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【RFC24】イ・イェジと対戦しなしさとこ<02>「息子が書いた七夕の短冊……」

Satoko Shinasi【写真】愛息が短冊に書いた願いをケージのなかで実現できるか (C)TURTLE SPRING

25日(土)に東京都江東区の有明コロシアムで開催されるRoad FC24でイ・イェジと対戦する、しなしさとこインタビュー後編。

22歳の年の差対決を前に、「対戦相手は問わない」というしなし。ROAD FC本大会、韓国大会出場希望を明言し、その裏にある家族、愛息とのエピソードを語ってくれた。
Text by Turtle Spring

<しなしさとこインタビューPart.01はコチラから>

――さて、7月25日に有明コロシアムで開催される、ROAD FC日本大会の話に移ります。最終的に対戦相手はイ・イェジに決定しました。復帰した当初は、ソン・ガヨンとの対戦を希望していましたね。

「うーん……正直、対戦相手にはこだわっていませんでした。昨年10月の復帰戦で勝ったあと、ソン・ガヨン選手の名前を出したのも、相手のことをそれほど知っていたわけではなかったんです。私は韓国で試合をしてみたかったんですよね」

――ROAD FCで、ですか?

「はい。私って……どうしても『しなしさとこ=DEEP』というイメージがあったじゃないですか」

――実際、DEEPが主戦場であり、DEEPの女子フライ級王者でした。

「佐伯(繁DEEP代表)さんにはお世話になりましたし、佐伯さんのおかげで復帰できたので、すごく感謝しています。DEEPがどうではなく、私もあと何年、格闘技を続けられるか分からない。そこで新しいことに挑戦したいと思ったんですね」

――そこでROAD FC日本大会出場のオファーがあった時、どのように感じましたか。

「また一歩、自分が成長できるキッカケになるんじゃないかな、と思いました。次の試合に勝って、ぜひ韓国でも試合をさせてもらいたいですね。今からもう韓国語を勉強していますから(笑)」

――今回の試合は当初、パク・ジヘとの対戦が予定されていました。

「身長が168センチ……私より20センチも高い。そんな相手の情報を聞いた時も、スマックガールの頃を思い出しました。当時は私が44キロぐらいなのに相手は60キロぐらいあったり、身長差が20センチぐらいあったりして」

――今の女子MMAでは、なかなか考えられないことですが、当時はそんな試合が多かったです。

「スマックガール時代って、みんなピリピリして戦っていましたけど、そんなピリピリ感を知っている人は、もう少なくなったんでしょうね」

――もう10年前の話ですから。

「私も結構、息が長いですよね。6年も休んでいたのに、40戦近く(32勝2敗2分)しています。でもそんな経験があったから、20センチも身長差がある相手との試合オファーも受けたんですよ」

――しなし選手といえば、打って組みつき、投げて極めるという試合スタイルです。先ほど言われた20センチも身長差があったり、20キロ以上体重差のある相手に対しても同じスタイルで勝利していました。

「究極のワンパターンと言う人もいますね(笑)。でもそう言うけど、相手はそのパターンが分かっているのに投げられる。それが私の強みでした。投げに入るタイミングは、自分の中に持っているものがあると思うんです。そもそもスマックガールのルールに比べたら、今のルールは良いですよ」

――寝技30秒制限ルールのことですか。

「そう。30秒の間によく極めることができていたなって、思います」

――しなし選手や辻結花選手は、テイクダウンした瞬間にパスした状態になることを、徹底していましたね。

「でないと30秒以内に極めるのは難しいですから。投げてからすぐに関節技に入る練習をしていました。今は練習でも、“ニューしなしさとこ”になれるよう、いろいろ考えてやっています」

――しなし選手はリングでの試合経験は豊富です。次の試合がケージという部分に関してはいかがでしょう?

「昨年の大晦日に初めてケージで試合をやらせてもらいましたけど、組んでもリングだと逃げられやすいですね。だからケージのほうがやりやすいかなぁ……。でもそこはあまり気にしていませんね。私も試合では、真ん中の場所で投げるようにしていますから」

――なるほど。さて、パク・ジヘが練習中の負傷のため今大会を欠場。しなし選手の対戦相手はイ・イェジに変更となりました。

「パク・ジヘ選手の負傷欠場は仕方がないことです。早く治してもらって、次回また対戦したいですね」

――イ・イェジは16歳の現役高校生だそうです。

「もう年齢なんて関係ないですよ。藤野恵実選手と対戦した選手も、若いけど強かったじゃないですか」

――18歳のパク・ジョンウンですね。5月3日のROAD FCでは藤野選手に判定で敗れたものの、試合内容では大きなインパクトを残しました。

「打撃では押していましたね。でも私にとっては、もう対戦相手が誰かも関係ないです。今の私が求めているのは、そことは違うんです」

――今のしなし選手が試合に求めるものとは?

「試合はやってみないと、どうなるかは分かりません。でもどんな試合でも勝ちたい、という気持ちは大前提です。その前提のうえで、自分がやってきたことを、どれだけ出せるか。どれだけ自分の課題をクリアできるか。それしか考えていません。対戦相手が変わっても、自分が挑戦するという気持ちに変わりはないので」

――分かりました。ところで最後に、現在の練習スケジュールだと家事を行う時間はあるのですか。

「家族みんながすごく協力的で、家事は分担してくれています。試合はしたい。でもしっかり練習して、体もしっかり作る。やることはやって試合に出たいんですね。でも練習だけじゃなくて、家のこともしっかりやりたい。良い妻であり、良い母であり、良いファイターであろうとするためには、結構大変です(苦笑)」

――今お子さんは6歳、お母さんがそれだけ練習に出ていると、寂しがったりはしないですか。

「そのぶん、一緒にいられる時間は密に過ごしています。先日も七夕だったから、いろんなものを作りました。息子もちゃんと分かってくれていて、『ママ、頑張ってきてね』と送り出してくれるんですよ。それと七夕の短冊には感動しました」

――お子さんのお願い事は何だったのでしょうか。

「ママが強くなりますように、って」

――……家族全員のサポートがあるのですね。

「家族や友人のおかげで、格闘技人生で一番、練習環境が充実しています。昔もこんな環境があれば……と思うこともありますけど、今のタイミングだから良いのかもしれないですね。38歳になって、こんなに真剣になれることがある。今はただ純粋に強くなりたいです」

■ ROAD FC 24 対戦カード

<RFCミドル級王座決定戦/5分3R+Ex>
福田力(日本)
ジョン・オジン(韓国)

<無差別級/5分3R>
カルロス・トヨタ(日本)
チェ・ホンマン(韓国)

<ヘビー級/5分3R>
川口雄介(日本)
チェ・ムベ(韓国)

<ミドル級/5分3R>
ミノワマン(日本)
キム・デソン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
中原太陽(日本)
キム・スーチョル(韓国)

<88キロ級契約/5分3R>
高瀬大樹(日本)
ユン・ドンシク(韓国)

<女子アトム級/5分2R>
しなしさとこ(日本)
イ・イェジ(韓国)

<ライト級/5分2R>
大原樹里(日本)
イ・グァンヒ(韓国)

■ YOUNG GUNS 23 対戦カード

<フェザー級/5分2R>
今野寛和(日本)
ホン・ヨンギ(韓国)

<バンタム級/5分2R>
佐藤将光(日本)
キム・ミンウ(韓国)

<フェザー級/5分2R>
原井徹(日本)
キム・ホジュン(韓国)

<フライ級/5分2R>
南出剛(日本)
キム・ヒョリョン(韓国)

<フェザー級/5分2R>
榎本明(日本)
ベク・スンミン(韓国)

<ミドル級/5分2R>
尾崎広樹(日本)
中村勇太(日本)

<フェザー級/5分2R>
鷹島大樹(日本)
杉山和史(日本)

<フェザー/5分2R>
小金翔(日本)
沢井隼人(日本)

<バンタム級/5分2R>
大場翔(日本)
金井卓也(日本)

<ウェルター級/5分2R>
鈴木友希(日本)
田辺丈人(日本)

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