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【Special】月刊、青木真也のこの一番:4月編─その参─ミッシェル・ニコリニ×イリナ・マゼパ&フォラヤン

Nicolini【写真】これはアウトのヤツ(C)ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ4月の一戦=その参は21日のONE54からミッシェル・ニコリニ×イリナ・マゼパ戦を語らおう。


──4月の一番、最後の一戦はどの試合になりますか。

「ミッシェル・ニコリニの試合ですね。これはもう相手云々でなくて、ミッシェル軸の話になってしまいます。柔術を究めたファイターが、MMAに来る。それって味がありますよね」

──怖いです。結果的にあの形で関節を極める技量は素晴らしいですが、どうにも取材をした時の相手にされなさ感を思い出してしまって(笑)。

「だからチャンピオンなんですよ。神々しさがある、あの人には。でも、アンクルロックとか教えてくれたり、親切なところもあって。なんといっても柔術に関しては確固たる信念があるし、技術もしっかりとしているんです。あの足首の捻り方とか、凄く上手なんですよ。

僕が次に戦うゲイリー・トノンのようなシステムも彼女は持っています。やっぱり、あるんですよ──ミッシェルは。あの必要ないだろうっていうローキックも味がある(笑)」

──アレ、組みの凄さと対極にあり過ぎるほど不細工なローでしたね(笑)。

「ムエタイだから、時間が掛かると思います。イヴォルブでの打撃の練習は。ミッシェルって、もともとUFCを狙ってどこかで負けてしましたよね」

──RFAですね。

「そうだ。そう、そう。あの中堅団体で負けて、35歳になったのにMMAにチャレンジしている。味があります。インスタの自撮りとかヤバイですよ」

──でも××××じゃないですか。

「そんなの書いちゃダメだよ(笑)」

──私とすれば、ONE54からはニコリニではなくてエドゥアルド・フォラヤン×イブ・タンのONE世界ライト級選手権試合について話してほしいです。

パッキャオと並ぶフォラヤン。勢いのあるフィリピンMMAを象徴するようなシーン(C)ONE

パッキャオと並ぶフォラヤン。勢いのあるフィリピンMMAを象徴するようなシーン(C)ONE

「フォラヤン……強くなっていますね。きっと、今の体重とかも含め、テイクダウンディフェンスの強化など色々な面が合ってきている」

──5R戦っても、回転系の技で軸が乱れていなかったです。

「何か……フィリピン自体が強くなっていますよ」

──青木選手がフォラヤンに勝つには、前回以上に大変な相手になってくると思いました。これまでのアジア・クラスでなく、ワールド・クラスに到達したような。

「大変ですよ。またやるのかどうか分らないけど、やるなら大変になりますね」

──青木選手に勝った試合はフロックでないことが、今回の試合を見て確認できました。

「強かったですね。危なげなかったし、イブ・タンのやりたいことを何もさせなかった。結局、僕も『自分の方が絶対に強い。コントロールしてやろう』というのではなく、博打的な動きが必要だったのかもしれないです。戦いのアプローチとして……。まぁ、後の祭りですけどね(笑)」

──青木選手に勝ったことで、自分のやっていることが間違っていないという自信をつけたかと。

「揺ぎ無く戦っていましたね。格闘技ってそういうモノなんです、一つの勝利でグンと変わる。僕がアジアのチャンピオンとしてやってきて、フォラヤンが頑張って引き継いでいてくれる。僕的にはやるべきことをやったかな……と」

──何を言っているのですか、また対戦して勝ちにく気持ちを見せてくれないと。

「いや、勝ちには行きますよ。ただ、僕がONEに求められた仕事は一つやり遂げたんですよ」

──う~ん。フィリピン全体が活気づいたのは確かです。フィリピンMMA界でいえば、青木選手がフレッド・ブラッシーでフォラヤンは力道山。それほど、今、チーム・ラカイとフォラヤンはフィリピンで盛り上がっていますね。

「そうですね……。MMAファイターの境遇でいえば、フィリピンとか夢があって良いですよ。平均給与が低いから、数千ドルのファイトマネーでも日本選手が受け取る価値と全く違いますからね」

※2011年でフィリピンの平均年収は48万円ほど。日本は400万円を上回る。つまりフィリピン人ファイターが3000ドルのファイトマネーを手にすると、日本人選手の感覚だと300万円強の価値があることになる。

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