【ONE31】あり得ない。ポジションを戻せず、エルボーを後方に振るうだけのケリーに田中が判定負け
<フェザー級/5分3R>
エリック・ケリー(フィリピン)
Def.3-0
田中半蔵(日本)
間合いを測る両者、ケリーが右ハイをまず放つ。田中は右ロー、ケリーが左ローを返す場面が2度続く。ケリーが右ローから右ハイを見せると、再びローの蹴り合いに。ローからケリーは右を伸ばすが、田中は距離を取る。ケリーは引き続き右ハイを狙う。田中は右を入れてスッと離れる。ケリーの右は遠いが、続く右ミドルで田中の動きが止まる。組みに来た田中を投げ捨てたケリーだが、田中はすぐに立ち上がってダブルレッグでリフトアップ。ケージを掴むケリーを逆に倒す。
ケリーもすぐに立ち上がった田中はバックを取り、さらに正面からダブルレッグを決める。スクランブルのなかでケリーが逆にケージに田中を押し込むも、田中はバックに回り後方からパンチを入れる。最後もバックからヒザを入れた田中、ほぼ互角の拮抗した初回だった。
2R、ケリーは右ローを放つ。続いて得意の右前蹴りを2発。田中は左ストレートを伸ばし、右ジャブを入れる。ケリーは大きな振りの右フックから、鋭い右ロー。続いて右ストレートを狙う。田中は左フックから右ストレートを打ち込むと、ケリーがケージ際に下がる。離れた田中にケリーは右ミドル。続く右ミドルに右をヒットした田中は、ケリーが離れようとしたところにも右をヒットさせる。ケリーのパンチをバックステップでかわした田中だが、続く右ハイが顔面を掠める。
田中は左を入れて組むと、ボディロックからテイクダウン。そのままバックに回りパンチを入れる。正面に回り込み、ボディロックからしっかりとスラムするようにテイクダウンに再び成功した田中は、臀部にヒザ蹴り。ケリーは後方にエルボーを放つ。これで右目尻をカットし流血に追い込まれた田中だが、このラウンドは完全に優勢に試合を進めた。
最終回、田中の右フックは空振りに。足を使ってリズムを取り直した田中に、ケリーが左サイドキック。田中はショートのワンツー、ケリーも右フックを放つ。ケリーは右ミドル、手数が少ない田中だが、組むと一気にケリーをケージにドライブしていく。懸命にスプロールしようとしたケリーのバックに回った田中がパンチ、ケリーはエルボーからシングルで尻餅を着かせる。すぐにバックを制した田中に、ケリーはエルボーを連続で放つ。激しい流血に見舞われながら、バックコントロールを続ける田中がボディにヒザ蹴り。残り1分で、ボディロックからテイクダウン!! スイッチ狙いのケリーだが、背中を譲った場面が続く、最後に両足をフックし田中は前方に落ちながらも、即バックを取り返しタイムアップに。
ジャッジの裁定は3‐0でケリーという信じ難い結果に。バックをコントロールされ続けエルボーを闇雲に後方に放つだけで、ポジションを取り返せないファイターが、カットを誘っただけで判定勝ちとは全く納得できない結末となった。