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【UFC ESPN23】日本所縁のハワイアンMMA一族出身、カイ・カマカ3世「修斗ととても身近だった」

【写真】ハワイアン・ロコ・スタイルのカイ・カマカ3世。現在UFCでは1勝1敗、新しい環境で2勝目を得ることができるか(C)UFC

1日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN23「Reyes vs Prochazka」で、カイ・カマカ3世がTJ・ブラウンと対戦する。

Bellatorハワイ大会からLFAを経て、UFCデビューを果たした彼は日本所縁のハワイアンMMAファミリーの一員だ。


──カイのお父さん、カイ・カマカJrは元MMAファイターで、ハワイでプロ修斗公式戦を組んでいたウォリアーズ・クエストのプロモーターだった。そしてお父さんのお姉さんの旦那さんがロナルド・ジューン。別のお姉さんはレイ・クーパーと結婚していて、2人の息子がレイ・ブラダボーイ・クーパー3世という認識で良いでしょうか。

「その通りだよ。凄く知っているんだね」

──まだカイが4、5~7歳ぐらいまでハワイのMMAを頻繁に取材し、ワイパフの高校のレスリングマットを使用していたジーザス・イズ・ロード(JIL)ジムの練習をカバーしたこともあります。

ZoomインタビューでBJ・ペン流のポーズを取ってくれた

「ワォ!! 僕が物心がついた時から、あのマットでボクシングやレスリングをするようになった場所だよ」

──その後JILジムは808ファイトファクトリーと2派に別れ、カイのお父さんやロン・ジューンは後者で、レイや従弟のボーゾー・パーリングは前者の所属になっていました。

「808ファイトファクトリーはそれから暫らくして活動を辞め、JILジムは売却されたから、2つのジムともなくなってしまったんだ。でもウォリアーズ・クエスト、ランブル・オン・ロックを見て育った僕がMMAファイターを目指すようになったのは当たり前のことだった。そして去年の11月までアンクル・レイのガレージで練習をしていたよ」

──ただしお父さんや叔父さんの世代はMMAだけ食べることはできず、他の仕事をしていたと思います。彼らはMMAファイターになることに反対しなかったですか。

「皆、とにかく大学に進学するようという方針だったよ。ただファイトだけするのではなくてという感じで。僕はレスリングでカレッジに進学して、卒業直後からプロの試合に出るようになったんだ。

この間にMMAは変わり、父たちの頃とは違いフルタイムで向き合えるモノになった。そしてアンクル・レイのガレージでは3年間練習した。あとはマックス・ホロウェイのキャンプに参加させてもらったりもしていたよ」

──そして今はラスベガスのエクストリーム・クートゥアーの所属になりました。

「UFCで戦うことになり、より近い位置に身を置きたいと思いベガスに引っ越してきた。ハワイはまだコロナ対策で色々と不便なことは多いけど、練習に関してはこれまで通りにできるようになっていた。でも、ベガスだとUFCファイターはUFC PIが使用できるし、ホントにいつでもUFCに出場できる状態にしておこうと思ってこっちに来たんだよ」

──ベガスに移って初めての試合、TJ・ブラウン戦が土曜日に控えています。ブラウンの印象を教えてください。

「前に出て戦うレスラーであり、ボクサーだよね。でもコーチやチームメイトの声を聞いて戦えば問題ないよ」

──ブラウンはスイッチヒッターですが、オーソの相手と戦う時はサウスポーに構えることが多いです。

「願ったり叶ったりだよ。僕のメイントレーニング・パートナーはサウスポーだから、本来はサウスポー対策って大変なんだけど、どちらかといえばそっちの方が戦いやすいんだ」

──カーフでダメージを受けることがブラウンはありました。

「それはTJ・ブラウンだけでなくて、皆がそうだよ。そこも踏まえて全局面で準備をしてきたよ」

──ところで今、カイも含めハワイ出身の若い選手が北米MMA界では存在感を増しています。

「きっとね、ハワイアンは生まれながらタフで、コーチに教わっても身につけることができないモノを持っていると思う。どれだけ一生懸命に練習しても、手に入らない何かを僕らは持っているんだ」

──その1人である従弟のブラダボーイがPFLで100万ドルを素手に獲得しています。

「やる気が出るよ。そりゃお金は欲しいけど、ブラダボーイが凄くアグレッシブな僕らのスタイルで活躍できていることで、俄然やる気になれる。一緒に練習してきたし、ブラダボーイがデカゴンで表現していることは、僕もできなわけがないってモチベーションになっているよ。

同時に僕はUFCで戦っていることを誇りに思っている。MMAファイターなら誰だってUFCで戦いたいはずだ。朝、目が覚めて『UFCファイターになりたい』と思って皆、ハードな練習に向かっていく。そんなプロモーションはUFCだけだろう? 他のプロモ―ションにはあり得ないこと。だからUFCで戦えることのプライドを持っているけど、そのためにもここで戦い続けないといけない」

──激しい生き残り合戦で勝ちあがるために、土曜日はどのような試合をしたいと思っていますか。

「これまで通り、激しい試合をする。でも、その中身は別物だ。新しい練習環境、コーチ、練習仲間を得て僕は生まれ変わった。これまでの試合の僕と、次の試合の僕は別人だよ。TJ・ブラウンがあのままだと思っているようだと、大変な目に合うよ。けれどもファンに喜んでもらえる試合をするという点に変わりはないから」

──ハワイは日本人に身近な場所です。そのハワイの選手たち、カイや皆の活躍が楽しみです。

「ありがとう。最初に言ってもらったように僕のファミリーは日本ととても身近だった。いや、日本の修斗とね。アンクル・レイもアンクル・ロンも修斗で試合をした。父と叔母のモニカ(レイ・クーパー夫人)は修斗ハワイをプロモートしていた。

修斗って僕のなかで大きな存在だったんだ。アンクル・レイは修斗でジェイク・シールズやエルミス・フランカと戦っているしね。僕の家族にとってもそうだし、MMAの歴史のなかで日本は大きな存在だよ。僕はそんな日本に感謝しているし、アジアを代表して戦うという気持ちでいる。だから日本のファンも僕をサポートしてくれると嬉しいよ」

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