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【UFN136】ソン・ジンス、ピョートル・ヤンに真っ向勝負で判定負け──も無類のタフネス振りを発揮

<137ポンド契約/5分3R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
Def.30-27.30-27.29-28
ソン・ジンス(韓国)

UFC初陣のソンが体重オーバーでキャッチウエイトとなった一戦。左ハイを見せたヤンは、ソンの右を被弾した直後に右を当てる。やや遠目の距離から、左ミドルを当てたヤンに対し、ソンはテイクダウン狙いを切られるが、ジャブを伸ばし続ける、右を打たれてなお、「攻めてこい」というポーズを取ったソンは、前に出たところでヤンの指が目に入る。

再開後、ヤンの左ジャブにソンがテイクダウンを合わせて、バックに回る。ケージ際で前に崩されながら、起き上がったヤンがボディ、さらに左エルボーを当てる。攻撃を受けても笑みを浮かべるソンだが、パンチを被弾する場面が増えて来る。

ヤンのハイの蹴り終わりにジャブを当てたソンは、左フックに組みついてケージに押し込む。離れたソンの首相撲にヤンは左アッパーを3発突き上げる。ソンは離れて右を当てたところでラウンド終了を迎えた。

2R、ヤンはソンの前進に左を当て、右を続ける。組んだソンだが、ヤンが離れてワンツー。ソンはスイッチも見せるが、オーソでアッパーを受け動きが止まる。ヤン左の精度が高く、ソンのテイクダウン狙いを最小限の動きでかわして、右ストレートをヒットさせる。ソンもパンチを返し、右アッパーを突き上げる。

ヤンも怯まず、右ストレート。直後にソンはダブルレッグでテイクダウンに成功する。下になったヤンはエルボーを連打。対してソンは懸命に抑えにいき、起き上がって足を払いつつパスからマウントを狙う。ヤンはバタフライガードに戻すと、起き上がろうとして背中をソンに取られる。ここからバックマウントを狙ったソンだったが、乗り切れず振り落される。ソンは立ち上がり際にパンチを受け、2Rが終了。表情には出さないが、ヤンも相当疲れているようにも見る終盤だった。

最終回、ヤンの左にシングルを合わせたソンは、離れたヤンに首相撲で捉えようとするが、ここでパンチを纏めて被弾してしまう。ヤンの後ろ回し蹴りの直後にジャブの相打ち、左を被弾したソンは、直後に左を当ててヤンの体が揺れる。ガードを固めるヤンに左ジャブを伸ばすソンだったが、パンチを受けてからのクリンチでエルボーを打たれる。

ヤンは一気に小外掛けを決めると、ソンの立ち上がり際に左ハイを蹴っていく。タフなソンはそれでも前に出て組んでいくと、ヤンはここでスピニングバックエルボーを思い切り決める。それでも倒れないソンは、左ストレートを打たれながらテイクダウンを狙う。これを切ったヤンは左を当て、テイクダウン狙いを切って右から左アッパー、サウスポーに構えて左ハイ、続いて左ストレートから前に出る。

打たれても──打たれても、立ち続けるソンは右の手刀のようなパンチを繰り出す。ヤンは右の跳び蹴りでソンが尻餅をつく。すぐに立ち上がったソンは左フック、右ストレートを打たれても、左を振るっていく。ヤンはソンのパンチを見事なダッキングでかわすなど、近距離で高度なボクシングを見せ、右ストレートを打ち込む。それでもソンは笑みを浮かべて、師匠を上回るコリアンゾンビ振りを発揮し、タイムアップを迎えた。

結果はヤンが3-0の判定勝ちを手にし、その多彩な攻撃により強さを見せた。その一方で、ソンはコリアンゾンビ2世誕生といえる試合をやってのけた。


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