【Invicta FC PS04】トーナメント優勝はデルボニ。挑戦権を手にして「BBQをたくさん食べたい」
【写真】頭一つ抜けていると思われたデルボニが、前回の世界戦で見えた課題──オープンスコアに則したファイトを展開しトーナメントを制した(C)DAVE MANDEL/INVICTA FC
<アトム級T決勝/5分3R>
ジェシカ・デルボニ(ブラジル)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
リンジー・ヴァンザント(米国)
準決勝を終え、決勝をヴァンザントは「前回の世界戦はジェシカが勝っていたと思っている。だからジェシカにしっかり勝って、タイトル挑戦したい」と語っていたが、事前の予想での本命対決となった。
左ローを蹴ったヴァンザント、デルボニはケージ中央で待ちの姿勢だ。ローを蹴り合い、デルボニが前に出てワンツー、ヴァンザントが迎え撃ってパンチを振るう。ワンツーから右ローを入れたデルボニに対し、ヴァンザントもここまでの2試合と違い非常に慎重に戦う。そんなヴァンザントに対し、デルボニは積極的に前に出てパンチを纏める。さらにケージにヴァンザントを押し込み、エルボーを当てて離れるなど試合をリードする。
ヴァンザントも手数を増してきたが、勢い&精度ともにデルボニが上回っている。ケージを背負ってパンチを被弾する場面が多いヴァンザントは最後のダブルレッグも決まらず、オープンスコアでジャッジ3者が10-9でデルボニにつけた。
2R、打撃の回転数を上げたヴァンザントが、パンチからローを蹴っていく。パンチからシングル、すぐに離れて再び打撃を見せるヴァンザント。デルボニはそれでもジリジリと圧を掛け、左フックからローを蹴る。さらに右フックを入れたデルボニ対し、ヴァンザントが左ローを蹴り、左右に回って右ハイを繰り出す。
その蹴りにワンツーを入れ、そのままワンツー&クリンチでケージにヴァンザントを押し込んだデルボニだったが、自ら離れる。ヴァンザントは右ストレートをヒットさせ、左フックを放つ。続いて前蹴りを繰り出したヴァンザントは、クリンチも押し込み返して離れる。残り1分、左ハイで姿勢を乱し尻もちをついたヴァンザントはすぐに立ち上がる。デルボニはボディ、ロー、そして左フックをヒット。ヴァンザントはダブルレッグを切られ、蹴り足をキャッチされてパンチを被弾したもののジャッジ2人が彼女につけ、トータルで20-18、19-19、19-19と勝負は最後の5分で決することに。
3R、左ミドルを蹴ったヴァンザントは左右に回るが、距離を詰めたデルボニがパンチを纏める。初回のように、そのままケージに詰まってパンチを被弾することはないヴァンザントは左右に回りながら、テイクダウンを狙う。それを切ったデルボニがワンツー、ローから右を放つ。
前のラウンドと違い、強く圧力を掛けるデルボニがワンツー&左ロー。ヴァンザントも右を入れる。さらに右オーバーハンドからテイクダウンを狙ったが、ここもデルボニは対処し逆にワンツーを打ち込む。ローが効かされた感もあるヴァンザントに対し、デルボニはワンツーから左インサイドローで前足を削っていく。
ヴァンザントも右ストレートをヒットしたが、次の手がなくデルボニがコンビでパンチを纏める。関節蹴りを見せて回るヴァンザントをデルボニはしっかりと追いかけて、パンチを纏める。最後の1分でデルボニがパンチからシングル、これを切ったヴァンザントも2度ダブルレッグを仕掛けるがテイクダウンを奪えず。最後の打撃の間合いは、デルボニのモノで試合が終わった直後にケージサイドのアリーシャ・ザッピテーラに、激しい口調で何かをまくし立て勝利を確信しているようだった。
結果3-0でデルボニが勝利し、5月続きタイトル挑戦権を手にした。
「私がリアルチャンプ。3週間前、私は負けた。でも私は自分が勝っていたことを知っている。今日、3人の選手に勝つことでそれを証明できた。とてもハッピー、コーチに感謝しているし、練習仲間の皆に感謝している。リンジーのことを本当に尊敬している。リンジーは柔術もムエタイをできて、ホント大変な相手だった。ブラジルに戻って、今は休みたい。BBQをたくさん食べたいわ(笑)。前回のことがあるから、今日はパンチを打ち続けた」と話したデルボニは、ケージに上がったザッピテーラに「しっかり練習して。たくさん喋るのは良くない」と伝えた。
そして両者はケージ中央でフェイスオフも、その前に笑顔を浮かべる友好的なものだった。