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【UFC259】チーム・アルファメール在住ソン・ヤードン「ユライアのパッションを感じられるだけで──」

【写真】計量時のソン・ヤードン。下にあるZOOMインタビュー時の輪郭と比較すると、相当にハードな減量を行っていることが伺える (C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC259「Blachowicz vs Adesanya」でソン・ヤードンが、カイラ―・フィリップスと対戦する。

オクタゴン6勝目(※1分0敗)を目指す──躍進、中国MMAパワーを象徴する23歳のファイターに、アルファメールの現状とともに今回の試合への意気込みを尋ねた。


──土曜日の夜にカイラ―・フィリップスと対戦します。今の調子はいかがですか。

「凄く調子は良いよ。なんたって10カ月も練習を続けてきたんだから」

──昨年5月にアジア人ファイターとしては、コロナ・パンデミック以降真っ先に試合が組まれたソン選手ですが、そこから試合間隔が空いてしまいました。

「他の試合のオファーもあったけど、相手のケガで試合が実現しなくて。発表される前の試合だったし、結果的にこうやって10カ月も試合の機会が巡ってくるのを待たないといけなくなってしまったんだよ。

COVID19は世界中の全ての人々に影響を及ぼした。MMAでも、この機会にチャンスを得た選手もいるし、失くした選手もいる。でもUFCはこの困難な状況で本当に素晴らしい仕事を成し遂げたと思っている。だから試合がなかったことに関してストレスは感じていたけど、そこは理解しないといけないって分かっていたよ」

──ところでソン選手の母国、中国から新型コロナウィルスが発生しましたがサクラメントにいてご家族など心配ではなかったですか。

「そうだね、現実問題として中国に帰国すると長期間の隔離措置をとる必要があって僕は家族にはずっと会っていないんだ。そしてサクラメントでトレーニングに集中してきた。でも今では中国は最もコロナウィルスを抑え込んだ国だし、家族のことは心配していないよ」

──反対と言えば母国にいればより安全なのですが、50万人が命を落とした米国で濃厚接触のMMAのトレーニングを続けているわけですね。

「その通りだね(笑)。もし感染するようなことがあれば、僕の世代はそれほど重症化する恐れはないけど、医療費がどれだけ掛かってしまうのかっていう点は本当に心配だよ。僕の友人でも感染した者もいるしね。でも、予防対策をしながらトレーニングするしかない。それにサクラメントにいる中国人ファミリーが、凄く僕を助けてくれているから。何かあっても、僕は大丈夫だよ」

──ところで私たちも把握できないほど、チーム・アルファメールは出入りの激しい状況になっていますね。

「確かにチームを離れた選手がいるけど、僕にとってアルファメールは最高のチームだよ。重量級の選手はいないけど、これだけ自分のウェイトのファイターが揃っているジムは他にないからね。

それにさ、ファイターもそれぞれの生活がある。結婚したらまた状況も変わって来るし、しょうがないからチームを離れるしかない選手もいるしね。僕も人の出入りは本当に多くみてきた。人は一つの場所に一生いるってことはないだろうし。でも、僕にとっては最高のチームなんだ。

ユライアは海外からやってきた選手に対し、全く何の偏見も持たず公平に接してくれる。それに42歳になっているのに、今も毎日練習を続けているんだ。ユライアのパッションを間近で感じられるだけで、僕も頑張ることができる。本当にユライアだけでなく、他のコーチとの関係も家族のようなんだよ」

──ではカイラ―・フィリップスの印象を教えてください。

「髪の毛が多い(笑)。カラテ・スタイルのような打撃を使うよね。でも柔術も上手い。全ての局面において、良いファイターだと思うよ」

──テイクダウンをどれだけ防ぐことができるのかが、カギを握ってきそうです。

「実は以前にヒザのケガをして、レスリングのトレーニングはそれほど行えない時期があったんだ。でも、この2年間は徹底してレスリングの練習をしてきたから、そこは自信を持っているよ」

──同じ夜にバンタム級タイトル戦があります。勝利予想をしてもらえますか。

「アルジャメインが勝つと思う。グラップリング能力で、大きくピョートル・ヤンを上回っているからね。良い試合になると思うけど、アルジャメインがチャンピオンになるよ」

──群雄割拠、激しい生き残り合戦が繰り広げられているUFCバンタム級戦線ですが、現状でのソン選手のターゲットを教えてください。

「決して大きなゴールではないけど、今年中にトップ10になりたい」

──トップ10、トップ5の間違いじゃないですか。

「でも、君の言う通りUFCバンタム級は本当にコンペティティブだから。直近のゴールをトップ10に定めているんだ。もちろん、そこからトップ5を目指したいよ。でも、一歩一歩時間をかけてステップアップしていこうと思う」

──すでに中国人女子選手はジャン・ウェイリのように世界の頂点に立ったファイターがいます。ソン選手は成長著しい中国MMA界にあって、自分の果たすべき役割をどのように捉えていますか。

「まだ全てにおいて始まったばかりだよ。技術的にもまだまだ成長させないといけない。7年間戦ってきたけど、自分自身ではまだキャリアの長いニューファイターだと思っているよ(笑)」

──今日はインタビューを受けていただきありがとうございました。

「こちらこそ、ありがとう。僕はこれまで2度、日本に行ったことがあって。東京と横浜を尋ねて、本当に日本のことが好きなんだ。だから日本ファンにも今週末、僕の試合を楽しみにしてほしい」

■視聴方法(予定)
3月7日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOライブ

■UFC259対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ヤン・ブラボヴィッチ(ポーランド)
[挑戦者]イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)

<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アマンダ・ヌネス(米国)
[挑戦者]ミーガン・アンダーソン(豪州)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ピョートル・ヤン(ロシア)
[挑戦者]アルジャメイン・ステーリング(米国)

<ライト級/5分3R>
イスラム・マカチェフ(米国)
ドリュー・ドパー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
チアゴ・マヘタ(ブラジル)
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)

<バンタム級/5分3R>
ドミニク・クルーズ(米国)
ケイシー・ケニー(米国)

<バンタム級/5分3R>
カイラー・フィリップス(米国)
ソン・ヤードン(中国)

<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス(米国)
アスカル・アスカロフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
カイ・カラフランス(ニュージーランド)
ホジェリオ・ボントリン(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(米国)
ジョーダン・エスピノーサ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ブレイディ(米国)
ジェイク・マシューズ(豪州)

<女子ストロー級/5分3R>
リヴィア・ヘナタ・ソーサ(ブラジル)
アマンダ・レモス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ウロス・メディッチ(セルビア)
アーロン・クルーズ(米国)

<バンタム級/5分3R>
トレヴィン・ジョーンズ(グアム)
マリオ・バウティスタ(米国)

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