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【2017~2018】青井人─01─「終わらせて新しい時代を引っ張るためにも僕がやらないといけなかった」

2017-2018 08【写真】2017~2018、ファイター達の足跡と一里塚。8人目は青井人に話を訊いた(C) TERUTO ISHIHARA & MMAPLANET

2017年を終え、2018年が始まった。情報化社会の波のなかで格闘技の試合も一過性の出来事のように次々と生産&消化されている。

ハトの餌やりおじさんがいる関西らしい背景とJ-MMAの未来=青井人

ハトの餌やりおじさんがいる関西らしい背景とJ-MMAの未来=青井人

しかし、ファイターにとってその一つの一つの試合、ラウンド、一瞬は一過性のモノでは決してない。大袈裟でなく、人生が懸っている。

試合に向けて取り組んできた日々は何よりも尊いはず。そんなMMAファイター、そしてブラジリアン柔術家が2017年をどのように過ごし、今年を如何に戦っていくのか。

MMAPLANETでは9人の選手達に2017年と2018年について語ってもらった。その8番手として青井人の話を訊いた。

1997年生まれ、20歳のファイターが元修斗タイトルホルダーのベテランを連破し、10月にキャリアのピークに邁進する環太平洋フェザー級チャンピオンの高橋遼伍に挑み、内容を評価されながらも敗れた。

競技人口、プロフェッショナルの状況を鑑みても今や日本と世界のMMAの差は広がる一方だ。世界レベルで戦うことが、それだけ困難になっている時代に世界を目指す──2017~2018、青井人の足跡と一里塚。


──2017年は1月に児山佳宏、6月にタクミ、10月に高橋遼伍戦を経験し、2勝1敗という戦績で終えました。そしてプロ修斗環太平洋フェザー級王者の高橋選手にキャリア初黒星を喫した1年となりました。

「2017年の最初の試合、児山さんとの試合に勝った時にもう1試合勝てば、今年中に環太平洋王座に挑戦できるかなと思っていたので、そこは自分の思い描いていた1年になりました。

もちろん、勝つつもりしかなかったのですが、負けてしまいました……。でも、次にやれば勝てるという自信はあります。なのでチャンピオンと戦って、負けはしたのですが自信にもなりました。負けは当然、良いことじゃないですけど、僕的には次のステップに上がることができる──次のステップを目指せるという気持ちになっています」

──なるほど。ではキャリア30戦、そして40戦を越えるベテラン選手とキャリア5、6戦で試合をした時の気持ちを教えてもらえますか。

「キャリアのある選手は僕のように勢いで戦うのではなくて、経験があるので巧さがあります。そういう部分に飲み込まれないように、勢いで上回るように戦えば勝てると思って試合に臨みました」

──全く飲み込まれることはなかったです。

(C)KAORI SUGAWARA

(C)KAORI SUGAWARA

「結果的にそうはなりました。ただ、チャンピオンにもなっている選手たちですし、僕みたいな若い人間に負けてたまるかっていう気持ちもあったと思います。タクミ選手からは絶対にテイクダウンして一本を取ってやるんやっていう気迫が伝わってきました」

──タクミ選手も青井選手推しを理解して、試合を受けている状態だったと思います。

「だからこそ、あの試合でタクミさんに勝たせることはできなかったです。僕は僕で勝たないとこれからに影響するし、タクミさんにしてみると、僕に勝ったら『まだいける』となったかもしれないので。失礼な言い方かもしれないですが、絶対に勝たないといけない試合でした。

タクミさんは米国でチャンピオン(KOTCライト級)なっているし、関西で戦ってきた修斗の先輩です。だから、終わらせるという言い方は良くないと思いますが、タクミさんを終わらせて新しい時代を引っ張るためにも僕がやらないといけなかったです。

中蔵(隆志。所属するBLAWS代表)さんもそうだし、あの世代の選手は練習量も半端でなく、物凄く強いというイメージを持っていました。そういう選手と戦えたことは光栄というか、有難かったです」

──先輩の志を継ぐというのは、修斗ならではの印象です。

「僕は格闘技のことは詳しくないのですが、修斗は昔からあってアマチュアからやってきた強い選手たちがいるという感覚です。僕自身アマチュアから頑張ってやってきたから、修斗のベルトを獲って次に行きたいと思っています。

色んな大会に出ていると、どこを目指したいがぼやけて来るんやないかって思うんです。僕がなりたいのは修斗のチャンピオンでなくて、修斗のチャンピオンになって次へ行きたいので」

──ステップアップを図るためのケジメのようなベルトでもあるのですね。

「歴史のある修斗のベルトを巻くと、海外からも注目されると思っています」

──その修斗の若い世代となると田丸匠選手や覇彌斗選手のいるフライ級では、同世代で凌ぎを削り合っています。

「年齢は関係ないです。同世代のライバルが欲しいとか別に思わないですし(笑)。性格が悪いのかもしれないですけど、他人が自分の横で目立ったり、先を越されたりするのは嫌なんで。『なんや、コイツ』ってなって悔しがると思います」

──ハハハハ。そこは相当な負けず嫌いなのですね。

「負けず嫌いですね(笑)。注目度でいえば田丸選手と覇彌斗選手はやっぱり僕よりされていたし。その時は『今だけや。俺の方が上にいくんや、今に見とけよ』とは思っていましたけど、階級も違うからそれぐらいで特に競い合っているという意識はなかったです」

──キャリア7戦目で高橋選手に挑戦する。いってみればもう修斗フェザー級には高橋選手と世界王者の斎藤裕選手しか残っていない状況で戦ったチャンピオンには、どのような印象を持っていたのですか。

Aoi vs Tkahashi「僕は怖がりなのでローもそうだし、パンチを合わせるのも上手い試合を見て来て『コイツ、強いんかな?』って思いつつ怖かったですね。体もバキバキで、力も強いやろうなって。

でも大阪で中蔵さんや吉鷹(弘)さん、BLAWSのプロの選手と練習させてもっていて、ボコボコにされるわけじゃないので、高橋選手と戦ってもやられへんやろうなとは思っていました。強いやろうけど、俺の方が強い。これまでやってきたことがあるから負けへんっていう気持ちでしたね」

<この項、続く

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