【WEC46】2010年はライト級王座決定戦とユライアから
2010年、WECの活動開始は10日(日・現地時間)カリフォルニア州サクラメントのARCOアリーナで行なわれるWEC46「Varner vs Henderson」から。メインはイベント名にあるようにWEC世界ライト級王座統一戦、そして地元の雄=ユライア・フェイバーが出場し、ハファエル・アスンソンと対戦する。
【写真】パンチ力に定評のある王者ジェイミー・バーナー、雰囲気的にはベテランだが、まだ25歳の若いファイターだ (C) MMAPLANET
去年の1月にドナルド・セラーニを相手に2度目の王座防衛戦を行なって以来、1年振りの復帰戦となる王者ジェイミー・バーナー。前回の防衛戦では、5Rに微妙なタイミングながらグラウンド状態でヒザを受け、試合続行不可能となり、その時点でのスコア集計で防衛に成功した。
その後、決着戦の早期実現が望まれたが、バーナーの負傷によりWECではベン・ヘンダーソンとセラーニの間で暫定王座決定戦を組むことに。結果、これも微妙な判定ではあったがヘンダーソンが勝利を手にし、今回の王座統一戦に挑むこととなった。
アリゾナ・コンバット・スポーツ所属らしく、UFCで活躍するCB・ダラウェイやライアン・ベイダー同様、レスリング+ボクシング系の王者はハイスクール・レスリングで活躍しただけでなく、ロックヘブン大時代にはボクシングでもNCBA(全米単科大学ボクシング協会)でチーム優勝を飾っている。
16勝2敗のキャリアの打ち分けは、KOが5試合で一本勝ちが9試合、元AMCのトレバー&トッド・ラリー兄弟の指導の下、穴のないMMAファイターに成長した。一方、暫定王者ベン・ヘンもまた、レスリングとサブミッションに長けたファイターでありながら、KOパンチを持っている。
バーナーに比べると、どちらかといえばグラップラー・タイプのベン・ヘンだが、10勝1敗という戦績の礎となっているのは、窮地に追い込まれてからの粘り腰の強さ。アンソニー・ジョクアーニやセラーニ戦でも「もはや、これまで――」というシーンは度々見られたが、それぞれ逆転、そして逃げ切って勝利を掴んできた。
ズバリ、戦前の予想ではバーナーの力強さを推す声も多いが、気になるのは1年のブランク。実戦の感が戻らないうちにバーナーが、ズルズルと戦うようなことになれば、ベン・ヘンの粘りに押し切られる展開も考えられる。
また、サクラメントのファンのお目当てユライアは、今もWECを引っ張る存在として、誰よりも高い知名度を誇っている。しかし、過去1年間の戦績は2つの世界戦で敗れ1勝2敗。その1勝もジェンス・パルバーから挙げた勝利で、層が厚くなる一方のフェザー級戦線で実際の力がどこにあるのか、このところ不透明になっている。
【写真】WECの象徴ユライア。アスンソン戦を経て、フェザー級トップコンテンダーとの対戦がまたれる (C) MMAPLANET
事実、ブラウンとジェンス以外には過去2年強でジェフ・カーランとしか対戦しておらず、王者ジョゼ・アルドは当然として、マニー・ガンバーリャンやレオナルド・ガルシアらトップコンテンダーとの対戦もないままだ。
カムバック戦となる今回の対戦相手アスンソンは、キャリア早期のホルヘ・マスヴィダル、ジョー・ローゾンに勝利しているが、カーランには一本負けを喫しており、WECフェザー級戦線でトップ集団につけているとは言い難いファイターだ。
MMA戦績は14勝1敗と抜群のレコードを残しているアスンソンだが、ここでユライアが躓くようなことがあれば、彼のMMAキャリアだけでなく、WECの動向も多いに左右することになる。王座奪回を目指すユライア、そしてPPV中継の早期実現を睨むWECにとって、必勝の一戦といえるだろう。
◆WEC47対戦予定カード
<WEC世界ライト級王座統一戦/5分5R>
ジェイミー・バーナー(米国)
ベン・ヘンダーソン(米国)
<フェザー級/5分3R>
ユライア・フェイバー(米国)
ハファエル・アスンソン(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
デイブ・ジャンセン(米国)
カメル・シャロルス(英国)
<フェザー級/5分3R>
マイク・ブラウン(米国)
アンソニー・モリソン(米国)
<フェザー級/5分3R>
マッケンズ・シマージャー(米国)
デヴィダス・タウロセビュチス(リトアニア)
<バンタム級/5分3R>
チャーリー・バレンシア(米国)
田村彰敏(日本)
<バンタム級/5分3R>
ヴァグネイ・ファビアーノ(ブラジル)
クリント・ゴドフレー(米国)
<フェザー級/5分3R>
マーク・ホーミニック(カナダ)
ブライアン・キャラウェイ(米国)
<バンタム級/5分3R>
エディ・ワインランド(米国)
ジョージ・ループ(米国)
<バンタム級/5分3R>
コティ・ウィーラー(米国)
ウィル・カンプサーノ(米国)