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【EMC05】ケージに押し込み、テイクダウンも決めた石井慧だが、オースチンに判定負けでベルトを巻けず

<EMCヘビー級王座決定戦/5分5R>
スチュアート・オースチン(英国)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47
石井慧(クロアチア)

右の蹴りを見せたオースチン。シングルでケージに押し込んだ石井の手首を、オースチンが掴んでテイクダウンを防ぐ。左腕を差した石井が体落とし気味にテイクダウンを狙う。姿勢を乱しながら耐えたオースチンに対し、一旦離れた石井がすぐに組んでいく。オースチンは首相撲&ヒザ蹴りを繰り出し、石井はなかなかテイクダウンを決めることができない。

残り2分を切り、オースチンは再び首相撲に取りボディにヒザを2発見せる。石井は離れ左からシングルレッグでテイクダウン。すぐに立ち上がったオースチンのバックに回った石井は、胸を合わされケージに押し込む。残り10秒で離れた石井は左ストレート、互いに有効打はなく時間となった。

2R、左ローからワンツー、シングルに入った石井はバックを伺いつつ、再度パンチを見せてから組みつく。ダブルレッグでオースチンをケージに押し込んだ石井は、大内刈りでテイクダウンに成功する。オースチンはハーフバタフライを取り、蹴り上げを狙ったところで石井はボディロックからバックに回る。クラッチを剥がして胸を合わせたオースチンに対し、石井が支えり込み足。バランスを崩したオースチンは、ヒザをついて立ち上がる。そのままケージに押し込んだ石井はウィザーのオースチンに対し、ヒザをボディに入れる。

首相撲にはダブルレッグ、頭をあげると大内を見せた石井が離れる。オースチンの前蹴りに左オーバーハンドを見せた石井がダブルレッグでケージにオースチンを押し込み、抱え上げるとケージ中央にテイクダウンを決める。パスからサイドで抑える石井は、シングルをパンチで潰しハーフに戻された瞬間に肩固めを仕掛けるなど、この回は明確に取った。

3R、左ロー、左オーバーハンドを見せてから組もうとした石井だが、オースチンが右に回ってかわす。直後に左を振るって組んだ石井がケージにオースチンを押し込む。背中を殴るオースチンは、テイクダウンこそ耐えるが不利な姿勢が続く。そのオースチンが首相撲に取ると、石井はヒザを受ける前に右フックを当てて、ここから胸を合わせる。

レフェリーに攻めるよう指示を受け、ダブルに移行した石井。ここは決まらず、オースチンがヒザ、アッパー、右エルボーを打っていく。左腕を差しダブルに移行した石井だが、なかなかテイクダウンを決めることができない。ヒザを蹴り合い、押し込み続けた石井は右エルボーを打たれ、初めてテイクダウンのない5分となった。

4R、ケージ中央を取ったオースチンが右前蹴り。と自分から組んでいき、すぐに石井にケージに押し込まれる。大外を耐えたオースチンだが、これはミスチョイスだろう。石井は再び大外刈り、ケージを背にして倒れないオースチンをボディロックに取る。石井は左フック、ヒザ蹴りを見せるが、ダブルは決まらない。

残り90秒、石井は押し込んでから、試合前に言っていたようにダーティーボクシングを見せることはできない。ついにレフェリーがブレイクを命じ、オースチンが跳びヒザを狙う。かわした石井に対し、圧力をかけ右のフェイクに反応させたオースチンは、結局ここからは右の蹴りを一つ見せるにとどまった。

最終回、オースチンが左を伸ばし、叩いた石井はシングルレッグから軸足を払ってテイクダウンを決める。ケージを使って立ち上がったオースチンにダブルレッグを仕掛け、背中を殴れるというここまでと同じ流れで時間が過ぎる。太腿の後ろでクラッチを組みに行った石井に対し、腰を落とし耐えたオースチンはシングルレッグ&足払いでもう一度テイクダウンを取られるも即スタンドに戻る。

ほぼ石井がオースチンをケージに押し込んだ状態が続いた試合は、残り30秒に。左差しから逃れることができなオースチンが、ダブルの仕掛けに背中を殴り、ヒザをつけてのテイクダウン狙いを自らもヒザをついて防いだところで試合終了を迎えた。

ジャッジの裁定はオースチンに……。あ然とする石井の横から、ベルトを持ったミルコ・クロコップが現われオースチンに手渡す。押し込むだけでは十分ではないと言われると──それまでだが、押し込まれているよりは自分の攻めを見せたことにならないのか。コントロールしていたのは石井だが、ジャッジは打撃が少ないという評価を下した。

効果的という部分でも、オースチンの打撃よりも石井のテイクダウン・アテンプトと思われたが、いずれにせよ石井はステップアップとするファイトでベルトを巻き損ねてしまった事実は変わりない。


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