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【UFC208】マスター・オブ・RNC対決、憂流迦×ヘイス。勝負の分かれ目はスクランブル??

Ulka【写真】この局面以降、組みの展開、テイクダウン、そしてスクランブルが勝機にも危機になるもなる──憂流迦×ヘイス戦だ (C)Zuffa LLC/ Getty Images

11日(土・現地時間)、ニューヨーク州ブルックリンのバークレイズ・センターでUFC208「Holm vs de Randamie」が開催される。メインの女子世界フェザー級王座決定戦=ホーリー・ホルム×ジャーメイン・デランダミーを筆頭に、アンデウソン・シウバ×デレック・ブルンソン&ホナウド・ジャカレ×ティム・ボッシュなど豪華カードが並んだPPVマッチ以外にも、昨年11月のMSG大会同様にプレリミに注目カードが揃っている。


まず何といっても日本から出場する佐々木憂流迦だ。2014年8月にローラン・デロームを相手に66秒RNCで一本勝ちという鮮烈なUFCデビューを果たした憂流迦。しかし、その後はレアンドロ・イッサ、テラー・ラピルーと連敗し世界の壁を経験した。

昨年5月のオランダ大会でフライ級に階級を下げ、ウィリー・ゲイツにRNCで一本勝ちし活路を開いた憂流迦は、11月に対戦が決まっていたマテウス・ニコロウがドーピング検査で陽性となり試合が消滅、今回のヘイス戦が決まった。

2004年ムンジアル茶帯優勝のヘイスは、MMAではElite XCやBllatorというUFCの向こうを張るメジャーで活躍し、EXCではバンタム級王者になるもベラトールで2度バンタム級トーナメント出場は決勝進出を果たせなかった。

ベラトールをリリースされた後、ヘイスはブラジル、フィラデルフィアのローカルショーを経て英国のCage Warriorsで3連勝、代役出場でUFCと契約を果たし、1勝1敗の3戦目よりフライ級へ。移行は3勝1敗という戦績を残している。

身長178センチの憂流迦と163センチのヘイス。リーチの違いも明白だが、ともにサウスポーで、テイクダウンから寝技、もしくはバックを狙うという試合展開も似ている。そうなると、やはりこの腕の長さを憂流迦は組みの展開で有効活用したい。

柔術ベースのヘイスに対し、憂流迦はレスリングという下地を持つ。ヘイスのダブルレッグをしっかりとスプロール&がぶって防ぎ、クリンチの展開になったところでリーチの差を生かしてテイクダウンを奪うことができるか。

ここをクリアした場合、より気をつけないといけないのは、今やMMAでは余り見られなくなったヘイスのハーフガードからの潜り&スイープ。特にひっくり返されまいとスクランブルの展開になった時にバックを許すことだけは絶対に避けたい。

また、組み以前の試合のなかでは──憂流迦の打撃がどれだけ成長しているか予測はしづらいが、ダメージを与えるよりもヘイスの飛び込み&テイクダウンを遮断、自らのレンジの構築とテイクダウンへのタイミングを使うために打撃を使いたい。

NYに先入りし、調整を続けるなどこの試合の持つ意味を誰よりも理解しているのが、憂流迦自身だ。とにかく勝利という結果を手にしたい。そのためには、テイクダウン後のトップコントロールが特に大切になってくる。スイープの仕掛けに気を付け、逆にスクランブルでバックを取りたい。

憂流迦はRNCで9度勝利しており、ヘイスは6度。ただヘイスはトップを取った時にハーフからの肩固めという得意技もある。やはり憂流迦としてはテイクダウンを奪われたとしても、背中をマットにつけたくない。つまりはスクランブル勝負──そこがこの一戦の鍵を握る。

■UFC206対戦カード

<UFC世界女子フェザー級王座決定戦/5分5R>
ホーリー・ホルム(米国/※女子バンタム級2位)
ジャーメイン・デランダミー(オランダ/※女子バンタム級10位)

<ミドル級/5分3R>
アンデウソン・シウバ(ブラジル/7位)
デレック・ブルンソン(米国/8位)

<ミドル級/5分3R>
ジャカレ・ソウザ(ブラジル/3位)
ティム・ボッシュ(米国/13位)

<ライトヘビー級/5分3R>
グローバー・テイシェイラ(ブラジル/3位)
ジャレッド・キャノニア(米国/15位)

<ライト級/5分3R>
ダスティン・ポイエー(米国/10位)
ジム・ミラー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ランディ・ブラウン(ジャマイカ)
ベラ・マハメッド(米国)

<フライ級/5分3R>
ウィルソン・ヘイス(ブラジル/5位)
佐々木憂流迦(日本)

<ライト級/5分3R>
ニック・レンツ(米国)
イスラン・マカチェフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
イアン・マッコール(米国/6位)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャスティン・ウィリス(米国)
マルチン・ティブラ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ライアン・ラフレアー(米国)
ホアン・ジュカオン・カルネイロ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
フィリップ・ノヴァー (米国)
リック・グレン(米国)

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