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【WEC47】次から次へ注目カードが連続、準主役は?

86e42984.jpg6日(土・現地時間)に行なわれるWEC47「BOWLES vs CRUZ」は、フィットネス&格闘技博覧会というべき、アーノルド・スポーツ・フェスティバルの一環として、オハイオ州コロンバスのネイションワイド・アリーナで開かれる。

【写真】現役生活を懸けた戦いに挑むジェンス・パルバー。元来、組技師には強味を発揮してきたが…… (C) ZUFFA

メインの世界バンタム級選手権試合ブライアン・ボーウェルズ×ドミニク・クルーズ以外に、用意された対戦カードは、4月24日にPPVマッチが控えているとは思えない試合ばかり。この1年、軽量級に特化したWECの試みが当たった証といえる好カードが並んでいる。昨年2月にウェルター級以上の王座を廃し、配下選手もUFCに移管。ライト級以下の軽量級専門のプロモーションとなったWECは、この間、アフリクション配下にあったファイターを吸収、中堅プロモーションで結果を残している選手を抜擢し、みるみるうちにバンタム&フェザー級の層が厚くなってきた。

層の厚さに輪を懸けているのが、UFCライト級から階級を下げてWECに戦場を移してきたファイターたちだ。元祖・元UFCスター→WEC移籍組のジェンス・パルバー。米国軽量級のパイオニアは、TUFシーズン5という現在のUFCライト級隆盛の基礎を創ったシリーズのコーチ対決でBJ・ペンに敗れ、日本の修斗で戦った経験のある145ポンドに体重を落とすことを決意した。


基本的にキャリアの少ないファイターが多いWECで、そのインサイドワークを駆使して、トップの一角を維持すると思われたが、デビュー戦のカブ・スワンソン戦では35秒で一本勝ちを収めた以降、ユライア・フェイバー、レオナルド・ガルシア、再びユライア、そしてジョシュ・グリスピと敗北を重ねてしまった。

長年のキャリアによる強味――インサイドワークが生きるよりも、長年のファイター生活による打たれ弱さが目立つようになってしまったパルバー。現役生活が懸ったラストチャンスは、グラップラーのハビエル・バスケスという、やや温情カードが組まれた。

Vasquez(C) ZUFFA【写真】判定では不利になることは承知で、不得手の打撃よりも、どんどんガードワークからの仕掛けを見せてほしいハビエル・バスケス (C) ZUFFA

とはいえ、カリフォルニア・グラップリング界の大物も、アフリクションから移籍後、LC・デイビスとデヴィダス・タウロセビチュスに連敗。デイビス戦は、ジャッジの見方が疑われる敗北だったが、一度下った裁定は覆らない。32歳、ヒザの負傷と戦い続けてきた組技師も、パルバーとの勝負に現役生活を懸けて挑んでくるだけに、簡単なファイトにはならないだろう。

倒されずに殴る、倒されるとすぐに立つ――というスタイルの開祖でもあるパルバーだが、引き込むことをいとわないバスケスの寝技を防ぐことができるか。マット・ヒュームとトレーニングを積むようになって1年、2000年8月のWEFでディン・トーマスに敗れて以来、実戦では避けてきた寝技での成長が、パルバー勝利の鍵を握っている。

レオナルド・ガルシア (C) MMAPLANET【写真】ループ相手に、魂の打撃戦を繰り広げたいレオナルド・ガルシア。ここで負けると本当に厳しくなる (C) MMAPLANET

パルバー同様にUFCからWECへ移ってきたレオナルド・ガルシアは、これも元UFC組のジョール・ループとの対戦となる。WECでは3勝2敗、マイク・ブラウンの王者時代にタイトル挑戦し敗北。その後復帰戦で勝利したが、昨年11月にこれもUFC組マニー・ガンバーリャンに判定負けを喫し、タイトル戦線から脱落、ノーTVマッチからの仕切り直しとなる。

一方、対戦相手のループはシーズンの盛り上がりとは反して、苦戦を強いられるTUFシーズン8ファイター。UFCをリリースされたのち、ローカル大会を挟んでWECと契約も、初陣でエディ・ワインランドに苦杯を舐めた。

敗北を重ねれば、元UFCという肩書が何も役に立たないどころか、その勲章を奪ったファイターの格があがり、標的にもされやすいビッグネームたち。ガルシア、ループともに、元WECという肩書にならないためには勝利が必要な一戦となる。

UFCから体重を落としてきたファイター、他メジャーから移籍してきた選手が苦戦を強いられている現状が、上の2試合で明らかになっている。だが、そんなビッグネームに大手を振って活躍させていない現実を作りあげたいのが、中堅プロモーションで実績を残してきたファイターたちだ。

今大会ではセミで、バンタム級王座を再獲得するため、高いハードル=ジョセフ・ベナビデス戦を用意されたミゲール・トーレスも、シカゴエリアで名前を挙げた元ローカル・ヒーローだ。

昨年8月に思わぬTKO負けで王座を失ったミゲール。本来はボクシング+レスリングで、フィジカル偏重のベナビデスのようなファイターの料理は得意としているはずだが、キャリア初のTKO負けで、相手の勢いを利用した、まるで対戦相手を包み込むような寝技にどのような変化が見えるか。

Torres(C) ZUFFA【写真】PPVカードに顔を並べておかしくないミゲール・トーレスが、ここでまだジョセフ・ベネビデスというWECの妥協なきカードに挑む (C) ZUFFA

また、ソフトな寝技の使い手という印象の裏で、ラテンの血の持ち主らしく、頭に血が上りやすい気質であり、目には目を歯には歯を――拳には拳をという戦いになりやすいのもミゲールの特徴だ。

仮にベネビデスと打撃戦を繰り広げることになれば、ドミニク・クルーズの足使いにやられ、ハニ・ヤヒーラを一撃で仕留めたベナビデスにとって、思い通りの試合展開に持ち込むことになる。バンタム級次期チャレンジャー決定戦といってもいいこの一番、ミゲールの試合運びが注目される。

この他にも、注目のファイターの出場が目白押しの今大会。エリック・コウとWECデビュー戦を迎えるチャド・メンデスは、なかでも特に気になる選手といえる。

ベネビデス同様、ユライア門下のメンデスは、2度のオールアメリカン獲得経験があるレスラー。西の登竜門PFCで08年9月にプロデビューを飾り、TPFまで5連勝でWECからスカウトされた。

ユライアのスタイルをさらにレスリングに特化したパウンダーという印象の強いメンデスだが、WECは勢いだけで勝てる場でないことは、師ユライアの試合を見ても明らかだが、彼らの思考は、アグレッシブにいって勝てないなら、さらにアグレッシブになるというもの。

豪快なWECデビュー戦が期待されるメンデスだが、対戦相手のコウはガルシアを苦しめ抜いたジャマール・マスーを破っているファイター、期待の新鋭にとっても十分に厳しい初戦といえるだろう。それが、WECが現在の充実したラインナップを生んだ要因。この難関を乗り越えて初めて、チャド・メンデスの名は全国区への一歩を踏み出すことになる。

また、IFLライト級タイトルコンテンダーから、WECフェザー級の頂点を目指す、リトアニア人ファイターのタウロセビチュス。対戦相手はアドレナリン~アフリクション~戦極と渡り歩いてきたLC・デイビス。渋い勝利の方程式を貫くLCを、タウロセビチュスが如何に打撃と柔術の妙で切り崩すのか。LCの判定勝ちなら、まず凡戦が予想される一戦だけに、タウロセビチュスの攻撃力に期待がかかる。

メインカードのオープニングを飾るバート・パラジェンスキーに挑む、第三のアルメニアン=カレン・ダラベジャン。プレリミ出場が不思議なスコット・ヨルゲンセン×チャド・ジョージの一戦。

さらに地味に第2試合出場となったフレジソン・パイシャオン。さらにさらに、フランスの組技界ナンバーツー(ナンバーワンは、組技に専念するダビ・ピエールルイジ)=ベンディ・カシミール、日本で中蔵隆志には敗れているが、TUF9準優勝のアンドレ・ウィナーに勝っているファイターの初出場など、本当に見所の多いWEC47だ。

■WEC47対戦予定カードは下記の通り

<WEC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ブライアン・ボーウェルズ(米国)
[挑戦者]ドミニク・クルーズ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス(米国)
ミゲール・トーレス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ハビエル・バスケス(米国)
ジェンス・パルバー(米国)

<フェザー級/5分3R>
LC・デイビス(米国)
デヴィダス・タウロセビチュス(リトアニア)

<ライト級/5分3R>
バート・パラジェンスキー(米国)
カレン・ダラベジャン(アルメニア)

<バンタム級/5分3R>
スコット・ヨルゲンセン(米国)
チャド・ジョージ(米国)

<フェザー級/5分3R>
エリック・コウ(米国)
チャド・メンデス(米国)

<ライト級/5分3R>
ダニー・カスティーリョ(米国)
アンソニー・ペティス(米国)

<フェザー級/5分3R>
レオナルド・ガルシア(米国)
ジョージ・ループ(米国)

<フェザー級/5分3R>
コートニー・バック(米国)
フレジソン・パイシャオン(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
リカルド・ラマス(米国)
ベンディ・カシミール(フランス)

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