【WEC46】日本人唯一の勝ち越しを賭けて、田村彰敏
10日(日・現地時間)、サクラメントのARCOアリーナで開催されるWEC46「Varner vs Henderson」に日本から田村彰敏が参戦する。
【写真】バンタム級で世界を目指す田村彰敏。WEC戦績で勝ち越している日本人ファイターが一人もいないため、ここは日本代表としても期待される (C) ZUFFA
一昨年12月のWECデビュー戦はフェザー級でヴァグネイ・ファビアーノに肩固めで一本負け、4月にバンタム級に転向し世界挑戦経験もあるマニー・タピアを破っている田村。10月にダマッシオ・ペイジと3戦目を戦う予定だったが、負傷欠場。9カ月ぶりの実戦、今後のキャリアを考えると非常に大切な3戦目の相手はチャーリー・バレンシアだ。
WEC戦績4勝3敗のバレンシア、彼を破ったブライアン・ボーウェルズは現バンタム級王者で、前田吉朗は一昨年6月に世界王座に挑戦、そしてドミニク・クルーズは今年の3月にボーウェルズにチャレンジすることが決定しているタイトル・コンテンダーばかり。
バンタム級転向に際し、ダイエットではなく佐々木豊トレーナーの下、体脂肪コントロール(=FATOFF)で肉体改善に成功し、ストレスなく階級を下げることに成功した田村。フィジカルでディスアドバンテージはなく、テイクダウンをしっかりと防御できれば、総合力でバレンシアを上回っているはず。
田村に土をつけたファビアーノ、TUFシーズン8ベスト4のジョージ・ループら今大会からバンタム級に転向しており、彼らの試合を含め、アンダーカードだけでも4試合も同階級の試合が組まれている。いわばリトマス試験紙のような立場のバレンシアを相手に、最もインパクトの強い勝利を挙げることができれば、タイトル挑戦が近づくという見方もできる。逆にバレンシアに敗れることがあれば、その夢は大きく遠ざかる田村にとって本当に大切な試合となる。
また、メインカードでは世界戦、ユライアのカムバック戦以外にも、11月に王座を失って以来、僅か2カ月でのケージ復帰となるマイク・ブラウンやファビアーノを下したマッケンズ・シマージャーにも注目したい。
ブラウンの対戦相手アンソニー・モリソンは、これがWEC初陣。ニュージャージーやヴァージニアのローカルプロモーションを主戦場にライト級で戦っていたモリソンは、ジム・ミラーやミカ・ミラーというメジャー経験者に敗れており、前王者が相手では正直荷の重いデビューとなりそうだ。
ただ、モリソンは昨年12月にコロラド州デンバーのリングオブファイアーで、ドウェイン・ラドウィックやドナルド・セラーニらと共に将来を嘱望された元UFCファイターのアルビン・ロビンソンを下しており、長いリーチを武器にパウンドやスタンドの一撃でアップセットを起こす可能性がないわけでもない。が、ここはブラウンの派手な復活劇が期待されるカードといえるだろう。
【写真】シマージャーもファイト内容次第では、グッと王座挑戦が近づく、重要なタウロセビュチス戦となる (C) ZUFFA
元湾岸警備隊のシマージャーは、ブラジリアン柔術の強豪、あのノヴァウニオンのファビアーノを三角絞めで破るという大金星を挙げ、一気に注目を集める様になったキャリア5戦のファイターだ(5勝、4つの一本勝ちと1つのTKO勝ち)。対するデヴィダス・タウロセビュチスは、リトアニア出身のストライカーだが、IFLではヘンゾ・グレイシー門下として出場、バート・パラジェンスキーやサバント・ヤングらを下している。
WECデビュー戦でハビエル・バスケスを判定で破ったデヴィダス・タウロセビュチスと対戦するシマージャー、マリーン時代に磨いた打撃技術が確認できるファイトになりそうだ。
◆WEC46対戦予定カード
<WEC世界ライト級王座統一戦/5分5R>
ジェイミー・バーナー(米国)
ベン・ヘンダーソン(米国)
<フェザー級/5分3R>
ユライア・フェイバー(米国)
ハファエル・アスンソン(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
デイブ・ジャンセン(米国)
カメル・シャロルス(英国)
<フェザー級/5分3R>
マイク・ブラウン(米国)
アンソニー・モリソン(米国)
<フェザー級/5分3R>
マッケンズ・シマージャー(米国)
デヴィダス・タウロセビュチス(リトアニア)
<バンタム級/5分3R>
チャーリー・バレンシア(米国)
田村彰敏(日本)
<バンタム級/5分3R>
ヴァグネイ・ファビアーノ(ブラジル)
クリント・ゴドフレー(米国)
<フェザー級/5分3R>
マーク・ホーミニック(カナダ)
ブライアン・キャラウェイ(米国)
<バンタム級/5分3R>
エディ・ワインランド(米国)
ジョージ・ループ(米国)
<バンタム級/5分3R>
コーティ・ウィーラー(米国)
ウィル・カンプサーノ(米国)