【EJJC2018】ヨーロピアン展望─05─ヘビー級はキーナン、Sヘビー級はエルベースが本命。Uヘビーは?
【写真】アジアを初め試合出場数は非常に多いキーナン。既にムンジアル出場だけのポイントは獲得しているが、実戦練習のようにトーナメントに出場し続けている (C) MMAPLANET
6日(現地時間・火曜)から21日(同・日曜)にかけて、ポルトガル、リスボンにあるパヴィラォン・ムルチウソス・ジ・オジヴェラスで開催されているIBJJF(国際柔術連盟)主催のヨーロピアンオープン柔術選手権。ヨーロッパを中心に、各国から強豪が参戦するこの大会のプレビュー最終回は、重量3階級の見所を紹介したい。
【ヘビー級】
注目はワームガードの考案者としても名高い、創造力の天才キーナン・コーネリアス(アトス)。昨年はアジアを制したものの世界大会では存在感を残せなかった感もあるが、ADCC世界大会では準優勝、ノーギ・ワールズでも階級別優勝とノーギにおいて存在感を見せている。しかし、天才の発想力が最大限に発揮されるのは、今大会のような道着着用ルールにおいてこそだろう。
そのコーネリアスの対抗馬は、一昨年世界柔術準優勝に輝いているジャクソン・ソウザ(チェックマット)か。昨年はADCC世界大会でも3位に入賞して安定した力を見せているソウザは、コーネリアスには過去4戦して一度も勝てていないだけに、この舞台で一矢を報いたいところだ。
さらにチェックマットからは、昨年本大会3位のポーランド人柔術家アダム・ワジンスキーも出場。コーネリアスの首を狙う。
【スーパーヘビー級】
昨年の世界王者エルベース・サントスが大本命。昨年の世界柔術決勝にて、執念のリベンジを狙うベウナウド・ファリアの必殺ハーフガードスイープをことごとく遮断。破壊的な攻撃力に加えて、相手を完封する的確な身体の運用力と判断力を見せつけて世界を奪った怪物に、死角はあるのだろうか。
打倒サントスが期待される存在としては日本でに馴染みがあり、一昨年のマスター世界大会でシャンジ・ヒベイロを倒したエリオット・ケリー(イェマソBJJ)や、一昨年の本大会で3位入賞しているマニュエル・ポンテス(グレイシー・バッハ)の名が挙げられよう。
【ウルトラヘビー級】
昨年の本大会にて、チームメイトのイゴール・シウバとクローズアウトを決めたヒカルド・エヴァンゲリスタ(GFチーム)がエントリーし、2連覇を狙う。エヴァンゲリスタと言えば、15年の世界柔術無差別級にて地上最強の柔術家マーカス・アルメイダを負傷に追い込み勝利したことで一躍名を挙げた選手だ。ちなみに先日アブダビで行われたグランドスラム大会のマスター1の部も制しており、調子は上々のようだ(アダルトの部はチームメイトのシウバが優勝)。
エヴァンゲリスタと並ぶ優勝候補としては、その同門で昨年のブラジレイロ王者のヴィクトー・ホノリオや、昨年の世界ノーギの階級別&無差別を完全制覇したハルクことルーカス・バルボーザ(アトス)らが挙げられる。