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【Japanese National BJJ】フェザー級は杉江が優勝、茶帯世界王者・橋本がライトフェザー級制す

Feather Final【写真】フェザー級でアダルト復帰、岩崎正寛が不在とはいえいきなり国内の頂点に返り咲いたといって良い杉江の優勝だ(C) TSUBASA ITO

16日&17日(土・日)の両日、東京都大田区の大田区総合体育館にてJBJJF主催の「ジャパニーズ・ナショナル柔術選手権2016」が開催された。
Text by Takao Matsui 

Light Feather Final若き実力者の揃ったアダルト黒帯ライトフェザー級は、同階級らしいスピーディーかつ細かいテクニックの攻防が展開された。決勝へ進出したのは、従来の階級よりも1階級重い階級で同大会に挑んだ橋本知之(CARPE DIEM)と鍵山士門(デラヒーバジャパン)。

橋本は宮地一裕(修斗ジムroots)からスイープ、パス、バックマウントとポイントを重ね、決勝へ駒を進めた。

鍵山は宇原浩一(NR柔術)から送り襟絞めで一本勝ち(2分41秒)、山田秀行(トライフォース柔術 アカデミー)戦は接戦となるがレフェリー判定で辛勝した。決勝は勢いに乗る橋本がバックマウントを奪い、送り襟絞めから三角絞めに移行。鍵山からタップを奪い(7分16秒)、頂点に立った。

注目を集めたのは、アダルト黒帯フェザー級。杉江アマゾン大輔(CARPE DIEM HOPE)が参戦したことで、熱い戦いが繰り広げられた。その杉江は、彼が第一線から身を引いている間に台頭してきた柔術家に苦戦を強いられる。初戦となった大塚博明(PSBJJ荻窪)、これまで通り上から攻める杉江に対して、ガードからカウンターを狙う大塚。両者とも得点を加算できずに、レフェリー判定へ。どちらが勝ってもおかしくない内容だったが、レフェリーは杉江を支持した。

一方、優勝候補の加古拓渡(グラップリングシュートボクサーズ)は、ライバル塚田市太郎(ダムファイト ジャパン)からスイープで2ポイントを奪うと、アキレス健固めで一本勝ち(3分18秒)を収め、決勝へ弾みをつけた。

Feather Podium決勝戦は──杉江と加古にとって5度目の対決となった。過去4度、全て勝利を収めている杉江だが、初めての階級になるため、過去の戦績は白紙となり互角の展開が予想された。上から攻める杉江と下からの攻撃を狙う加古。

動けばポイントを奪われる可能性があるためか、両者ともに攻められない。膠着により注意のアドバンスが両者に与えられた。先に動いた杉江はスイープで2ポイントを先取。すかさず加古も同様に2ポイントを奪い、再び膠着が続く。

アドバンでリードを許した加古がフックスイープを狙うが、杉江が潰して立ち上がりの際で投げを打つ。崩れながらも杉江のパスが成功し、3ポイントを奪取。逆転の優勝を決めた。今回の優勝で27ポイントを獲得した杉江は、過去3年の合計獲得ポイントが54ポイントとなり6月のワールド柔術出場権を得ることとなった。

Light Podiumアダルト黒帯ライト級は、細川 顕(CARPE DIEM HOPE)の独壇場となった。初戦のジェイソン・ギャクノン(アリアンシLA)戦は、互いにスイープを奪い合う互角の展開になるが、ダブルガードで両者に注意が与えられ一気に勝負が動く。

「映像で研究していた通りの動きをしたので大丈夫でした」と語るように細川はスイープでポイントを奪い4-2で快勝した。決勝でも細川は、金子竜也(パラエストラ東京)をレフェリー判定で破った高本裕和(ポゴナ・クラブジム東大和)からバックマウントで3ポイントを奪うと、下からの腕十字で一本勝ちを収めた(2分24秒)。

細川は翌日の無差別に出場すれば世界大会出場条件をクリアできる可能性があったが、今週末のワールドプロ柔術出場を控えており、これを回避。今年はアブダビでの×世界に専念する選択をした。

■ジャパニーズ・ナショナル柔術選手権2016 アダルト黒帯のリザルト

【ライトフェザー級】
優勝  橋本知之(CARPE DIEM)
準優勝 鍵山士門(デラヒーバジャパン)
3位  宮地一裕(修斗ジムroots)
3位  山田秀行(トライフォース柔術 アカデミー)

【フェザー級】
優勝   杉江アマゾン大輔(CARPE DIEM HOPE)
準優勝  加古拓渡(グラップリングシュートボクサーズ)
3位   大塚博明(PSBJJ荻窪)
3位   塚田市太郎(ダムファイト ジャパン)

【ライト級】
優勝  細川 顕(CARPE DIEM HOPE)
準優勝 高本裕和(ポゴナ・クラブジム東大和)
3位  金子竜也(パラエストラ東京)
3位  ジェイソン・ギャクノン(Alliance Los Angeles)

【ミドル級】
優勝  アンデルソン・タカハシ(Rocha Jiu Jitsu)
準優勝 出花崇太郎(MMA&BJJ道場コブラ会)
3位  ヴァイキング・ウォン・ワイチュン(GF Team International)

【ヘビー級】
優勝  サダヨシ・ホベウト・クリモリ(Fight Move BJJ)※

【オープンクラス】
優勝  アンデルソン・タカハシ(Rocha Jiu Jitsu)
準優勝 高本裕和(ポゴナ・クラブジム東大和)
3位  金子竜也(パラエストラ東京)
3位  宮地一裕(修斗ジムroots)

※は一人エントリー優勝

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