【Bellator254】初め猛攻、中ガスアウト。最後は魂の殴り合いで、ニカエフがラチノフから逃げ切り勝利
<ウェルター級/5分3R>
シャミル・ニカエフ(ロシア)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ケムラン・ラチノフ(米国)
左ジャブから距離を詰めるラチノフに対し、ニカエフは右に回りつつワンツー、シングルレッグで大きく持ち上げてスラムを決める。すぐにスクランブルから立ち上がったラチノフが、ケージにニカエフに押し込むも、体を入れ替えられヒザを出し合う。カンヌキからベリートゥベリーを狙ったラチノフは、下になりバックを許す。
後方から殴るニカエフは、ラチノフのビクトル投げからの足関節を防いで再びスクランブル。ニカエフがケージにラチノフを押し込み、またも大きくスラムでテイクダウンを奪う。ついには背中をマットにつけてハーフガードを取ったラチノフは、やや疲れが見えるか。ニカエフはボディと顔面に左のパンチを落とし、パスからマウントへ。ラチノフは背中を見せて立ち上る。前転から足は取れずハーフガードを取るラチノフを殴ったニカエフが初回をリードした。
2R、大きなフックの打ち合いで笑顔を見せたニカエフが、一気にダブルレッグでテイクダウンを決める。何から言葉を発するラチノフは、左額をカットしている。上のニカエフも疲れた感があるなか、足を一本抜くもラチノフがフルガードに戻す。ラチノフはバックを譲って立ち上がり、スイッチ狙いからニカエフをケージに押し込んでいく。
腰に乗せて投げを決めたニカエフがトップを再度奪取する。残り40秒で立ち上がり、ラチノフは右アッパーからダブルレッグ。切ったニカエフは右を入れ、消耗戦は最終回へ。
3R、ローからオーバーハンドを振るラチノフ。ジャブを当てるニカエフが右ストレートを決める。ジャブを打ち合い、ラチノフをローを入れてニカエフのテイクダウン狙いを2度に渡り切る。動きが落ちたのはニカエフで、ラチノフが左ボディアッパーから左フックを当てる。ケージにつまりノーガードのヘッドムーブでパンチをかわそうとするニカエフは、エルボーを受けるが、ケージ中央に押し返し足を止めての打ち合いへ。
ここでニカエフはダブルレッグも勢いがなく、ボクシングでラチノフが優勢に。またもケージを背負って、ノーガードの殴り合いに応じたニカエフ。ついにはラチノフも攻め疲れで姿勢を乱してしまう。残り1分、ケージ中央での殴り合いは続き、ラチノフが組んでケージにニカエフを押し込む。ここから離れ、最後の20秒でまたも殴り合いを続けた両者、魂の殴り合い、ヘッドムーブでかわすニカエフ──タイムアップと共に揃って満面の笑みを浮かべた。
「もしヤツが勝つようなら、それは何かの間違いだ。あの様子を見てみろ」と、椅子に座ってぐったりとしているニカエフを見やるラチノフ。しかし、結果は1&2Rを取ったニカエフに凱歌が挙がった。