【LFA84】活動再開第1弾の注目株は、佐藤天のチームメイト=抜群のテイクダウン能力を持つタイラー・レイ
【写真】レスリング主体で打撃の完成度が上がっている、いわば北米MMAの王道スタイルの持ち主といえるタイラー・レイだ(C)LFA
10日(金・現地時間)、サウスダコタ州スーフォールズのサンフォード・ペンタゴンでLFA84「Gonzales vs Childers」が開催される。北米ナンバーワン・フィーダーショーは今大会から4週連続で、同地でのイベントを行うことになる。
活動再開のメインはLFAフェザー級王座決定戦=ジャスティン・ゴンザレス✖ジェイク・チルダースの一戦で、元UFCファイターのボストン・サルモンがショーン・ウェストを相手に再起戦を行う150ポンド契約マッチが組まれている。
ここではLFAのエド・ソアレス代表がインタビューで名前を挙げたタイラー・レイに注目したい。
キャリア6勝1敗、佐藤天と同じサンフォードMMA所属のレイは力強いテイクダウンからコントロール&パウンドに長けたファイターだ。佐藤をして「打撃がないと僕は勝てない。テイクダウンならサンフォードMMAでも4番目に強い」と言わしめるレイはアイスホッケーに夢中になっている時に、クロストレーニングのために訪れたジムが偶然にリッチ・フランクリンも練習するジョージ・グーゲルのMMAジムだった。
MMAに魅せられた彼はマウント・セントジョセフ大学に進学しレスリング部で活躍後、プロMMAの道へ。そして、ラスベガスで開かれていたブラジリアン柔術トーナメントに出場した際に、当時TUFの収録で現地にいたタイロン・スポーンと知り合い、ブラックジリアンズで練習するようになる。
その流れでレイは、現在ヘンリー・フーフト率いるサンフォードMMA所属ファイターとなっている。上記にあるようにテイクダウンが抜群に強いが、その背景には右手が前でも左足が前でも、テイクダウンに入れるレスリングのスイッチ・ヒッターということがある。打撃のオーソつまりは、レスリングのサウスポーで素早く懐に飛び込み、ワンツーの流れで右足が前の構えから一気に組みつくことができる。組んだ後の崩し方も多彩なレイは、カレッジレスリング出身らしくワンフックで背中を制して、ゲイブル・グリップ系のRNCを仕掛けるのが勝利方程式といえる。
スクランブルに来ない相手に対しては、トップからのエルボーで相手を失神させるなど、現状の対戦相手には抜群のポスチャーの強さを見せつけており、ソアレスが期待するのも頷ける資質の持ち主だ。
今回の対戦相手マイコン・メンドーサはブラジル人ストライカーに多い、ややラフでパワフルなムエタイファイターだ。フーフトに師事する以前は、胸が開き気味でフック主体だったレイは自らのパンチを当てる時に、パンチを被弾しがちなレスラー&ボクシングというスタイルだった。それも今でも左ジャブで相手を突き放して、ジャブからテイクダウン、右ストレートにつなげてからテイクダウンという風に相手の攻撃を受けない打撃を身につけつつある。
利き腕がどちらか分からないほど、左リードフックにも威力を持つタイラー・レイ、前王者ジェイソン・ジャクソンがBellatorに転じ返上したLFAウェルター級王座に最も近い1人といえるファイターだ。
■ LFA84対戦カード
<LFAフェザー級王座決定戦/5分5R>
ジャスティン・ゴンザレス(米国)
ジェイク・チルダース(米国)
<ウェルター級/5分3R>
カシアス・ケイン(米国)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)
<150ポンド契約/5分3R>
ショーン・ウェスト(米国)
ボストン・サルモン(米国)
<フェザー級/5分3R>
カムエラ・カーク(米国)
ブルーノ・ソウサ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
マイコン・メンドーサ(ブラジル)
タイラー・レイ(米国)
<ライト級/5分3R>
ベン・ルゴ(米国)
ナタン・ルヴィ(イスラエル)
<140ポンド契約/5分3R>
キャメロン・ジョーダン(米国)
クリスチャン・ロドリゲス(米国)