレイシー系の黒帯にしてプロMMAでも2戦2勝の戦績を持つエリン・ハープの女子マッチが組まれている。

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