この星の格闘技を追いかける

【RFC40】フーヘンフウと対戦、佐々木信治─02─「僕にとって格闘家としての勝利とは……」

Sasaki Shinji【写真】佐々木の言葉が重みを増しているのは、やはり結果を残せているから。そういう選手だからこそ、結果だけでないと言い切れる──のだ(C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)、韓国ソウルのチャンチュン体育館で開催されるROAD FC 40。同大会で戦いの幕が切って落とされるライト級100万ドルトーナメント本戦で、アマチュシン・フーヘンフウと対戦する佐々木信治インタビュー後編。

Ameba TVが制作する格闘家の1日を追うドキュメンタリー番組=ONE DAY密着取材で、佐々木が語ったこととは。

全部を見せる。出し切る。その先にある結果、結果が出るまでの過程に佐々木信治の真骨頂が見られること──が再確認された。

<佐々木信治インタビューPart.01はコチラから>


■『クォン・アソルとは、もう一度やりたい』

──ファイターとして藤井恵と対等になってきた?

「対等という意識はないですが、彼女の実績に対する気後れもなくなりました」

──以前は格闘技の話になると、恵夫人のことを藤井さんと“さん”付けで呼んでいましたしね。でも、パーキー戦、アームバー・キム戦、そしてブルーノ・ミランダ戦と韓国での結果は十分に胸を張れるものじゃないですか。

「イチ選手として、まだまだですけど自信はつきました。同時に選手も育ってきたので。韓国の知人は、向こうでは僕の名前はよく出てくるとは言ってくれます」

──感動の涙のマイクもありましたし。ロードFC、そしてこのライト級トーナメントは格闘技ファンに訴える掛けるモノも強いですし、佐々木選手の価値観にあった戦いだと感じられます。

「正直、このトーナメントも優勝を考えたことは一度もないです。周囲は優勝すれば1億円ということを、面白がって口にしますけど(笑)。ただ、勝てないと本気で思ったことも一度もないんです。

1億円という額は宝くじでしか聞いたことがない額で、この金額は誰もが想像のつかないモノだと思うんです。だから、その賞金もボヤァっとしてしか考えられないですね」

──勝ち進めばクォン・アソルと再戦することになります。

「トーナメント戦というフォーマット自体、デビューした年の新人王トーナメント以来なのですが、最終到達時点のことは考えなくて、目の前のことしか考えられないんです。それが良いのか悪いのか分からないのですが、自分は決まっている試合に全力で向かって結果を残す、それが選手として後輩に見せる姿だと思います。

そのなかでクォン・アソルは……、自分は余り一度戦った人とまたやりたいとは思わないんですけど、クォン・アソルだけは別でもう1回やりたいです」

──それはどういう理由からですか。

「アソルがどうのこうではなく、自分が頑張れていなかった。あの時は……めっちゃ緊張してしまって。そういうのが自分でも嫌なところで。アソルも盛り上げてくれていたのに……もっとあの試合は頑張りたかった。

彼には完敗を喫したのですが、もう一度やりたいです。短いスパンで激しい戦いを勝ち残った後で、ピンピンしているアソルと戦う。それがこのトーナメントの真の姿。だからこそ、自分はお金云々でなく全力で戦う。

あの時の自分に悔いが残っているので、そこを一番に考えています。その結果が優勝だと素晴らしいですが、とにかく勝つか負けるか分からないところで全てを出し切る。

そういう戦いをしていると、この間の覇彌斗のように……もっとやれることはあったとしても、最後まで全力で戦っていたという部分で続いている。なので、自分がやってきたことは間違っていなかったと思えました。

もちろん結果は大切です。でも、あれだけ泥臭く戦ってくれた教え子が誇らしいです。自分も彼らが誇れる先生でありたい。そのためにも最後まで気持ちが折れない試合をしたいです」

■『仲間と嫁さんとやってきたことを全部ぶつけて勝ちを拾います』

──その戦いに加えて、結果がついてきたことで説得力が増したと思います。

「結果が大切な選手もたくさんいます。海外で戦っている選手、海外に行きたい選手。結果が全てだという選手がいます。だから、結果が全てじゃないとは全員が全員に言うつもりはありません。結果は大切ですから」

──頑張りを見せるというのは、結果が欲しいための頑張りじゃないでしょうか。

「勝ちたいですからね」

──負けたくないという気持ち、ここで尻餅をつけない。ここで起き上がらないといけない。そういう諦めない気持ちを佐々木選手の試合では常に見させてきてもらいました。それは普段から接している道場生は本当に感じ取っていると思います。

「そういう風に皆が思ってくれているなら、本当に良かったと思います」

──そこで大阪にも名古屋にも、東京にも出稽古にいく必要はないと思うのですが、九州や中国・四国地方の選手の合同練習会のようなモノは、佐々木選手だからこそ開けるのではないでしょうか。

「そういう声は挙がります。そこは僕も応えたいです。そのために時間をやりくりしないといけない。自分の生徒の試合もあるけど、そこはやりたいので葛藤しています。この地方の皆で合同練習会を開く、それは理想ですから。

関西より西でも、7月23日に修斗で戦う山口の毛利道場所属の摩嶋一整選手とか活きの良い選手が出てきています。ホント、ああいう風に中央で期待される選手は、少し前まで本当に地方在住ではいなかった。

そういうこれからの選手が、0.5パーセントでも1パーセントでも僕の影響を受けていてくれて、『地方で頑張っている人がいるし』という風に受けて止めていてくれると、それが僕にとって格闘家としての勝利とは……そういうことなんです。

と同時に僕も現役なんで、生徒を教えるのに精いっぱいであまり大きなことを言えないですけど、この地方で頑張っている選手を集めて、さらに底上げしたいです。そうやって、どんどん格闘技が広がってくれることを願ってやまないです」

──福山での活動が、全国に影響しますからね。

「北海道の選手とか、以前から『佐々木選手が頑張ってくれるので、僕も頑張ります』とか連絡をくれるんです。青森の選手とかも。そういう声を聞くと、都心の選手が発する言葉より、少なからず説得力があるかなと思ったりもします。

同じような状況で格闘技を続けている人たちにそう思ってもらえるなら、自分ももう何年できるか分からないですけど、このままやり続けようと思っています」

──では、最後に改めてアマチュシン・フーヘンフウ戦へ向けて意気込みをお願いします。

「いつも今回が最後だと思っています。そうでないと出し切れないですし。劇的な進化はもう今はないですけど、退化もしていません。少しずつですけど、進化しかしていないのでそれしか能がないのですが、仲間と嫁さんとやってきたことを全部ぶつけて勝ちを拾います。

トーナメント中ですけど、今でも修斗のベルトも取りたいという気持ちを持ち続けていますし、まだまだここで落ちるわけにはいかないので、絶対に全部を出して勝って来ます」

■ROAD FC40対戦カード

<Road FC無差別級選手権試合/5分3R+Ex1R>
[王者]マイティー・モー(米国)
[挑戦者]カン・ドングク(韓国)

<ライト級T1回戦/5分3R>
佐々木信治(日本)
アマチュシン・フーヘンフウ(モンゴル)

<ライト級T1回戦/5分3R>
ナム・ウィチョル(韓国)
トム・サントス(ブラジル)

<ライト級T1回戦/5分3R>
ホニ・トーレス(ブラジル)
エルヌール・アガエフ(ロシア)

<ライト級T1回戦/5分3R>
下石康太(日本)
パク・デソン(韓国)

<ライト級T1回戦/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
トニーニョ・フリア(ブラジル)

<ライト級T1回戦/5分3R>
キム・チャンヒョン(韓国)
マンスール・ベルナウイ(フランス)

<ライト級T1回戦/5分3R>
シャミール・ザフロフ(ロシア)
レオ・クンツ(米国)

<ライト級T1回戦/5分3R>
バオ・インカン(中国)
レイドン・ロメロ(フィリピン)

<ミドル級/5分3R>
福田力(日本)
キム・フン(韓国)

<女子フライ級/5分2R>
ライカ(日本)
キム・ヘイン(韓国)

<ライト級Tリザーブマッチ/5分2R>
ジョン・ドゥジェ(韓国)
アレクサンダー・メレスコ(ロシア)

<ライト級Tリザーブマッチ/5分2R>
イ・ヒョンソク(韓国)
パク・へジン(韓国)

<ミドル級/5分2R>
イム・ドンファン(英国)
キム・ジフン(韓国)

PR
PR

関連記事

Arzalet

Road FC43

Movie