【iSMOS01】北岡悟と対戦、小金翔「自分を変えたい、人生を変えたいというタイミングで」
【写真】取材は27日、iSMOS出場選手のPCR検査があった都内・某所で行われた(C)MMAPLANET
31日(金)に横浜市中区のパンクラスイズム横浜で行われるiSMOS01で北岡悟と対戦する小金翔。
PXCからREAL、そしてZSTでライト級チャンピオンとなった小金の目標はRIZIN出場だ。そのために戦い、模索してきた彼に北岡戦のオファーが届いた。
小金世代の選手にとって、北岡悟という存在は余りにも大きい。そんな相手を戦うことに関して、小金は「自分との戦いでもある」と言った。
──PCR検査を終えて、今どのような気分ですか。
「こうやって検査しているんだなって。勉強になりました」
──現状、濃厚接触者であるか症状らしきものがある人でしか、なかなかPCR検査を受けられないなか、試合に向けて新型コロナウィルスへの恐れというものはありましたか。
「完全にシャットアウトはできないのでしょうが、自分ができることはやっていました。仕事と練習以外は移動することなく。無症状がコロナの特徴ですし、練習仲間がなっていることもあります。でも……これを恐れて練習しないとうわけにはいかないですしね」
──オファーは緊急事態宣言中だったと思いますが、このオファーを受けた時はどのような気持ちでしたか。
「ビックリしました。自粛期間で僕もほとんど練習はしていなかったので。でも緊急事態宣言が5月いっぱいで終わりそうでしたし、試合は7月の終わりだから6月、7月と準備ができるなら戦えるなと思いました。
3月のZSTで試合がなくなり、次はどこで試合をやるのかというのは考えていなかったですが、8月のZSTが有力候補で他から何かあるか待っている状態でした」
──PXCからREALに出場し、そこからZSTを選択して3年間戦い続けてきました。PXC参戦前にインタビューをさせてもらったことがあったのですが、この選択も意外でした。
「PXCのあとでREALに出ていた時に大会が行われなくなり、ZSTから高橋弘選手という強い選手とのオファーを貰いました。遣り甲斐があるので戦うことを決めたのですが、目を負傷して半年ほど戦えなくて。それでもZSTが高橋さんとの試合を組んでくれたんです。
その間、RIZINが盛り上がってきて……2017年の大晦日に観戦して、RIZINに出たいと思うようになりました。でもRIZINに出るにはベルトが必要だと感じ、一番近い環境にいたZSTで戦っていくことにしたんです」
──2018年10月にZSTのチャンピオンになりましたが、昨年はRIZIN出場を果たせなかったです。
「去年はまだRIZINはDEEPの選手が出るという感じが強かったので、葛藤はありました。自分もDEEPに出ようかとも考えましたし。ただ、昨年は親父を亡くして……そのことがあったので後半は試合ができる状況ではなく。そうしている間にZSTの体制が変わり、柳(武見)代表から『ZSTを良くしたい。良いイベントにしていくので試合をしてほしい』と言ってもらい、そこは頑張りたいと思いました。
なので今年はDEEPとZSTで戦う気持ちあり、ここで実績を積んでRIZINで戦えるようにしていこうかと考えていて。3月はDEEPとZSTの大会があり、新体制のZSTに出ることを決めました。そうしたらコロナの影響でMMAの試合は中止になってしまったというのが、この試合が決まるまでの流れです」
──北岡選手の申し出は渡りに船だったのですね。
「ハイ。DEEPに出たら、そういうこともあるのかと思っていたのですが、それもRIZINに出ることができて……かつ誰かに勝つことが先だと考えていました」
──この間、ZSTで8連勝。それ以前との違い、どこが一番成長したと感じていますか。
「今、GENで練習させてもらっていてボクシングのトレーナーにパンチを教わり、皆にもレスリングやグラップリングを教わってきました。それまでは根性……気持ちでやってきていたのが(苦笑)、ちゃんと考えて戦うようになりました。
これまでの自分の知識ではそれができていなかったのですが、試合には色々な駆け引きがあることが分かりました」
──北岡戦に関して、自信のほどは?
「この間にタイトルを取るという経験もしましたし、オヤジが亡くなったことで色々と考えて、精神的に強くなれたと思います。以前は弱い自分が出てきていたはずですけど、今はチャレンジしたいという気持ちの方が強いです。自分を変えたい、人生を変えたいというタイミングで北岡選手からのオファーがあったので、そこをぶつけたいです」
──5分3Rのケージ戦というのは、過去3年なかったことですが。
「そうですね……ケージかリングというより、パンクラスイズム横浜のケージなので……。第3者という場でないから、北岡さんが普段から練習している場所で戦うことの方がケージやリングという問題より大きいと思っています。何があっても北岡さんは慣れているし。
でも、そこを気にしているとこの試合は成立しなかったです。それに僕も2、3回練習をさせてもらっているので大丈夫です」
──ケージの小ささは気にならないですか。
「ハイ。小さいですね(笑)。でも、それも言い出すとキリがないので。とにかく、この状況で戦う。それはオファーを貰った段階で分かっていたことなので、気にしてもしょうがないです。それに小ささに関しては、そこを踏まえて練習してきました」
──では、この試合で見せたい小金翔とは?
「北岡さんとの戦いなんですけど、自分との戦いでもあります。昔の自分だったら、北岡さんと戦うだけで心理的に怖気づいていたかと思います。でも、そこが一番格闘技に於いて一番大切なことで。メンタルをコントロールできないと動きもコントロールできない。練習通り動けること、それを試合で示したいです」
──当然、北岡越えはRIZINレーダーに掛る要素になるかと思われます。
「もちろん、そこは意識しています。勝てば可能性は広がるかと思いますが、とにかく試合に勝ってからのことです。なので、そういうことは考えないようにしています」