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【Unrivaled00】「スイープで終わりでなく、スイープから先がある」寒河江寿泰が見た──アンライバルド

【写真】下で戦えるグラップラーとして、セコンドを務めていた寒河江に話を訊いた (C)MMAPLANET

27日(日)に東京都大田区のゴールドジム・サウス東京ANEXで開催されるUNRIVALED00が開催された。

ここでは同門の出場選手のセコンドについていて寒河江寿泰のアンライバルドを見ての印象を尋ねた。

今成柔術茶帯にして、ノーギのオンリー・サブやコンバット柔術にも挑む──下を選択できる──彼の目に、スイープ・ポイント無しはどのように映ったのか。


──柔術家、そしてノーポイント&サブオンリーばかりかコンバット柔術にもチャレンジした寒河江選手は、アンライバルドのスイープに得点がないことをどのように思われましたか。

「ガードから、シングルレッグとかノーギでも良く見られるように、立ちが出来ない選手はスイープの有無はかなり大きな要素だと思います。試合を見ていて、あった方が良いのかと。

スイープしたところから上を取ってパスという攻防も柔術家ならできるでしょうし。スイープで終わりでなく、スイープから先があるので。今日の試合だと、テイクダウンが強くて上を取るとそこで固めるケースもありましたし」

──スイープはスイープのポイントのみならず、そこからの攻防に繋がってくると。

「そうですね。柔術、グラップリングをやっているとヒザが悪くなって、敢えて立ちを捨てている選手もいなくはないですし。そういう選手もスイープでポイントが取れるようであれば、もうちょっと組み立て方もあると思います。

あと、ガードからリフトされてブレイクになると……今日だとグラント(ボクタノフ)の試合でもそうでしたが、ラバーガードとか体の柔らかい選手が下から作った時に、そこから極められるポジションでもブレイクが掛かってしまう。これは作っている方としては、勿体ないですよね」

──柔術的な思考でいえば、ルールや審判に助けてもらうのではなくて自分でエスケープするということですね。

「自分の力で切り抜けないと。立ってブレイクだと、レスラーは強いですよね」

──個人的にも総合的なグラップリングであれば、柔術の技術が生かせるルールを求めたくなります。

「それもあるのですが、同時に立ち技に特化しているのは、ADCCとか出るならそういう練習は絶対にしないといけないですし、レスリングや柔道、MMAの人が出場しやすいルールがあるのも良いと思います」

アンライバルド第1回大会を終えて、強く印象に残っているのは、下になって立ち上がってもまたテイクダウンされるという理由でスタンドに戻らなかった選手がいたことだ。

それはテイクダウンをした選手が、寝技勝負をしないからこそ生まれる事象ともいえる。引き込みがマイナスであれば、寝技でトップの選手が自らスタンドに戻るのも、総合的なグラップリングを考えると、マイナスなのではないだろうか。

アンライバルドはまだ動き始めたばかり。アンライバルド=比肩するモノがないグラップリングの確立に向けて、色々な意見がでる試みを暫らくは続けてほしい。方向性がないところから生まれる真実は──きっと、方向性を定めて行う試みから生まれるモノとは違う何かを生み出すに違いない。アンライバルドの実験結果により、どのような組み技競技が確立していくのか非常に楽しみだ。

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