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【Pancrase263】ワールドスラム準決勝、北岡戦を掴むのはアキラか奥野か

AKIRA vs Okuno【写真】打ち合い上等の両者。ただし、打ち合い以外の部分が勝負を左右する可能性も低くない(C)TAKUMI NAKAMURA

6日(土)、東京都江東区のディファ有明で開催されるPancrase263。今大会では大山峻護のラストファイト、王者レッツ豪太×チャレンジャー近藤有己のウェルター級キング・オブ・パンクラスタイトルマッチと注目カードが組まれているが、ワールドスラムトーナメントライト級準決勝戦のアキラ×奥野“轟天”泰舗も見逃せない一戦だ。

ワールドスラムは昨年9月からスタートした日本選抜×世界選抜という形の8人制トーナメントで、ライト級では1回戦4試合が行われたあと、準決勝が延期されたままだった。約1年ぶりに再開したトーナメントは10月5日のディファ有明大会で準決勝の北岡悟×リッチー・ウィットソンが行われ、初のケージ&ユニファイドルールで勝利した北岡が決勝進出を決めている。

もう一つの準決勝ではノヴァウニオンのフィリップ・オリビエリとATTのボグダン・クリスティアが両者ともに欠場。紆余曲折の末、1回戦には出場していなかったパンクラスのライト級2位アキラ、そしてパンクラス以外のプロモーションで実績を残す奥野が抜擢され、日本人対決で準決勝を争うことになった。

アキラは五味隆典率いる久我山ラスカルジムの出世頭。師匠・五味のような卓越したボクシングスキルや柔軟性を感じさせるパンチはないものの、筋骨隆々の体から繰り出す左ストレートとテイクダウンを駆使した直線的なファイトで、2013年にパンクラスに主戦場を移してからは4勝1分と無敗街道を突き進んでいる。

対する奥野は無類の打たれ強さとノーガード、笑顔で打ち合う姿が印象的だが、格闘技のバックボーンは剛柔流空手。派手なKOシーンに目がいきがちではあるものの、構えをスイッチしながらのフックやプレッシャーのかけ方には他の選手にはない独特のものを感じさせる。

お互いに小細工なしで真っ向勝負するタイプ、公開練習でも両者は「自分はKOを狙うので、打撃戦になる可能性は高い」(アキラ)、「僕は逃げない。アキラ選手が打撃を嫌がらなければ打撃戦になる」(奥野)とコメントしており、スタンドの打撃で攻防する時間が長くなる可能性は高い。だからこそMMAではそれ以外の攻防での強さで差が出てくるのではないだろうか。

アキラには豊富なスタミナを活かし、テイクダウンの攻防で相手を“削る”ことでスタンドの打撃を有利に運ぶという選択肢もある。奥野も廣田瑞人、石渡伸太郎、神酒龍一といった完成度の高いMMAファイターの多いCAVEで練習を積み、TEAM OTOKOGIばかりでなくプライベート・クラスでも植松直哉に師事するなど、組技の向上にも余念がない。打撃戦のまま試合が決着する可能性も十分にあるが、アキラが組んでテイクダウンのアプローチを仕掛け、そこで生まれるスクランブルの攻防に要注目。アキラがテイクダウンにも成功するか、それとも奥野がスタンドに戻すor逆にトップキープするかどうか。

2015年春に予定されている決勝戦――大晦日に吉田善行戦が控えている北岡との決勝を見据える意味でも、打撃戦のなかで如何に両者の組技スキルが垣間見える試合になるのかも期待したい。

■ Pancrase263対戦カード

<フェザー級/3分3R>
杉山和史(日本)
三苫“キングコング”亮人(日本)

<フェザー級/3分3R>
蓮實光(日本)
飯嶋貴幸(日本)

<バンタム級/3分3R>
阪中カツヒロ(日本)
亮AKB(日本)

<バンタム級/3分3R>
工藤修久(日本)
統好(日本)

<スーパーフライ級/3分3R>
宮城友一(日本)
鮎田直人(日本)

<スーパーフライ級/3分3R>
小野隆史(日本)
田中智也(日本)

<無差別級/3分3R>
大山峻護(日本)
桜木裕司(日本)

<ウェルター級 K.O.P.T./5分3R>
[王者] レッツ豪太(日本)
[挑戦者] 近藤有己(日本)

<ワールドスラムT準決勝戦 ライト級/5分3R>
アキラ(日本)
奥野“轟天”泰舗(日本)

<ウェルター級/5分3R>
村山暁洋(日本)
鈴木槙吾(日本)

<スーパーフライ級/5分3R>
古賀靖隆(日本)
北郷祐介(日本)

<ライト級/3分3R>
児山佳宏(日本)
太田駿平(日本)

<フェザー級/3分3R>
原田惟紘(日本)
牛久絢太郎(日本)

<フライ級/3分3R>
小塚誠司(日本)
須田悠(日本)

<スーパーフライ級/3分3R>
廣瀬勲(日本)
井島裕彰(日本)

<バンタム級/3分3R>
CORO(日本)
佐々木郁矢(日本)

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