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【UFC249】ついにポテンシャルをフルに発揮。やり過ぎないゲイジーが、ファーガソンを殴り倒す

<UFC暫定世界ライト級王座決定戦/5分5R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
Def.5R3分39秒by TKO
トニー・ファーガソン(米国)

スイッチするファーガソンが左前蹴り。ゲイジーは右に回り、左ローを蹴る。左ストレート、左ミドル、右を伸ばすファーガソンがその場スイッチでワンツーを繰り出す。リードフックを思い切り振るうゲイジーが、左ジャブに左フックを打つ。ローで姿勢を乱したゲイジーが、右から踏み込んで左フックをヒットさせる。

ファーガソンに対しても、圧を感じている様子がないゲイジーは、頭を振るって左を振るうも空振りに、直後にファーガソンが左を当てる。左ハイの直後に、左ジャブを繰り出すファーガソンも隙がない。と、両者が思い切り右を打って相打ちに。打たせず、打たれても動じない対戦は、ファーガソンの前進にゲイジーが右フックを当てていく。ファーガソンの鋭い右ハイから左アッパー、ゲイジーが右ショートで迎え撃つ。さらに右を当てたゲイジーが、ジャブの差し合いから左フックをヒット、テイクダウンのフェイクを見せて右を見せるなど、初回はゲイジーが制した。

2R、スーパーマンパンチからのショートを当てたファーガソン。一瞬バランスを崩したゲイジーが思い切り左フックを打ち込む。ファーガソンは細かくスイッチを続けるが、近距離ではゲイジーの圧が優っているか。ゲイジーは右を打ち抜き、右ローを蹴る。右を当て、返しの左フックは空振りも、やはりゲイジーに圧がある。

ファーガソンの右を返し、左フックも攻撃を散らすなかで、左を被弾する。パンチをかわして、視線を離すとすかさずパンチを入れるゲイジーは見えている。ファーガソンは左を当てるも、左を合わされ鼻を気にする仕草を見せる。スピニングバックエルボー、バックキックが気持ちの逃げにも感じられるファーガソン。それでもワンツーを返すと、ゲイジーが間合を外す。ここでローを蹴るゲイジーだが、潮目が変わったようにファーガソンの圧力が高まる。と、終了間際に右ロングアッパーを打ち合いで、これを被弾したゲイジーがダウン。立ち上がったところでラウンド終了となった。

3R、流れを掴む上で大切な序盤。ファーガソンが前に出ると、ゲイジーが右を当てる。さらに右フックから左を見せるが、ファーガソンのアッパーに下がる。ゲイジーは手数が減り、右に回るように。それでも左フックを当てると、ファーガソンが左を打ち込む。ファーガソンが右頬、左目尻をカットしているが、初動が見えない右ショートをヒットさせる。

ゲイジーはローに右を合わせ、さらに右フックでファーガソンの体が揺れる。右ストレート、左フックを続いて当てたゲイジーは、左エルボーを被弾するが、直後に右フックを返す。頭を振って、右を見せるゲイジーに対し、ファーガソンはキャンバスに手をついて、旋回ローキック。さらにブルース・リーのように床を指で触れるファーガソンだが、ゲイジーは落ち着いて、やり過ぎないファイトを展開した。

4R、鋭い左ローを蹴ったゲイジー。ファーガソンも右ローを返し、非常に低い姿勢を見せる。右ジャブを伸ばし、スピニングバックキック、ジャンピングエルボーとトリッキーな攻撃を続けるファーガソンの狙いは何か。ゲイジーは構わず正面から左フックを入れ、右ローを蹴り抜く。体が回るファーガソンが跳び前蹴り。右の同士討ちから、右オーバーハンドを受けたファーガソンはついに姿勢を乱し背中を見せて距離を取った。

左足を蹴られて姿勢を乱し、パンチが手打ちになったファーガソンに対し、ゲイジーはラッシュを掛けず、カウンターの右オーバーハンドを狙う。ファーガソンの蹴りが急所に当たり、試合が中断。残り1分で再開となり、ファーガソンが左フックを当てる。しかし、右ローで完全にヒザがよれるようになったファーガソンが、ハイキックを受けそうになる。ここで4Rが終了、ゲイジーのペースが続いた。

最終回、インターバル中に笑顔を見せたゲイジーは、ショートのワンツーを放つ。サウスポー基調となったファーガソンは、その場スーパーマンも逆に右から左、さらにワンツーフックを被弾する。ローで体が回ったファーガソンは、必死に前に出るがその場でゲイジーは待ち構え、嫌な間合になると間合を取り、ここから踏み込んで左を当てる。足に来ているような動きを見せるファーガソンは、ついにイマナリロールもゲイジーは簡単にかわす。ジャブ、右に左を合わせたゲイジーは空足を踏んで姿勢を乱すファーガソンに対し、精神的な余裕を持ってパンチを放っていく。

攻めすぎず、相手の攻撃を見るゲイジーは右を当てると、頭を振って下がったファーガソンを見てレフェリーがたまらず試合を止めた。労うゲイジーを押し返したファーガソン、気持ちは分かるがここは受け入れて欲しいところだった。

ウィナーコール後にハグをした両者、新暫定世界ライト級王者は「俺やヤるためにケージに上がったんだ。過去は振り返らない、前の日より良くなるよう練習してきた。ワールドクラスのコーチがいる。これまで殴られ過ぎてきた。殴り合いを楽しみ過ぎていたんだ。でも、ここではそんな戦いはできない。ロシアン、ダゲスタン人と戦いたい。死んでも構わないという気持ちできたんだ。勝ち負けじゃない。自分にがっかりしたくなくて戦ったんだ」と話した。


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