【HEAT38】HEAT初陣=宇良戦に向け、岸本泰昭<01>「何よりも拘ったのはケージで戦うこと」
【写真】覚悟をもってのHEAT参戦となる岸本(C)MMAPLANET
25日(日)、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT38。キックボクシング& MMAで4試合のタイトル選手が組まれた同大会において、注目のライト級ワンマッチが実現する。それが岸本泰昭×宇良健吾の一戦だ。
長らくDEEPライト級戦線で活躍し、3月の下石康太戦に敗れた岸本が再起を賭けた場所にHEATを選んだ。過去に盟友・ストラッサー起一がパンクラスからHEATに転じた際なども、セコンドに就き名古屋発ケージ格闘技に間近に接してきた。
今回は宇良とのいってみれば、後の無い者同士の一戦。新天地で降り立つ心境、そして宇良への印象と今後について岸本に尋ねた。
──これまでHEATにはセコンドで訪れていた岸本選手ですが、その時に感じていた印象を教えてもらえますか。
「ハイ、試合は初めてですが、ストラッサー起一選手や手塚(基伸)選手のセコンドでHEATというイベントについては──きっと首都圏の人とかHEATを見たことがない人が想像するよりも、格闘技として良い大会だと僕は思ってきました。
出ている選手も各階級とも決して層は厚くないのですが、粒ぞろいというか強い選手が出ています。それはホント、一度見ると分かることやと思います。
少しルール的には違う部分もあるのですが、ずっと前からケージを使っていましたし、よく日本の大会で使われるケージにはない……あのなんて呼ぶのか知らないですけど……キャットウォークっていうんですか? ラウンドガールが歩く幅のあるケージなんで、なんかそういうところも興味深かったです。
あれがあると客席の数を少なくしないといけないから、なかなか日本では見られないですよね」
──なるほど、着眼点が面白いですね(笑)。HEATはキックボクシングとの合同興行なので、ケージサイドにいて強く思うのはキックのファンは寝技になると一気に興味を失って、会場が静まり返るということなんです。
「あぁ、それは僕ら戦う方は意識したことはないですね(笑)。確かにダニロ・ザノリニ選手の試合なんて、盛り上がり方も凄いですよね。日系ブラジリアンのファンの人の応援も凄くて、何か……もう王国みたいになっていますもん。キックは一発で終わることも多いし、確かに盛り上がっていますね。
対して、手塚選手と春日井(健士)選手の試合は凄く良い試合やのに静かでしたし。でも、その方がセコンドの声もよく聞こえるし、僕は戦いやすいと思います。それよりもキックって一瞬にして試合が終わることがあるので、アップとかのタイミングが難しい。セコンドをしていて、そう思いました。今回の試合も前の試合がキックなので、その辺は気をつけようと思っています」
──そこはホント合同イベントならではですね。ところで試合順が第5試合になっています。これは最近の岸本選手の試合ではかなり早い方ではないですか。
「試合が流れたのですが、VTJ大阪大会は本戦6試合で3試合目に予定されていました。あと同じ2014年の8月のDEEP、大原樹里戦も6試合目で前半戦でしたね。やっぱりメインとか、後ろ方は遣り甲斐を感じますが、控室にいる時間が長いと、緊張している時間が長くなるので、早く試合をする方が気持ち的には楽です」
──確かにそういう選手は少なくないですね。ところで岸本選手は、これまでDEEPでライト級王座を狙ってきたのですが、ここでHEATに出場するということはDEEPライト級チャンピオンの座は諦めたということでしょうか。
「そうですね……諦めてはいないです。ただ、もうDEEPのライト級の選手とは一通り戦ったというのがありました。また一回りするのかと考えると……国内でも新鮮なこれまで戦う機会のなかった選手と試合をして、PXCとか海外の試合にも出てきたいとも考えています。
何よりも拘ったのはケージで戦うことでした。それはHEATで戦う理由の一つではあります。もう、僕と一緒に練習しているメンバーもケージ用の練習ばかりですし……。DEEPはずっと戦ってきた場所ですし、また縁が巡ってくればチャンピオンも……諦めたわけではないです。ただし、誰もリングの練習はしていないし、僕もケージで戦っていきたいとは思っていました」
──宇良戦はタイトルが掛かってもおかしくない戦いです。
「そうですね、良い試合をして。ベルトを賭けて戦うところが見たいと声を掛けてもらえるような試合をしたいと思います」
<この項、続く>
■ HEAT38対戦カード
<HEATキックルール・ミドル級選手権試合/3分5R>
[王者] ダニロ・ザノリニ(ブラジル)
[挑戦者] ジン・シジュン(韓国)
<HEAT総合ルール・フライ級王座決定戦/5分5R>
春日井健士(日本)
キム・キュソン(韓国)
<HEATキックルール・ヘビー級選手権試合/3分5R>
[王者] プリンス・アリ(イラン)
[挑戦者] ムラット・エイガン(オランダ)
<HEAT総合ルール・バンタム級王座決定戦/5分5R>
祖根寿麻(日本)
赤尾セイジ(日本)
<総合ライトヘビー級/5分3R>
井上俊介(日本)
チョン・ダウン(韓国)
<キック・ライト級/3分3R>
チャオ志村(日本)
KAZUHO(日本)
<総合ライト級/5分3R>
岸本泰昭(日本)
宇良健吾(日本)
<キック63キロ契約/3分3R>
小川翔(日本)
NATUKI
<総合ライトヘビー級/5分3R>
ルーカス・タニ(ブラジル)
グァク・ユンソプ(韓国)
<キック・ライト級/3分3R>
般若HASHIMOTO(日本)
ヘンリー・セーハス(ボリビア)
<総合ライト級/5分3R>
ジャック・ベッカー(豪州)
玉木壽成(日本)
<NEW AGEキック・57キロ契約/3分2R>
鈴木万李弥(日本)
マリアナ・ヌーン(ブラジル)