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【Pancrase304】女子フライ級王座決定戦=ホッシャ戦へ、端貴代「自分で道を切り開いていくことが幸せ」

Takayo Hashi【写真】とても端さんらしい表情(C)TSP

14日(日)、東京都江東区スタジオコーストで開催されるPancrase304でシッジ・ホッシャとフライ級QOPTを戦う端貴代をAbema TVが制作するドキュメンタリー番組= ONE DAY が追った。

プロデビューは2004年9月の14年生は1年2カ月振りのファイトで、タイトル戦を戦うこととなった。女子MMAが男子ファイターから学芸会と言われ、またそう表現されても致し方ない選手も存在した時代に、ボロ雑巾のようになって男子と練習をしていると言われていたのが、端だった。

強い自己主張もなく、黙々と戦い続けてきた端はタイトル戦を前に言葉静かに格闘技への想いを話してくれた。


──昨年2月にバーバラ・アシオリに勝利してから、1年以上が経ってしまいました。

「なかなか上手くいかないですね(笑)。Invicta FCとの対抗戦で勝てば向こうで戦えるかと思っていたのですが、そのままオファーを頂けなかったので」

──一本勝ちした相手はその後もインヴィクタに出ていましたからね。

「年齢も年齢もだし、なかなかチャンスはもらえないのかなというのはありますね」

──2015年8月にDEEP JEWELSでキム・ジヨンに敗れ、そこからアシオリ戦までも2年半を要しました。あの期間は現役生活を見直すことはなかったでしょうか。

「格闘技から離れるつもりは全くなかったです。ただ試合の話がなかった(苦笑)。だから試合の話を貰えると嬉しくて」

──試合のない間も、ずっと練習を?

「ハイ。練習は続けていました」

──いきなりインタビューの総論になってしまいますが、端選手がMMAを続けられる理由は何なのでしょうか。

「なんでしょうね(笑)。辞め時がないというか……、格闘技自体が好きで辞められないので、続けられる間は続けたいです」

──竹下嘉奈子選手、佐藤瑞穂選手を始めあの頃、東京本部にいた女子選手たちは米国に拠点を移したロクサン・モダフェリ選手以外、見られなくなりました。

「みんな、私生活の方で結婚して格闘技を離れていきましたから」

──あのう……端選手の場合は……。

「私は両立できないんで。だから格闘技だけやっています(笑)。格闘技だけが人生ではないので、辞めていかれる方には辞めていかれる方の価値観があって。格闘技を辞めても一生懸命になれるモノがプライベートの生活だったりするわけで。それはそれで良いし、私は私の道を……格闘技を続けていけば良いかなって」

──ご家族や周囲は格闘技を続けることにどのように思っているのでしょうか。

「心配しています(笑)。でも、やりたいことを一生懸命やれば良いという感じじゃないでしょうか」

──元プロシューターのお兄さん、トモヒロック☆84選手から『いつまでやっているんだ』ということは言われないですか。

「お兄ちゃんも結婚して家庭があり格闘技を辞めたのですが、そんな風には言われないですね。逆にああしろ、こうしろと言ってきます(笑)。今でも時々指導をしているので」

──キャリア15年目、序盤は女子が最大の売りになるプロでなく学芸会のような大会が行われていた時代でした。

「そういう風に言われることは分かります」

──ただ「東京本部の練習で端だけは男子に混ざりボロ雑巾のようになって練習している。だから端はちゃんと見てやってください」と磯野元さんから言われていたことがあり、凄く印象に残っています。

「えぇっ? 本当ですか? 指導してくださる方がとても厳しくて……今もそうなんですけど。『女子格みたいなノリでやるな。やるなら男に混ざってちゃんとやれ』と言われていました」

──今でも守山(竜介)さんが亡くなられて間もないころ、端選手と小泉慶嗣さんが東京本部で黙々とミット打ちをしていたのが思い出されます。今も小泉さんとミットを続けているのですね。

03「ハイ、続けています」

──では練習環境はどのようになっているのでしょうか。

04「所属しているのが慧舟會AKZAなので、毎週金曜日にAKZAで練習して他はトイカツさん系列の中野、東中野、高田馬場でやっています。総合の練習、寝技の練習、柔術と色々な練習を色々な人とやらせてもらっています。それと毎週、阿部(裕幸)さんと浜崎(朱加)さんにお願いして、AACCさんに行かせてもらい女子練習に参加させていただいています」

──現在の目標はどこに置いているのでしょうか。

「今は目の前のことで精一杯なので、パンクラスのベルトを獲って次につなげたいです」

──なるほどぉ。では王座を賭けて戦うシジ・ホッシャの印象を教えてください。

「寝技系の選手ですね。もともとバレーの選手でアスリートだから体幹が強くて、パワーもありそうです」

──つまりフィジカルが強い相手ということになります。そうすると思い出されるのが、バーブ・ホンチャック戦で。端さんがケージに押し込まれて負けてしまった。ああいう試合は日本人を相手にした時はなかったと思うので、フィジカルという部分においてはダブってしまう部分があります。

「力と力の勝負だと、力の強い選手には敵わないです。そこを受け流すことができる技術だとかを意識して、自分の形で組んでいきたいと思っています。色々と考えていることはあります」

──ホッシャの攻撃で気を付けないといけないところはどこでしょうか。

「パンチをぶん回してテイクダウンを狙ってくるところですね。不意の攻撃に対し、反応とか対処をしっかりとしていきたいです」

──ホッシャは実働3年半弱で17試合をこなしています。そのキャリアをどのように捉えていますか。

「そういう観点では考えたことはなかったですが、確かに試合数は結構こなしていますね。多分、経験値は高いかと。自分でやりたい試合をやっているので、考えて戦っていると思います」

──そんな彼女に対し、端貴代が負けないところは?

「打撃で負けないところ、組みの展開で負けないところ。寝技の展開で負けないところです」

──全てじゃないですか!!

「アハハハハ」

──改めて端選手の戦績を振り返るとサラ・カフマン、キャット・ジンガーノ、タラ・ラロサ、ロクサン、ホンチャク、キム・ジヨンと錚々たる選手と戦ってきたことが分かります。そういう選手と張り合ってきたことはホッシャとやるうえで自信につながっていますか。

「自分が勝てれば良かったですけど、負けちゃって。その負けたことで反省をし、そういう反省点すべき点に気づけたことが自分の強みだと思っています。試合の組み立て方、戦略、戦術、全てが勉強になったのでそこを生かしたいです」

──今回の試合は藤野恵実選手のBBAなめんなよ──という発言からできたベテラン女子の力を確認する大会でもあります。

「最近、藤野選手とは週イチで総合の練習をトイカツ道場でやっているんです。藤野選手の発言は恰好良いです。自分を貫いて生きてきたからこそ、メディアにハッキリと発言できる。凄く立派です」

──端選手がその手のことが苦手なのは重々理解しているのですが、ここで何か『なめるな』という部分に関して、一言いただけないでしょうか。

「女子MMAが注目を浴びることは凄く良いことだと思っています。ただ注目を浴びることが全てでなく……私は自分のできることをしっかりとやり抜いて、そこを認めてもらえれば良くて。特に目立ちたいとかはないです」

──その想いこそが端選手自身がやってきたことへの拘り、そして周囲への意地かと思われます。

「そうですね、それぐらいしか私にはないので。目立ちたい人は目立てば良いです。私は自分が進むべき道を自分で切り開いていくことが幸せかなって思っています(笑)。だから今回ベルトに挑戦させていただくことは本当に光栄です。自分は全然やるつもりでいますが、年齢も年齢でこういうチャンスがまた巡ってくるかといえば、それは分からないです。ここは全力で戦い、勝ってベルトをいただき次の道につなげたいと思います」

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