【ADCC2017】66キロ以下級、3度の計量で欠場者続出。嶋田は勝ち上がって、対ブラジル人が必達
【写真】嶋田にとって理想的な展開は勝ち上がってコブリーニャ、タンキーニョ、パウロらと戦うことだ(C)MMAPLANET& GLEIDSON VENGA
23日(土・現地時間)と24日(日・同)の2日間に渡り、フィンランドのエスポーにあるエスポー・メトロ・アリーナで開催される。ADCC世界サブミッション・レスリング選手権=ADCC2017。ノーギグラップリングの世界最高峰の開催が目前に迫ってきた。
男子5階級、女子2階級で行われる同大会から、ここでは66キロ級の参加選手とトーナメントの行方を探りたい。
前回の王者フーベン・シャーレス・コブリーニャを筆頭に2度ずつ開催されたアジア予選、欧州予選、北米予選、そして南米予選の勝者と招待選手の16名で争われるトーナメント。今年もトーナメントは従来通り2日間で行われるが、試合前日のルールミーティング時に加え、大会初日、そして2日目の決勝戦前に計量が行われるようレギュレーションが変更された。
これによりファイナル出場者は3日間に渡り66キロ以下をキープする必要があり、体重を落としてリカバリーという状態では、トーナメントに臨むことが困難となった。特に66キロ級では負傷欠場も合わせ、エディ・カミングス、マーシオ・アンドレ、前回柔優勝のブルーノ・フラザドという上位進出が期待された柔術家が欠場。レオジーニョことレオナルド・ヴィエイラがスーパーファイトに出場することになり、実に1/4の顔触れが変わることとなった。
なかにはAJ・アガザームのように本当に66キロで3日間をキープできるのかという選手もまだ含まれているが、優勝候補は前回王者のコブリーニャ、そしてIBJJFでは禁止薬物使用により出場停止中にあるパウロ・ミヤオ、UFCファイターで前回3位のアウグスト・メンデス・タンキーニョの3名か。
グラップリングの世界では今もBJJと同様にブラジル勢の実力が抜けており、地区優勝者が表彰台に上ることも難しい状況が続いている。
そんななか招待選手の顔触れがかなり変わった66キロ級は、準決勝進出のチャンスが日本から出場する嶋田裕太も含め、確実に広がっている。もちろん、トーナメント戦はその枠順に左右されるが、ライトフェザー級日本最強柔術家の嶋田にはフランスやポーランド、ご当地フィンランドの代替招待選手に遅れをとることだけは勘弁願いたい。
さらにいえばサブミッション・レスリングとはいえ、引き込みのマイナス以外は足関節が許されたノーギ柔術といっても良いADCCだけに、嶋田は南米予選勝者(パウロも含む)以外の地区予選勝ち抜き組──茶帯トップだったジャスティン・レイダーや欧州予選を勝ち抜いた2人のポーランド人ファイターとの試合といえども落とせない。
嶋田はこのような相手と初戦を戦うこととなったら、しっかりと勝ち上がり、上記のブラジル勢に加え、2年前に米国で手合わせをしたベテランのバレット・ヨシダらと戦いに挑む。それが、成長の証となる。来年のムンジアルに向け、結果が求められる嶋田の初ADCCだ。