【Bellator】テイクダウンと空振りは、空振り=マーシャルに凱歌
<ミドル級T準決勝/5分3R>
ダグ・マーシャル(米国)
Def.2-1:29-28, 29-28, 27-30
スルタン・アリエフ(ロシア)
遠い位置からマーシャルはロー、右フックを放つも空振りに。直後に組みついたアリエルが、両差しからアウトサイドトリップでテイクダウンを奪う。マーシャルは立ち上がろうと、背中をケージにつけ、マットを押そうとするが、顔面ががら空きになりパンチを受ける。クローズドガードを取ったマーシャルが腰を切って腕十字を狙うと、アリエフはすぐに察知し腕を引抜く。
狭いスペースで、鉄槌を落すアリエフは立ち上がって腰を押しハーフガードへ。マーシャルがすぐにフルガードに戻す。背中を預けて立ち上がったマーシャルが、胸を合わす。再びテイクダウンに成功したアリエフが、首を抱えてきたマーシャルの顔面にパンチを入れる。立ち上がることができないマーシャル、残り30秒もアリエフがトップから細かいパンチを落すも、残り10秒でブレイクが命じられる。大きく振り被ったマーシャルをアリエフが、ダブルレッグで倒したところで初回が終了した。
2R、左ハイからパンチで前に出るマーシャルを組みついて倒したアリエフが、そのままサイドを取る。足を戻したマーシャルがクローズドへ。アリエフが上体を起こすと、バタフライガードと、パンチを受けないようディフェンスのためのガードワークを駆使する。ブレイクで試合がスタンドに戻ると、アリエフが左ジャブを伸ばす。左を大きく振るって前に出るマーシャルだが、アリエフは距離を取る。
蹴り技も織り交ぜるマーシャル、アリエフは蹴りに合わせてダブルレッグを決める。立ち上がり際にここでもパンチを入れたアリエフは、抑え込みに拘らずスタンドへ戻る。続くダブルレッグを切ったマーシャルは崩されてなお、組みついてきたアリエフのボディにヒザを入れる。組み勝ち逆にアリエフをケージに押し込んだマーシャルだったが、すぐに体を入れ替えられ2R終了の合図を聞いた。
最終回、再びハイから前に出るマーシャル。下がる場面が多いアリエフの動きをジャッジがどのように判断するか。前に出るマーシャルだが、左フックに組みつかれバックを許す。後方からパンチを入れるアリエフが、マーシャルの体を一瞬持ち上げて、そのまま両足をフック。バックマウントを奪われたマーシャルが、胸を合せようとしたところでスタンドに戻ったアリエフ。左フックにシングルレッグを合せてドライブし、両足をすくってここでもテイクダウンを決めた。
アリエフは腰をコントロールし、足を払ってパンチを入れる。背中をつけたマーシャルはハーフから脇をさし、フルガードへ。レフェリーがブレイクを命じスタンドに戻ると、パンチに逸るマーシャルに対し、アリエフがシングルで組みつきダブルでテイクダウンへ。残り30秒、尻餅をつきてケージを背にするマーシャルは、両手を挙げて大丈夫だという仕種を見せる。
レフェリーに救われるようにスタンドに戻ったマーシャルは、飛びヒザを見せる。と、ここに合わせてアリエフが引き込んでガードへ。マーシャルがパウンドを落したところで試合はタイムアップとなった。結果、2-1でマーシャルがスプリット判定勝ちに。テイクダウンを取られ続け、ブレイクで立ち上がると、ヒットでなくパンチの勢いで勝利を手にしたマーシャルは「ヤツは女みたいだった」とコメントを残した。MMAはパンチ合戦でも、レスリングでもない―が、決まっていたのはマーシャルのパンチでなく、アリエフのテイクダウン。非常に歪な試合で、歪な判定が下った。